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HappyHunting♡  作者: 六郎
第14章 ドゥムルガ戦役 (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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⑭-40-449

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ボギィ!


俺の蹴りで首の骨が折れた弓兵。

左回し蹴りで要塞の外に落ちていく弓兵。

右回し蹴りで要塞の中に落ちていく弓兵。

正面の敵に組み付き解体ナイフを首に刺す。

右から小刀を振りかざした男が来るが組み付いた男を盾にする。

左の男に前蹴り、要塞の外に落ちていった。

更に正面の男の懐にターンしつつ飛び込む。

逆手に持ったナイフで背後の男の腹を何度も突き刺す。

左の男に左ハイキック。

爪先からナイフが飛び出て男のこめかみに突き刺さる。

そのまま前転して飛び込んで逆立ちしながら足を広げて独楽の様に回りだした。

両方の足の爪先からナイフが出て触れる者を傷付けてゆく。

敵兵士達が距離を取った所で起き上がり回し蹴りでまた落としてゆく。


「何だぁ!こいつはー!」

「要望通り降りて来てやったぜ!」

「密集し過ぎて剣が振れん!」

「何とかしろー!」

「何とかったって!ぐっ!?」

『!?』


サーヤが後方から矢を射掛けていた。


『何だこいつらはー!』




ドドドドドドドドド


「マコル!」

「何て奴だ!」

「・・・あの密集状態を突破するか!」

「ファーダネ閣下!門に着きます!」


ファーダネ達が門の正面に着き中の様子を窺う。

味方の兵士が見える向こうで炎が揺らめいていた。


「「「何だ!?」」」

「第1陣を先発させ様子を報告させよ!」

「・・・はっ!」

「一気に突入しないので!?」

「場合によってはクレティアン将軍の助けが要るかもしれん!」

「なるほど!」

「クレティアン将軍が来るまで待機だ!」

「「は!」」




ファーダネからの第1陣がレヴィの下に来た。


「援軍ー!援軍に御座るー!」

「おぉ!ファーダネ将軍の!」

「ブルーフ様!戦況は!あの炎は!」

「何とか持ち堪えている!あの炎は敵を寄せ付けない為だ!」

「なるほど!」

「しかし援軍が来たなら必要は無い!」

「承知しました!戻って報告します!」

「頼む!」

「ファーダネ将軍に知らせろー!」

「はは!」

「者共ー!援軍が到着したぞー!」

『うおおお!』




クレティアン率いる軍が北門に到着した。


「ファーダネ将軍!」

「クレティアン将軍!中は御覧の通り、敵を寄せ付けない為に炎の壁で防いだそうです!」

「承知!御任せあれ!第1陣、我に続けー!」

『おぉ!』


クレティアンが門を越え炎の前まで馬を進めつつ、


「~~~。《アクアウェーブ》!」


地面に沸き上がった波が炎を飲み込み、ついでに背後に居た敵兵士達も飲み込んで押し流していった。


「「全軍突撃だー!」」

『うおおお!』

「東だ!東門を開けるのだー!」

『おぉ!』




ベドルバクラ軍本陣。


「報告!」

「どうなった!」

「予備兵敗退!北門は突破され続々と侵入されています!」

『・・・』

「まさかグデッペン要塞が・・・」

「総大将、最早これまで。撤退を」

「・・・西には兵は居らんのだな」

「はい」

「撤退に移る!準備せよ!」

『ははっ!』




ワァーワァーワァーワァーワァー


「クァー!」

「ファーダネ、クレティアン将軍が北門に到着しました!」

『おぉ!』

「やった!」

「やりました!」

「うむうむ!」

「後は東門を開けてバルドル将軍も突入させます!」

「西門は兵を配置していないわね!」

「はい!退路を断たれれば死に物狂いで抵抗するでしょう!わざと逃げ道を作っておけばそこに逃げるでしょうから!」

「私達の目的はグデッペン要塞の奪取!敵兵を殺す事ではありません!無用の戦闘は此方の被害も出ますからね!」

「要塞を!あのグデッペン要塞を我々が!」

「まだです!まだ終わっていません!気を引き締め直しなさい!」


セーラ達がその後の指示を出している間、諸侯の数人がそっと天幕から離れて行った。




「くっ!」


カンカン


俺は矢をナイフで弾く。

城壁上の敵兵士を東門付近の四角塔まで追い詰めたが四角塔の2階3階、屋上からも矢が飛んで来ていた。


「ここまでだな!」

「引き返しますか!」

「そうしよう!後は下から東門に行ってもらえば大丈夫だろう!」

「はい!」

「東からミキ達が来てる!」

「合流しますか!」

「そうしよう!」




北門付近ではファーダネとクレティアンが北門を占拠して指揮を執っていた。


「中央は攻めなくて良い!守りだけ固めろ!」

「東だ!攻めるのは東門だ!」

「ファーダネさん!」

「マリアか!」

「マコルは!?」

「城壁だ!東の方に向かったようだ!」

「ありがとうございます!」

「気を付けてな!」

「はい!」




ベドルバクラ軍本陣。


「全軍に通達を出しました!段階的に撤退をしながら西門へ向かいます!」

「よーし!我々も西門に移る!準備せよ!」

『ははっ!』




ルンバキア軍本陣。


「報告!」

「何じゃ!」

「一部の諸侯が手勢を引き連れ飛び出して行きました!」

『何だって!?』

「抜け駆けか!」

「あんのアホ共ぉー!」

「幾ら抜け駆けが成功すれば罪は不問にされる不文律とは言え、こんな時に!」

「如何されます!?呼び戻しますか!」

「ほぉーっとけー!それより南門への攻撃を緩めて本陣防御に回せー!」

「畏まりましたー!」




北門付近の城壁上で。


「カズヒコ!」

「ミキ!」

「カズ兄ぃ!」

「カズヒコ!」

「サーヤも無事ね!」

「はい!」

「この辺味方兵士が居ないわね」

「俺達が門塔を封鎖したからな。居なくても大丈夫だ。それに主戦場は東門に移った」

「そう」

「良かったぁ無事で」

「心配かけたな、マヌイ」

「んーん、信じてたよ」

「ここからは俺達は戦う必要は無いだろう」

「そうね。危ない橋渡る必要無いわね」

「兵士の役目だしね」

「そうだな」

「君等は鉤縄のロープで北門塔に登って待っててくれ」

「「「「えっ」」」」

「俺は仕事が有る」

「「「「仕事?」」」」

「『7人の侍』を逃がす」

「「「「!?」」」」

「逃がすの!?」

「死なせるに忍びなくてな」

「「「「・・・」」」」

「気持ちは分かるけど・・・」

「でもどうやって?囲まれそうなんでしょ?」

「西門から逃がす」

「確か死に物狂いの抵抗を避ける為、西門には兵を配置しないはずだったが」

「『7人の侍』を逃がす為だったの」

「その為でもあった」

「そう」

「彼等は今何処に?」

「南門付近に居る」

「行くの?」

「あぁ」

「私も行きます!」

「サーヤ。ミキ達と一緒に待ってるんだ」

「任務はまだ終わっていません!カズヒコさんを守るのは私の役目です!」

「そうしなさいカズヒコ。決意は固そうよ」

「・・・はぁ。じゃぁ急ぐぞ」

「はい!」


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