⑭-37-446
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ベドルバクラ軍本陣。
上層部は戦局は自軍に有利そうなので南門塔から移って来ていた。
「今日は東西門にも攻撃が来ておる」
「本格的な攻勢ですな」
「今日決着をつけるつもりでしょうか」
「その様だ」
「返り討ちにしてくれましょうぞ！」
「然様！あのイスカンダル王すら凌いだこのグデッペン要塞をもってすれば容易い！」
「目にもの見せてくれましょうぞ！」
北門付近に居た兵士が気が付いた。
「あ、あれ！？落とし格子が上がっていってないか！？」
「何だと！？」
「ほ、ホントだ！」
「どうなってる！」
「おい！誰か門塔に見に行けよ！」
「「ぬぎぃ～！」」
ギギギギギ
ドンドンドン
「おい！何やってる！格子が上がってるぞ！」
ドンドンドン
「おい！返事をしろ！おい！」
ドンドンドン
ガタン
「よし！この位で良いだろ！何も全開にする必要は無いからな」ハァハァ
「そうですね！兵士が入れる高さであれば良いんですし」ハァハァ
「クァ！」
レイヴが階段から降りて来た。
「おっ。丁度良いタイミングだ！また手紙を頼むよ！」
「クァ！」
「サーヤは魔力ポーションを飲んでおけ」
「はい！」
ベドルバクラ軍本陣。
「報告！」
「何だ！」
「北門の落とし格子が上がっております！」
『！？』
「何だと！？」
「どういう事だ！？」
「門塔は両方の入り口は閉じられたまま返事は有りません！」
「何が起こっている！？」
「諜報員か！」
「前に忍び込んだ奴か！」
「馬鹿な！このグデッペン要塞に潜入だと！？」
「かなり前から居たのだろう！」
「今はそんな事を論じている場合ではない！」
「如何致します！？」
「突破しろ！扉を破って中に入って格子を落とせ！」
「ははっ！」
ワァーワァーワァーワァーワァー
ルンバキア軍本陣。
「クァー！」
「手紙は何と！？」
「外側の落とし格子は開いたと！」
『おぉ！』
「もう攻めて来いとあります！」
「騎兵隊！北門に突撃じゃー！」
『おぉ！』
「西門東門の歩兵を北に向かわせるんじゃー！」
『おぉ！』
「この機を逃すなぁー！今こそグデッペン要塞を落とすんじゃー！」
『うおおお！』
ドォーン！ドォーン！ドォーン！
丸太か何かで戸を破壊しようとしているようだ。
「用意は良いか！？」
「はい！《身体強化》！」
「「せーのっ！」」
ギギギギギ
「こらー！開けろー！」
「開けやがれー！」
「開けねぇーと殺すぞー！」
「プー！ふふふ！止めてくれ！開けても殺すだろうに」
「もう！カズヒコさん！笑ってる場合じゃないですよ！」
「だぁってぇー、あいつ等が笑わすんだもん」
「「せーのっ！ぬぎぎぎ」」
ギギギギギ
同時刻東門。
城壁を巡っての攻防戦の最中。
ワァーワァーワァーワァーワァー
ドドドドドドドドド
城壁に居るベドルバクラ軍兵士から彼方に馬群が見える。
「な、何だぁ！？」
「騎兵隊！？」
「攻城戦に騎兵隊！？」
「暑さで頭やられたか！？」
「でもこっちじゃなく北に向かってるぜ！」
「何をしてるんだ！？」
ギギギギギ
ガタンッ
もう一方と同じ様にこの歯車にも駐屯地を作るために伐採した木をかまして回るのを止めさせた。
「こいつを抜くのは骨が折れるだろう」
「そうですね！」
「はぁ～疲れた。スタミナポーションを飲んでおこう」
「はい！」
「んぐんぐ・・・おっ、来た様だぞ」
「味方ですか！？」
「その様だ」
ドドドドドドドドド
「見ろぉ！北門の落とし格子が２枚とも上がっているぞー！」
『おおぉ！』
レヴィアン・ブルーフ率いる騎兵隊が東から回って北門正面に集結した。
レヴィアンが抜剣して天に掲げる。
「我々がイスカンダル陛下以来の宿願！グデッペン要塞を落とす尖兵となるのだ！」
『おおぉ！』
「皆の者！歴史に名を残せー！」
『おおおぉ！』
「進めー！」
ドドドドドドドドド
北門塔より東寄りの城壁。
「うあああ！援軍！援軍を呼べ！」
「東西門に気を取られた隙を狙われた！」
「門塔には入れたのか！？」
「あの様子じゃぁまだだろ！」
「くそっ！どーすんだ隊長！」
「弓兵は城壁上から撃ちこめ！歩兵は下に降りて応戦しろ！」
「歩兵は下に降りて良いのか！」
「騎兵隊しか居らん！外から壁を上がって来る事は無い！門からの突入を阻め！」
『おおお！』
「ぐあっ！」
「あつっ！」
「何だ！？」
「矢！？」
「ど、どこから！？」
「あ、あそこ！」
『ん！？』
「門塔の屋上から！」
屋上からカズヒコとサーヤがクロスボウと弓で周りの兵士を撃っていた。
「あの野郎！」
「ブッ殺せ！」
「待て！弓兵が応戦しろ！歩兵は下に降りて騎兵隊を入れるな！」
『おおぉ！』
ベドルバクラ軍本陣。
「報告！」
「何だ！」
「北門落とし格子！２枚とも上がりましたぁ！」
「クソったれめ！」
「予備兵全て投入して死守させろ！」
「ははっ！」
「東西門への攻撃は注意を惹き付ける為か１」
「報告！」
「何だ！」
「東西門の敵兵士！北に移動中！」
「遅いわー！」
