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HappyHunting♡  作者: 六郎
第14章 ドゥムルガ戦役 (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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僕達のテントで話し合っていた。


「策って!?」

「う~ん。よくよく考えたら僕1人じゃぁ出来なさそうだ」

「私も行きます!」

「ま、まぁ待てサーヤ君」

「それじゃぁ1人?連れて行くのね?」

「あぁ。しかしヒト族に紛れる為にマヌイとケセラは除外だ」

「「えー」」

「種族的に無理だろ。となると同じヒト族の菊池君とサーヤ君だが、菊池君は僕が居ない間のリーダーだ、連れてはいけない、つまり」

「やった!私ですね!」

「そ、そうだ。何で嬉しそうなのかは分からんが」

「カズヒコさんは私が護ります!」

「た、頼むよ。魔力は勿論、力も《身体強化》使えば断然君の方が上だからな」

「はい!」

「しかし僕の命令には従ってもらう。これは絶対だ」

「勿論です!」

「もしバレた時に僕を見捨てて逃げろと言ったら逃げろ。良いな」

「はい!」

「家族としてその言は信用するぞ」

「・・・はい」

「トーンが落ちたのは気になるが、まぁ良い」

「それでどうやって潜入するのよ」

「そうだ。先ず潜入が難しい、というか1番の問題だろう」

「そうだよ。何千人って兵士が居る要塞だよ。城壁の見張りも多いし」

「そうだな。先ずはサーヤ君には数日訓練を受けてもらう」

『訓練?』




数日後の夕方。

天幕で上層部が集まっていた。


「全く。まだ潜入に行かんのかね、あの冒険者は」

「本当ですな。こうしてただ待っている間にも兵士に食わせる食料や賃金が発生すると言うのに」

「軍を維持するのも無料タダではないと教えてやりたいですな」

「私は要塞を攻める必要は無いと言ったのですけどね」

「殿下。我々は御身を思えばこそ、国を思えばこそ進言したのです」

「然様。今後のルンバキア公国を思えばこそでござる」

「であれば作戦には従って貰いますよ」

『は、はは』

「大公軍が主体的に攻めます。良いのですね、先陣を任せても良いのですけど」

「はい。我々は連日の攻撃で疲れてしまいまして」

「休息を頂ければ何よりに御座います」

「大公軍の後詰は御任せ頂きたい」

「ではその様に」

『畏まって御座います』

「ファーダネ将軍、クレティアン将軍も。援軍とは言え前線を任せて申し訳ありませんが宜しく御願いします」

「「畏まって御座います」」

「失礼します!」

「何か」

「ワイルドキャットからの言伝で、今夜決行するとの事です!」

『おぉ!』

「分かった。御苦労だった」

「はっ!」

「漸く重い腰を上げますか」

「全く。これで失敗すれば軍の維持費を請求したいくらいですぞ」

「ですなぁ。ワイバーンも持ってる事ですし、それで補償させれば」

「はっはっは。それは良いですな」




フウウウゥン


夜闇の中、ブラックドラゴンで要塞に向かっていた。

操縦はケセラ、隣に俺、そして後ろにサーヤ君が同乗していた。

元々2人乗りの所に3人乗っているのでぎゅうぎゅう詰めだ。


「最終確認だ、サーヤ君」

「はい!」

「俺が飛び出した後、君も続いて飛び出す」

「はい!」

「空中で体勢を水平状態に維持しながら落下、僕のパラシュート開傘を見たら君も開傘だ」

「はい!」

「僕と同じ位置に落下が理想だ」

「はい!」

「例え予定地点への着地に失敗しても慌てるな。寝てる時間だから目撃されている可能性は低い。周りを確認だ」

「はい!」

「僕が合流するまで直ぐに隠れるんだ」

「分かりました!」

「ケセラはしばらく上空で待機」

「了解」

「僕がサーヤ君と合流したらランタンで合図を送る。それを見たら帰ってくれ」

「了解」

「しばらく合図が無くてもそのまま帰れ」

「了解」

「良し!そろそろだ」

「「了解!」」


前方に要塞の明かりが見えて来た。

ここ数日は草原でパラシュート降下の練習を重ねていた。

今回も草原から飛んで来たのだ。

降下して直ぐに行動出来るようベドルバクラ軍の軍装を着ていた。


「菊池君とマヌイは任せたぞ」

「あぁ!任せてくれ!」

「ハーネス」

「確認!」

「ゴーグル」

「確認!」

「ヘルメット」

「確認!」

「よーし!行くぞ!」

「はい!」


コンコンと自分のヘルメットを叩いた。

コンコンと後ろからも聞こえた。

窓を開ける。


ビョォオオオオオ


風が機内に入り込んでくる。

夏とはいえ夜は冷える。

その上に上空は風もある。

俺はヌルリと窓から滑り落ちた。


ブァアアアアア


体を水平にして手足を広げて空気抵抗を増す。

《魔力探知》でサーヤ君も続いているのが分かる。

少し先に要塞が見える。

月が有るとはいえ辺りは暗い。

しかし《魔力検知》で視えるので問題は無い。

要塞の真上から落下しては駄目だ。

元々飛行機に乗っていた為に俺にも速度が乗っている。

落下中も前に進んでいるのだ。

要塞上空に入って開傘した。


ブワッ


ユラユラと要塞上空を漂っている。

サーヤ君も開傘したようだ。

今日を決行日にしたのは風が弱い為だ。

今も煽りを受けてはいるが弱い。

十分に制御出来ている。

そのまま城壁よりも高い要塞中央の建物の屋上に着地した。


ファサァ


上空を見る。

サーヤ君も練習の成果が出ているようで大変そうにしながらも降りて来ている。

やがて俺の近くに着地した。

急いでパラシュートを収納袋ランクCに入れる。

周りの魔力反応を探るが特に変わった様子は無い。

ランタンを出して上空に合図を送る。

合図を確認したのだろう、ブラックドラゴンは南に向かって行った。


「成功だサーヤ君、よくやった」

「はい!」

「収納袋から要塞の模型を出してくれ」

「はい」

「予定通り今僕達はこの建物の屋上に居る」

「はい」

「明日も予定通り北門塔に向かう。ここだ」

「はい」

「じゃぁ今から君は傷病兵だ」

「はい。顔に包帯を巻きます」

「あぁ。君は綺麗だからな。隠さないと女ってバレるからな」

「もう!カズヒコさんったら!」バシッ

「ぐっふ!」

「胸は大丈夫でしょうか」

「ぐふっ、確かに君のは大きくて魅力的だけど、荷物を抱えてりゃ大丈夫だろう」

「もう!カズヒコさんったら!」ボゴッ

「おっふ!」


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