表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HappyHunting♡  作者: 六郎
第14章 ドゥムルガ戦役 (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
437/706

⑭-28-437

⑭-28-437




「報告!味方右翼魔導隊員多数被弾!落伍者多数!」

「何だとぉー!?」

「どういう事だ!」

「敵左翼に敵主力魔導部隊が居る模様!」

「何と!?」

「中央は!?」

「散発的な攻撃の応酬で進退に影響はない模様!」

「読まれていたのか!?」

「如何されます!?」

「このままでは右翼が突破されますぞ!」

「むむむ・・・奴等に合図を出せ!」

「奴等!?」

「テンプラーだ!」




「報告!味方左翼、敵魔導隊を駆逐しつつあり!」

『おお!』

「そのまま攻撃続行じゃー!」

「はっ!」

「マコ兄ぃ!」

「どうした!」

「何か砂埃が多過ぎる気がするんだけど!」

「砂埃!?」


戦場を振り返って見ると味方が出す砂埃よりも敵が出すそれの方が多い。

というか明らかに多過ぎる。


「確かに多いですな!」

「何でしょう!?」

「フリーエ!戦ではあんなに舞うものなのですか!?」

「時と場所によりますがなぁ!」

「敵の策ですかな!」

「仮に策だとして、あれでは向こうの大将からも戦場の様子が分かるまいよ!」

「あれやあれや!敵第2波以降の敵が見えませぬぞ!」

「何を考えておるのだ!」


む。

感じる。

多数の振動に紛れているが感じる。

多数の振動は多数の人間が地を踏む音だ。

それに混じって違う多数の・・・四足動物・・・馬か。

右。

砂埃の向こう。

騎兵隊だ。


「フリーエさん!」

「何じゃマコル!」

「右側よりテンプル騎士団来ます!」

「来よるかぁー!」

「砂埃はその為の隠れ蓑か!」

「奴等!小賢しい!」

「マコル!」

「はい!」

「対テンプラー防御じゃ!」

「分かりました!みんな!バイヨ達とジャック達を呼べ!」

「「「「了解!」」」」




ドドドドドドド


「聞けぇーい!皆の者ぉー!」

『おぉ!』

「魔法戦に気がいってる今こそ好機ぃー!」

『おぉ!』

「呆れる事に天幕を用意しておる!その中に大公が居るに違いないぃー!」

『おぉ!』

「我等テンプル騎士団が大公の首を取り!諸国に我らの存在を!神の教えを広めるのだぁー!」

『おおぉ!』

「隊長!砂埃に入ります!」

「右端を先頭に雁行隊形!」

『おぉ!』




ボフッボフッボフッボフッボフッ


「右翼砂埃から騎兵隊来襲確認!」

「テンプル騎士団です!」

「頼んだぞぉ!マコルゥ!」




ドドドドドドド


「天幕確認!本陣の様です!」

「よぉーし!このまま突撃だぁー!突撃縦隊!」

『おぉ!』




テンプラーが味方右翼の後背を回ってこっちに向きだした。

競馬の最終コーナーを回って来るかのように。


   「騎兵ざっと100騎!」

   『100騎!?』

バイヨ「何とまぁ!多いねぇ!」

ティア「信用してるわよ!マコル!」

   「君等の働き次第だ!」

ジャック「特にテンプル騎士団には負けられねぇぜ!」

ダナ 「そうよ!目にもの見せてやるわ!」




ドドドドドドド


「前方!冒険者凡そ2小隊!」

「はっ!物の数ではないわ!」

「ですな!」

「二手に分かれる!両側から挟んで突破してそのまま本陣も蹴散らせぇーい!」

『おぉ!』




「ティアは左!」

「了解!」

「フイネは右!」

「りょ、了解!」

「後は全員で引っ張るぞ!」

「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」

「よし!引っ張れぇー!」

「「「「「「「「「「おぉ!」」」」」」」」」」


ザザザ


引っ張ったロープの先の地面から槍を柱とした馬防柵が現れた。

槍は前面に向かっている。

閉じられていた衝立が重力により展開されそれを支柱として槍衾の馬防柵が完成された。




ドドドドドドド


「しょ、将軍!」

「うぬ!猪口才な!しかし出すのが早い!そのまま二手に分かれて馬防柵を避けろ!」

『おぉ!』




騎兵隊が俺の前で馬防柵を避けるように二手に分かれた。

先頭集団が俺達の左から来る。


「ティア!」

「《バインド》!」

『ヒヒィン!』

「おわっ!」

「ぬあっ!」

「どぅあ!」


ドドドォ!


闇の手に絡まれた馬達が倒れ込んだ。

そしてその馬達に後続の騎兵もぶつかって左側に来た騎兵は相当数落馬した。


「マーヤ!左は任せた!」

「はい!《身体強化》!」


「ぬぬぬ!何が起こったか分からんが最早停まれん!このまま突撃だぁー!」

『おぉ!』


左側の落馬しなかった騎兵たちが俺達の横を通り過ぎようとするが、


『うあぁぁ!?』


サーヤがロープを引っ張ると脚を引っかける様に張られていった。

そのロープの先には土を被って《偽装》された地面に突き刺さる支柱。

ロープに引っ掛かり更に落馬する者を出していく騎兵たち。

巻き込まれず迂回した騎兵も足元に突然空いた穴に足を取られる。

落馬せずに済んだ少数が本陣に向かう。

しかし本陣を固める近衛兵の数の方が断然多い、大丈夫だろう。


「ぬうう!許さん!本陣より先に冒険者共を血祭りにあげる!投げ槍準備ぃー!」

『おぉ!』

「放てぇー!」


ドヒュヒュヒュッ


「フイネ!」

「《バリア》!」


ガァンガァンガァン


「何だと!?」


右側の騎兵が右横を通り過ぎようとした。


「セリーナ!」

「おう!《身体強化》!ぬん!」


サーヤと同じ様にロープを張る。


「ぐお!」


ロープに引っ掛かり次々に落馬していく。

更にまた転倒した馬にぶつかって落馬してゆく連鎖。

落馬した騎兵たちが後続の馬に追突され吹き飛んでゆく。

それを迂回出来た騎兵も穴に足を取られ落馬しそこに後続がぶつかりまた連鎖。

残り少ない騎兵たちが本陣に向かう。




天幕で様子を見ていたフリーエ。


「よぉーし!作戦通りじゃぁ!ラーンに合図を!」

「は!」

「近衛兵は来る騎兵を討ち取れー!」

『おぉ!』




合図を受けたラヴィアン・ブルーフが北側から騎兵隊を引き連れてカズヒコ達の下に駆け付ける。


ドドドドドドドドド


手に持った槍で地上に落ちた騎士を突いていく。


「俺達も援護だ!」

『おぉ!』

「「「《マイティ・ストライク》!」」」

「「《パワーショット》!」」

「《強撃の一矢》!」

「「《風刃》!」」

「《アクアボール》!」


影ながら俺も《土想造コントロールアース》で目を潰していく。

乱戦だと恐ろしいな、これ。

周りに気を配らなきゃいけないから避けるのはほぼ無理だろ、これ。

土は地面に無限にある。

後は本人の魔力量次第だな。


「ぬおおおおおお!許さぁーん!」

「ん?」


声の方向を見るとテンプル騎士団の隊長らしき奴が立ち上がって吠えている。

俺はバリスタの下に走った。

照準を隊長に合わせる。

隊長とお互い仮面とゴーグル越しに目が合った。


「え!?」

「バリスタ!この前の戦いで使ってたろ!知らなかったの!?」

「バリスタ!?」

「神様ばっかり見てるからだよ!目の前の事にも注意しないと!」

「ちょ!ちょっと待て!ワシは教国軍四神将」

「バイナラ!」


ドォン!


隊長の首から上が吹き飛んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ