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HappyHunting♡  作者: 六郎
第14章 ドゥムルガ戦役 (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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⑭-17-426

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「報告!敵予備兵!敵中央軍の背後に展開しつつあり!」

「フリーエ様!」

「もう少し!もう少し時間が有れば!」

「フリーエ様!マコル達が東に動き出しました!」

「東に!?」




ドドドドドドドドド


「本気なの!?」

「これしかない!」

「でもっ!」

「お前等はファーダネさんに付いて盾隊を蹴散らせ!」

「分かったけど!」

「カズ兄ぃ!」

「カズヒコ様!」

「命令だ!」

「「「「りょ、了解!」」」」




「・・・ファーダネ様!またマコルが来ます!」

「さっきと同じコースです!」

「敵騎兵は!?」

「・・・見えません!」

「何だ!マコル!何をするつもりだ!」




ドドドドドドドドド


ミキ達は弓で射掛けず最高速度でさっきと同じコースを取っていた。

馬車の音は戦場の大音響に掻き消され、ベドルバクラ左翼軍の最後方に居る弓兵たちには聞こえない。


ブオッ


その最後方を横目に馬車が突進して通り過ぎた。

馬車から影が飛び出す。

結晶魔石の力で宙高く飛んだ男にベドルバクラ軍は誰も気付かない。


「マ、マコル!?」


ファーダネが叫ぶ。


ドォ!


兵士の首を折りつつ着地した拍子に両手に持っていた煙玉を地面に叩きつけた。


『何だ!この煙は!?』

「ぎゃっ」

「ぐあっ」

「うおっ」


煙の中から断末魔の叫びが聞こえる。




ドドドドドドドドド


「通せ!その馬車を通せ!」

「・・・はっ!」

「ファーダネさん!」

「マリンか!どうなってる!」

「マコルはあの煙の中です!」

『何だって!?』

「今の内にこのバリスタで敵盾隊を蹴散らします!」

『バリスタ!?』

「中央は予備兵が展開しつつあります!盾隊を蹴散らしたら突撃して崩してください!」

「分かった!展開される前に敵左翼を突破して中央の横っ腹を攻撃するのだな!」

「そうです!」

「分かった!」

「じゃぁポジションに移りますので失礼!」

「う、うむ!健闘を祈る!」




ミキ達がポジションに着いた。


「《風載矢》!」


バシュッ

ズガァーン!

『ぎゃぁあ!』


「敵左翼は中央ほど多くはないからイケるかも!」

「どんどん撃ち込まないと!」

「カズヒコ様が!」

「私も撃つぞ!」




「・・・バ、バリスタで盾兵が吹っ飛んでおります!」

「うむ!」

「弓兵に穴を狙わせましょう!」

「そうしてくれ!」

「ははっ!」

「マコル!堪えてくれよ!」




「何だぁ!この煙はぁ!」

「どんどん広がってるぞ!」

「というか中から生まれてくるような!ぐふっ」

「ぐはっ」

「どぅはっ」


煙の中から兵士達が《巨人の中指タイタンフィンガー》で吹き飛ばされていく。

無詠唱の連続発動だ。

ポンポンとポップコーンの様に飛んでいく。


(くそっ!煙玉は打ち止めだ!)

(ここらでズラかろう!)


ボシュッ


煙から影が飛び出した。


「カズヒコよ!援護して!」

「「了解!」」


マヌイとケセラがカズヒコの近くの兵士を撃っていく。

カズヒコが走って馬車に向かってゆく。

その間にもバリスタから鉄球が撃ち出されていく。


バシュッ

ズガァーン!

『ぎゃぁあ!』


カズヒコが飛んで馬車の近くまで来た。


「はぁはぁはぁ」

「大丈夫!?」

「あぁ!怪我は無い!」

「良かったぁ!」

「どんな調子だ!」

「もう少しで盾隊は崩れるわ!」

「ならそろそろ出るな!」




「・・・ファーダネ様!」

「うむ!者共ぉー!突撃だぁー!」

『うおおおぉぉぉ!』


ソルスキア軍が盾を前面に押し出して突撃した。

ベドルバクラ軍の槍を弾いて肉薄する。

盾の隙間からソルスキア槍兵が槍を突きこむ。

盾隊の後方の兵が後ろを振り返って両手を組んだ。

助走をつけた兵士がその手を踏んで跳躍する。

狙うは盾兵が居ない箇所だ。


ダダァ!


何人もの兵士がベドルバクラ槍兵の頭上から襲い掛かった。


『ぎゃぁあ!』


短剣を両手に対密集に特化した部隊だ。

槍を持っていて咄嗟に剣を振るえないベドルバクラ兵達が混乱に陥る。


「押せ押せ押せぇー!」

『うおおおぉぉぉ!』


「俺等も援護するぞ!」

「「「「了解!」」」」


俺達は東端に移動して側面から矢を射掛ける。

バリスタも撃ちこむ。


バリスタで吹っ飛ぶ様は敵味方に大きな心理的影響を与える。

1本の矢で1人が地面に倒れるよりも、

鉄球で数人が吹っ飛ぶ方が自分達がやられてる感が大きいのだ。

そして先程のカズヒコの敵中撹乱。

混乱今だ治まらなかったところに突撃を受けてとうとう前線は突破を許した。


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