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HappyHunting♡  作者: 六郎
第2章 冒険者 (コンテ:カズー、ミキティ)
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《掃除好き》と《殺菌》でなんとか部屋は落ち着いたものの、食事はやはり満足出来るものではなかった。

それでも食べないと明日からの仕事にもたない。


「いやー、この体の調子にこの料理はきついね」

「そうですね・・・せめて美味しければ」

「ってかあいつはなんで酒なんか飲んでるんだ?」


ジャンとその連れは酒を飲んでいた。

酒は依頼の飲食代経費に含まれず自腹らしいのだが。


「信じられんな」

「えぇー、夜何かあったらあの人たちの分も働くんですかね?」

「まぁ、飲んでも起きないってことはないだろ。自信あるんだろーな」

「だといいですけど」


部屋に帰って寝る準備、体拭きと歯磨きを終えた。

流石にからかう元気は無い。


「菊池君。《魔力感知》は3次元的に知覚するんだ」

「3次元的?」

「1階の様子も分かる」


2階に居る僕達の部屋から、村の小さな宿の中の様子が分かる。

以前に全員分の魔力を感知したがそれほど強い魔力の持ち主はいなかった。

1番強いのでシモン。

次にリオンヌか。

シモンは執事って言ってるが体つきや動きでそっち関係だと分かる。

《見切り》のお陰か?

リオンヌは商人関係のスキルでも持っているんだろう、領都でも有数の商人だって言うし。

スキルも魔法も同じ魔力を使うから、魔法が使えないから魔力も低いという訳ではない。


護衛で1番低い魔力がジャンだ。

よく喋る奴だが連れはあまり喋らんな。


《魔力感知》のLvが上がったお陰か、常時発動でも魔力切れにならなくなっていたので寝ている間も発動し続けることが出来る。

新たな魔力が感知範囲に入れば意識が向いて起きるので寝ていても大丈夫だ。




翌早朝。

昨夜は何事もなく過ぎた。

隊商の準備を終え出発した。

ジャン達は少しフラついてる・・・大丈夫か?


次の野営地に向かって進んでいると、


「あ-!」

「どっ、どうしたき、ミキティ?」

「先輩!ちょっと」

「分かった。お爺さんちょっと荷台に行ってくる」

「あぁ、構わんよ」


御者席から荷台に移って菊池君の様子を見る。


「何かあったのか?」

「《病気耐性》が上がってました!」

「なんだと!」


ステータス画面を見るが、


「俺は上がってないな」

「えっ、私だけですか?」

「どうやらそうみたいだな」


と、ステータス画面のパーティメンバーのステータスで菊池君のステータスを見ると、


「うん。菊池君の《病気耐性》が上がってるな、って・・・あら?」

「どうしました?」

「いや、菊池君のステータスに眼のマークが付いてるんだよ」

「えっ!?」

「菊池君は《隠蔽》取ってないよね?」

「えぇ、取ってませんよ・・・先輩!《隠蔽》のLv上がったじゃないですか」

「!?パーティメンバーのステータスも隠蔽出来るようになったと?」

「そうとしか現状考えられないですね」

「いやマジか。やったね!菊池君どれ隠す?」

「え~と。魔法でしょー、《掃除好き》に、あと《弓術》と《解体》はどうしましょう?」

「ん~。武器スキルは普通らしいから隠さない方が自然かもねー。クロスボウ持ってるしね。《解体》も冒険者やってれば習得するんじゃないかな」

「そうですね、じゃー、その2つで。先輩は、って2つしかスキル見えないんですけど!?」

「うう、どれも僕の個性を表すスキルでねー。悩んだ挙句そーなったんだよ・・・」

「そ、それもそうですね。魔力と名が付くものは駄目ですし。《隠蔽》《見切り》《罠》もスカウト系って分かりますし、《殺菌》は固有スキル。魔法は絶対ダメですし・・・そうなると《頑健》と《病気耐性》の2つだけ、って逆に不自然!」

「そーなんだよなー!不自然!分かってる。でもこれでいくしかない。まだ20才って所が救いかな」

「武器スキルがあればまだ良かったんでしょうけど」

「そーなんだよなー。まぁこればっかりはしょうがないよ」

「そうですね。私もより安全になったし、良しとしますか」


「でも一緒に居るのに私だけLv上がるって変ですね」

「僕は前世病気がちだったから上がりにくいのかも知れん」

「あぁ、なるほど」

「っていうかまた村で寝てたら耐性系がLvアップしたのかよ!」

「「どんだけー!」」




「先輩、干し肉食べます?」

「いや、干し肉やドライフードは旅では食べない」

「えっ、何でです?」

「水が不足しがちな旅では脱水症状が心配だ。脱水症状になってドライ系を食べたら腸の水分を吸収して腸閉塞になりかねんからな」

「腸閉塞って・・・じゃあドライ系は食べないんですか?」

「スープに入れて食べるとか。水分で戻しながら食べるんだよ」

「へー、よく知ってますね」

「僕の趣味は妄想だって言ったかな?」

「え、えぇ。先輩の部署に配属された時に自己紹介で言ってましたね」

「そういえば言ったかな」

「ドン引きでしたけどね。周りのみんなも」

「そ、そうだっけ」

「趣味が妄想って。しかも自己申告って、キモーって」

「お、おぉ・・・」

「アラフォーで趣味妄想って犯罪予備軍?キメーって」

「腸閉塞って言えば、菊池君便秘は治ったのかい?」


ドスッ


「で、趣味妄想がどうかしたんですか?」

「いてて。その妄想って言うのが、この世がバイオでハザードな世界になったらどう生き残るかって妄想なんだよ」

「・・・はい?」

「つまりゾンビの世界でのサバイバル生活な訳!」

「・・・前世で?」

「そう!文明が滅んだ世界で生き残るのを妄想してたんだ。いや妄想だけじゃなく実際に生き残る(すべ)を考えていた」

「ほ、ほー」

「食料は当分都市部では缶詰とかの保存食で大丈夫だろ。寝るところはマンションの高層階だ。衣服はいくらでも手に入る。ただ問題はやっぱり文明の利器がなくなる事だね。水道電気ガスの公共・・・」

「ちょちょちょ、それで、ゾンビの世界を妄想してたら自分が死んでゾンビになってゾンビが居る世界に転生したと」

「俺はゾンビではない。仮にゾンビだったら君もゾンビだ」

「私はゾンビじゃないですぅー」

「肌がカッサカサだね」

「オラァ!」

「ぐほぁ」


「それで?。妄想でサバイバルを考えてきたと」

「ぐふっ、ああ。実践は流石に普段の生活が有るから出来なかったけど」

「ゾンビいるんですよね?」

「ゴーストがいるらしいからね。いても不思議じゃない」

「多面体が言ってましたね」

「妄想は重要なんだよ。魔力もイメージが大事だろ」

「ま、まぁ。イメージを妄想と訳すのはちょっと違うような・・・」

「違う?」

「卑猥な印象を受けますね」

「下品!」

「んなっ!?」

「そんな考え方が卑猥なんですぅー!」

「~~~~~・・・」

「詠唱すなっ!」


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