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HappyHunting♡  作者: 六郎
第13章 ハッピー・リバースデイ (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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バダン!


2人を独房に入れてから衛兵に案内されセーラ達の居る部屋に向かう。

部屋に入ってセーラが話しかけて来た。


「説明を聞かせてくれますか」

「勿論ですヴォーレ殿下」

「まだ馴染みません」

「服と一緒ですよ。着てればいずれ馴染みます」

「ヴォーレ8世という服ですか」

「はい」

「ふふっ」

「マコル。説明を」

「ははっ。エリス教会に潜入した所、件の2人が密談している所に遭遇。内容は、何か騒動を起こそうとしていたようでございます」

『騒動?』

「はい」

「内容は」

「そこはまだでございます」

「他には」

「先日の殺人放火事件の犯人でございます」

『!?』

「何ですって!」

「殿下。殺人放火に関わっていたとなると騒動というのも物騒な事に違いありません」

「然様!急ぎ尋問をした方が宜しいかと!」

「・・・・・・マコル!」

「はっ!」

「御願い出来ますか」

「で、殿下!尋問なら私共衛兵に」

「いえ!マコル、相手の正体は」

「ベドルバクラの諜報員に間違いありません」

『!?』

「何と!」

「《爆鎖》や『フォー・キングス』について話していました。間違いありません」

「通常の尋問では吐かないでしょう!マコルに託します!」

「畏まりました。ご期待に沿ってみせましょう」

「御願いします!」




サーヤ君とさっきの独房に向かう。

その際目付け役の衛兵と共に出て行き、しばらくして衛兵と共に帰って来た。

その衛兵の顔色が優れない。


「どうでしたか」

「はい。あのメンド臭い教会長は単なるピエロでした」

「ピエロ?」

「はい。今彼は?」

「接待と言う名の取り調べ中だ。奴は教会長、今は信徒を刺激したくない」

「彼で気を逸らせている間に事を起こす算段だったようです」

「事?」

「はい。今夜、街に火を点け公都を火の海にする予定だったとか」

『何だってー!』

「衛兵!」

「は、はっ!間違い御座いません!立ち会ってこの耳で聞きました!」

「ここに奴等の襲撃予定場所をメモしました。活用ください」

「うむ!」


衛兵がメモをバグレスク大臣に渡す。


「早急に軍を整え、鎮圧に向かいましょう!」

「いや!派手に動けば地下に潜られる恐れがある!決行目前で捕縛するのだ!」

「それが良いでしょう。この際1人も逃がしてはなりません!」

「ははっ!では気取られぬよう人員を配置致します!」

「決行と言うのは?」

「はい。ある時間を持ってあの2人が合図を挙げる手筈です」

「ではその時間に踏み込みましょう!」

「そうして下さい」

「畏まりました!」

「ピエロというと奴は知らなかったという事か」

「そのようです。ただあぁいう性格なので利用されただけかと」

『・・・』

「まぁ確かにな。ではあれは地だった訳か」

「えぇ。だから利用されたんでしょう」

「他には?」

「はい。例の殺人放火事件ですが仲間割れの様です」

『仲間割れ?』

「はい。殺された者がルンバキアに住み着こうとしていた所、殺された模様です」

「北より南の方が良いと感じて・・・か。哀れな」

「しかし我々の政策が間違いでは無かったという事ですな」

「然様!北の人口流出は続いております!このままの路線で行きましょう!」

「そうですね。殺された者には可愛そうですが今迄の政策は間違っていなかったと確認出来た事にしましょう」

「それで尋問した者は鍵を隠し持っていました」

『鍵?』

「はい。保管庫は殺された者が持っていたようです」

「成る程!重要な物を持ってルンバキアに鞍替えしようとしたから殺した!」

「衛兵!その保管庫は!?」

「火災現場では見付かっておりません!」

「工作員に奪われたのか!?」

「それはないでしょう。あの2人も見付かっていないと話していました」

「そうか!しかし残念だな。諜報員の保管庫だ!見付かれば得る物も多かろうに!」

「しかし何故火を点けたのだ?」

「焼死として事件化しないようにする為です」

「そうか!確かにあのままだと遺体は焼却処分されていただろう」

「鍵は預かっていてもよろしいでしょうか」

「・・・・・・調査を?」

「はい。やるだけやってみようかと」

「・・・マコルの情報収集能力に期待ですな」

「えぇ。御願いするわ、マコル」

「王は頼むんじゃない、命令するもんですよ」

「ふふっ。オホン。マコル!保管庫の調査を命じます!」

「承りました。成功の暁には」

「報酬の上乗せね」

「流石殿下」

「板に付いて来たかしら」

「血筋でしょうかね」

「まぁ。おべっかも言えるの」

「スキルも持っております」

「まぁ!」

「それでは失礼致します」


俺はサーヤ君とマヌイと3人で部屋を出た。


「バグレスク殿」


ファーダネが呼ぶ。

みんなと離れてバグレスクと話し出す。


「閣下、どうしました」

「殿下は15歳であらせられたな」

「然様です」

「1番歳が近いのがマコルで22歳だ」

「むっ」

「聞けばソルスキア迄の道中で幼い頃よりの侍女に裏切られ侍女は殺されたとか」

「何と!」

「殿下はこれから国政に関わられる身、周りは老獪な者ばかりであろう」

「然様ですな」

「殿下に歳の近い者を侍従にあげてはどうか」

「成る程。早速取り計らいましょう」

「うむ」




薄暮の中3人で街中を歩いていた。


「でもどーやって保管庫探すの?」

「当ては有る」

「ホントですか!」

「あぁ。先日火事場で気になる女が居ただろ」

「「あっ!」」

「そういえば「女に誑かされた」とか「堅気の女」とか言ってましたわ!」

「その女の人が保管庫を?」

「恐らくな」

「場所は?」

「この前の《EMP》で場所も建物の構造も分かってる。そして現在在宅中だ」

「「おぉ!」」


そして目的の家に着いた。

一般人居住区の中でも下層階級の地区だ。

ドアをノックする。


コンコンコン


ややあってドアが開く。

あの時の女性が顔を出した。

向こうも俺だと気付いたのだろう、慌ててドアを閉めようとするがドアの隙間に靴を入れ閉めさせない様にする。


「な!何よ!」

「ちょっとお話を聞きたくて」

「何も話す事なんて無いわ!」

「何も聞いてないのに?」

「話す事なんて無いのよ!出て行って!」

「そうはいかなくてねぇ。衛兵に所属する者だ。入らせてもらうよ」

「帰って!帰ってよ!」


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[気になる点] これじゃあ仕事じゃなくて慈善事業。
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