表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HappyHunting♡  作者: 六郎
第13章 ハッピー・リバースデイ (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
390/706

⑬-20-390

⑬-20-390




「ぶあああぁぁぁ・・・」

「ぬぎぃぃぃ死ぃぃぃねぇぇぇ」


しばらく締め続けて大男は落ちた。

不意に力が抜けた様になった。

全く動かない。

俺は窓から廊下に戻る。

大男を床に引き倒す。

解体ナイフを抜いて首を掻き斬った。


シュバッ


血が噴き出る。


「しょ、将軍!?」

「まさかっ!?」

「あの将軍が!?」

「撃ちなさい!」

「「りょ、りょーかい!」」


ヒュヒュヒュン


「あおっ!」

「うおっ!」

「くおっ!」

「くそっ!一旦引くぞ!」

「退却だ!」

「合流しろー!」


バタバタバタ


残った兵士達は逃げて行った。


「カズヒコ!」

「カズ兄ぃ!」

「カズヒコ様!」

「カズヒコ!」


彼女達が集まって来る。


「大丈夫!?」

「あぁ・・・はぁはぁ。大丈夫だ」

「壁にぶつけられてたけど!?」

「そうです!ポーションを飲んでおきましょう!」

「そうしろ!」

「はぁはぁ・・・スタミナポーションを飲む」

「回復の方が良いんじゃない!?」

「いや。この先まだどうなるか分からん。しかし体力は尽きそうだ。先ず体力回復を優先する。回復はマヌイに任せる」

「分かったわ。サーヤ!マヌイ!」

「はい!どうぞ!」

「うん!」


マスクを外してスタミナポーションを呷る。

飲んでいる間にマヌイが治癒を胴体に掛けてくれている。


「んぐんぐ・・・」

「でもよく絞め殺せたねぇ」

「本当だな。かなり力が強いのだが」

「知ってるの?」

「あぁ。将軍だからな」

「でも何で首を斬ったの?」」

「首を絞め落としても死んでない場合が多いんだ」

「へー」

「確実に殺すには落とした後も1分程そのまま締める必要がある」

「へー」

「相手を絞め殺す時は注意するんだぞ、マヌイ。サーヤも」

「うん!」

「はい!」

「しかし何故カズヒコを引き剥がせなかったのだ?力が強いから簡単に出来そうだが」

「こういう筋肉ムキムキ系の奴は自分の背中に手が届かないんだ」

『えっ!?』

「筋肉が邪魔してね、可動域が狭いんだよ」

「そーいえば、カズ兄ぃを捕まえようとしてたのか手を背中に一生懸命回そうとしてシュパシュパやってたね!」

「あぁ。途中で諦めて首の紐を掴む事にしたが細くて掴みにくかったんだろうな」

「苦しそうだったね」

「マッチョを殺すには後ろから締めろ、ただし圧し潰されんようにな」

「うん!」

「はい!」

「物騒な事教えてんなぁ」

「空気が脳に送られないから脳の働きも低下して考える能力も落ちてしまう。特に筋肉はエネルギーや空気の消費が大きい。直ぐに欠乏状態になるんだ」

「こんなにムキムキだから消費が大きくて苦しかったんだね」

「窒息はそれ自体が苦しいが能力の低下も加わる恐ろしい状態だ。気を付けるんだぞ」

『はーい』


「さてと」

「また死体を収納しておきますね」

「頼むよ。後その斧も頼むね」

「はい」

「それであのバリケードの向こうね」

「あぁ。弟妹派が破ろうとしてたんだ、大臣派だな」

「えぇ、多分ね」

「おい!戦いは終わったのか!」

『!?』


バリケードの向こうから聞こえて来る。

返事を返す。


「誰だ!?」

「近衛騎士だ!」

「大臣派か!」

「大臣派・・・というか弟妹派ではない!」

「うーん。どういう意味だ?」

「さぁ」

「弟妹派の将軍はどうしたんだ!?」

「始末した!」

「!?お前等がっ!?」

「そうだ!」

〈・・・・・・・・・〉


バリケードの向こうで話し合っているらしい。

ややあって向こうから再び話しかけて来た。


「お前達はセルラムディ殿下の一党か!」

「そうだ!ソルスキア軍と共に来た!」

「それで殿下は今どちらに!?」

「オラキア郊外に来ている!既にソルスキア軍は城まで来ている!」

「おぉ!」

〈・・・・・・・・・〉


バリケードの向こうで話し合っているのだろう。


「お前達は何人で来ている!」

「言う必要は無い!」

「な、何!?」

「お前達は包囲されている!大人しく出て来なさい!」

「な、何を言っている!」

「大人しく家宝を渡しなさい!お前達が持って良い物じゃない!殿下が持つべきものだ!」

「ま、待て!我等は持っていない!」

「嘘を吐け!じゃぁ何で弟妹派と戦っていた!」

「そ、それは・・・」

「降伏せよ!さもなくば突入して制圧する!命の保証はない!」

「待て!」

「3つ数える間に降伏せよ!いーち!」

「待て!」

「にぃー!」

「待ってくれ!お前達は誤解している!我々は弟妹派から守っていたんだ!」

「家宝をだろう!だからお前達が持って良い物じゃ無いと言ってるだろう!」

「違う!家宝は本当に持っていない!守っているのは大臣だ!」

「だから大臣派なんだから当然だと言ってるだろう!さー」

「違う!誤解をしている!大臣は公家に弓を引いたんじゃない!公家を守ろうとしたのだ!」

「ん?どういう事だ!」

「公家の為に弟妹派と争ったのだ!」

「自分が大公に就こうとしたからじゃないのか!」

「大公!?馬鹿な!違う!セルラムディ殿下に就かせる為だ!」

「どういう事だ?」

「さぁ」

「詳しく聞いてみたら?」

「そうだな。詳しく聞きたい!バリケードを退けろ!」

「それは出来ない!お前達を信用出来ない!」

「ならば実力行使をする!被害は覚悟するんだな!戦闘準備!」

「待て!待ってくれ!話し合いたい!時間をくれ!」

「・・・小便を済ませる間に答えを出せ!」

「・・・分かった!」

〈・・・・・・・・・〉


直ぐに話し合っているようだ。


「下品よ」

「具体的な時間を思いつかなくてね」

「どーなるのかな?」

「さぁな。どちらにせよ情報を聞き出す必要がある。戦闘準備はしておいてくれよ」

「バリケードはどうするの?」

「サーヤ君に重ハンマーを任せる」

「はい!《身体強化》でブッ飛ばしてみせます!」

「頼んだ」

「はい!」

「しかしさっきの将軍の《トマホーク・トルネード》でも無理だったみたいだが、可能なのか?」

「強風で一気にブッ飛ばそうとしてたんだろう。一点集中で破壊を繰り返す。一点が開けばその穴からマヌイの《火炎流》を流し込む。その間に穴を次々に作って突入だ」

「分かった」

「バリケードがぶっ飛んだらケセラが盾を前に突入だ」

「うん」

「次に俺が飛び込む。《雷撃》連発で速攻で片を付ける。他に目撃者も居ない。皆殺しにする」

「情報用の人間まで殺しちゃ駄目よ」

「あぁ、任せろ。そういやレイヴは?」

「・・・近くに居るわ」

「あの窓から呼んでおこう」

「分かった」

「そろそろ?」

「あぁ。時間だ!覚悟は出来たか!」

「バリケードを退ける!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ