⑬-16-386
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「よーし!少し休憩しよう」
「「「はーい」」」
「う、うん」
「助けてくれ!」
「お前はこれから尋問タイムだ」
「なっ!ワ、ワシを誰だと思っておる!ルンバキアの将「おりゃ!」ぐふっ!?」
「余計な口を叩くなよ。聞かれた事だけを答えろ」
「ま、待て!ワシは将ぐ「たりゃぁ!」んっふ!」
サクサクサク
「ぎゃぁあああぁ!」
「もう1度だけ。もう1度だけだ。いいか、聞かれた事だけを答えろ」
「わ、分かりましたー!だから止めてー!刺さないでぇー!」
「お前等はルンバキアの家宝を狙っている、違うか?」
「違いませーん!その通りでーす!」
「弟妹派と軍が組んだ、そうなのか?」
「はい!その通りでーす!」
「お前等はセルラムディ殿下の派閥と戦っている、そうだな」
「そそそ、それはそうなのですが!」
「うん、どうした?」
「姫殿下とも戦っているのですが、目下、戦っているのは大臣のバグレスクの一党です!」
「なんだと!?」
「バグレスク大臣と戦ってる!?」
「なんで!?」
「どうして!?」
「どういう事だ!?」
「バグレスク大臣も反姫殿下じゃなかったのか?」
「我々もそう思ってたのですが、我々には与せず城を守るような事を言いだして・・・」
「んー。どうなってる」
「奴は大公になるつもりなのではないかと・・・」
『な、なんだってー!?』
「自分が大公に就く気なのか!?」
「お、恐らく!」
「何てこった!」
「何て事・・・」
「よーし、もう良いだろう。ここで時間を掛けてもなんだしな」
「お願い!喋ったんだから助けて!」
「サーヤ、マヌイ、ケセラ。背中を踏ん付けろ」
「えっ、えっ、何で!何でそんな事するの!?」
「マヌイ。水魔法の経験値だ」
「うん」
「ガボガボガボ・・・ガボッ・・・」
「まさか大臣がなぁ」
「そ、そうね」
「じゃぁこの先には3つの勢力が居るのかな」
「そうね。反乱軍、大臣軍、正規軍」
「うーむ。大変な事になっている」
「そうだな。少し整理するか。みんな怪我は無いな」
『はーい』
「スタミナポーションは飲むか?」
「まだ大丈夫ね」
「あたしも」
「私もです」
「私もだ」
「まぁ魔力は強かったが大して強くなかったしな、コイツ」
「いや、カズヒコ・・・コイツはな「足に引っ掛かって転んでたもんね!」」
「そうね。ホントに猪騎士だったわね」
「いや、みんな。コイツは「偉そうな事言って命乞いですし!」」
「休みつつ階段目指すか」
「はい。あっ、でもコイツ、プレートアーマーですし収納しておいた方が良いのでは?」
「・・・そうだな。キルフォヴァでも案外身分が高い奴等だったしな。そうしよう」
「はい!」
「・・・はぁ、もう良いか」
〈クルアァー!〉
「あれ!レイヴじゃない!」
「レイヴ?」
「うん!鳴き声が聞こえたよ!」
「・・・あぁ、レイヴだな」
「・・・ホントね。外を飛んでるわ」
「どこか窓が開く所を探そう」
『了解』
ソルスキア軍本隊が南門に到着した。
レネの副官が出迎える。
「お待ちしておりました閣下!」
「うむ!レネは!?」
「王城東門の守備に行っております!」
「東門!?」
「はっ!マコルが攻められていた東門を助け開放しそのまま城に潜入。残った者達だけでは維持は困難であろうとウルマン様は援軍に向かいました」
「そうか!騎兵では拠点防衛は難しかろう!歩兵を回せ!」
「ははっ!」
「騎兵斥候に他の門を偵察させよ!」
「畏まりました!」
セーラも到着した。
「ファーダネ将軍!」
「殿下!王城の東門を確保しているそうです!他の門に向かい、東門から中に入った部隊と挟み撃ちにして確保致します!」
「頼みます!」
「ははっ!歩兵隊をここの防衛に当てる!騎兵隊を再編しろ!門を確保する!」
「ははぁ!」
部屋に入り窓を開け、レイヴを呼び込む。
「クア!」
「よーしよし。良い子ね」
「グァ」
足の入れ物から手紙を取り出す。
その間に菊池君が特別燻製肉を食べさせている。
「スタミナポーションも飲むか?」
「グゥ」
「要らないって」
「流石伝書烏だな」
「クァ」
「何て書いてるの?」
「どれどれ・・・」
「ゼングン ミナミモンカラ トツニュウス」
「全軍南門に向かったって」
『おぉー!』
「これでお城の東門に向かってくれるね!」
「あの人達も助かりますね」
「うん、そうだ」
「こっちからの情報も送らないといけないけど・・・」
「情報量が多いねー」
『うーん』
「カホウヲアラソッテ テイマイハ ダイジンハ ト ミツドモエ」
「これでどうだ」
「・・・うん。良いんじゃない」
「うん。良いと思うよ」
「何より早く知らせた方が良いと思いますし」
「その通りだな。それで飛ばそう」
「よし。じゃぁ・・・これで、レイヴ頼んだ」
「クァ」
バサバサバサ
「はぁー。よし。じゃぁー行くか!?」
ドフォオオォォォ
グラグラグラ
「近くなってるわね」
「様子はどうなの?」
「部屋に閉じこもって防衛してる集団と、それを突破しようとしてる集団、って感じかな」
「閉じ籠ってるって事は・・・家宝は持ってるって事?」
「そうかもしれないわね」
「不味いな」
「しかし争っている内はまだチャンスは有るって事だろう」
「そうね。急ぎましょう」
『了解!』
城、東門。
「何!?東門を抜けて挟み撃ちにすると!?ファーダネ様が!?」
「然様です!現在本隊は王城南門に向かっております!」
「よーし!其方らは隊を分け、一部はこのまま門衛と共に東門を守れ!」
「ウルマン様!?」
「我々騎兵隊と残りの歩兵で王城南門の裏から突入する!」
「しかし!人数をかけ過ぎでは!?」
ドフォオオォォォ
グラグラグラ
「早く落とさねば間に合わなくなる!迷っている暇は無い!」
「ウルマン様!」
「本隊が攻撃を仕掛けたらそれを合図に突っ込むぞ!者共!抜かるなぁ!」
『おぉ!』
「はぁー、知りませんよ!」




