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HappyHunting♡  作者: 六郎
第13章 ハッピー・リバースデイ (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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俺達は王城に忍び込んだ。

《魔力探知》で衛兵などが居ない場所から侵入、恐らく反乱軍に当たっているのだろう。


「さてと。いや即位式の暗殺を警戒してた所に反乱かよ」

「裏をかかれたって訳?」

「盛大にな」

「これからどうする?」

「何を探るの?」

「何処に向かいます?」

「将軍は何処だ?」

「探る事が一杯だな。先ずは情報を整理する。弟妹派が将軍と組んで反乱を起こした・・・それだけか」

「それだけね」

「なんで城に攻め込んだの?」

「良いぞ、マヌイ。調べる事を洗い出そう」

「うん!」

「後は戦力?」

「そうだな」

「何処に向かうか、という事は敵は何処に向かっているのか」

「良いぞ、サーヤ君」

「はい!」

「城を占拠するだけじゃなく何か目的が有ったのか」

「反乱ならどこかの街で起こしても良い。しかし公都の城じゃなきゃ駄目だった。何故だ」

「弟妹派が大公位に就く為だろう」

「就く為にはどうする?」

「うーん。城の占拠?」

「占拠して大公に就いて・・・民に宣言する?」

「宣言、つまり即位式か」

「それは確かに王城じゃないと駄目だよねぇ」

「継承権1位はセーラさんだ。それをどうやって覆す」

「力づく?」

「継承するのに何か必要とか?」

「それだ!!」


ビクゥ


「ケ、ケセラ。俺達は潜入してるんだからな、一応」

「す、済まない」

「それで、何がそれなんだ?」

「継承するのに必要な物!アレク3公国はそれぞれ建国王から公爵に叙せられた時に下賜された物が有った。それを家宝にして代々それを即位の儀で”継承”するのだ」

「なるほど。その家宝を持っていれば無理矢理だが継承出来ると」

「恐らく!」

「じゃぁ宝物庫に有るのかしら?」

「そこまでは知らないんだ、済まん」

「知らない事で謝るんじゃない。メンド臭いぞ」

「す、すまん」

「でも反乱軍の目的が分かったのなら前進だよ」

「その通りだ。敵が集まる所、即ち家宝が有る所だ」

「でもどうやって探す?適当に歩いて探すの?かなり広いわよ、この城」

「俺の複合スキルを使う」

「《EMP》?」

「それを基にした複合スキルだ」

『!?』

「はぁ!?」

「《EMP》と土魔法を複合したものだ」

「元々複合スキルの《EMP》と土魔法を複合したって事?」

「そーゆー事」

『ふ、ふーん』

「まぁカズヒコだからね」

「カズ兄ぃだからね」

「カズヒコさんですし」

「カズヒコだからな」

「一言で片付けられるのは悲しいが時間が無い。それじゃぁ《EOM》を発動する」

「《EOM》?」

「《EMPオーバーレイマッピング》。《EMP》で得られたデータを土魔法で土に投影するスキルで、これによる「おらっ」ぐふぉぉ!」

「早く!説明は後!」

「ぐふっ・・・サーヤ君。砂甕を」

「は、はい」


サーヤが収納袋から砂が入った壺を取りだした。

俺は中身を床にばら撒いた。


「先ず《EMP》を発動する。この城が入る範囲に限定して、発動!」


フウウゥゥン


『お』

「そして得られたデータを砂に投影する。《EOM》発動!」


床に撒かれた砂から何かがせり上がって来る。

徐々に表れたのはこの城の屋上のようだ。

そして更にせり上がって来て城の上階が見えて来る。


『おおぉぉ!?』

「これ王城!?」

「凄いねぇ!」


徐々に表れて王城全体が浮かび上がって来た。


「っとまぁ、こんなもんだ」

『すごーい!』


女性陣がキャピキャピだ。


「かわいいー!」

「ちっちゃいお城かわいいー!」

「このお城なんですか!?」

「あぁ、そうだよ」

「凄いな!そっくりだ!」

「そうだろう?」


そして俺は手を翳して城の1階天井から上を切り離して浮かせる。


『すごーい!』

「今俺達が居るのが1階のここだ」

「きゃー!これ私達!?」

「あたしも居る!」

「私も!」

「私もだ!」

「砂で出来てるー!」

『かわいいー!』

「おほん!1番戦闘が激しいのが3階のここだ」


そう言って空中に有った2階以上の部分を階毎に切り離していって空中に留める。

天井を外して3階を俯瞰して見ている。


「確かに多いわね」

「魔力の強い連中もここに集まってる。目的地はここで間違いないだろう」

「そうだねぇ」

「そしてここに行くには当然階段を上って行かなければいけないが、道中強力な魔力反応を持つ連中を撃破して行く必要がある」

『えぇー!』

「無理そうなら逃げるが先ずは行ける所まで行ってみようと思う」

「そうね。なるべく情報を収集した方が有利になるでしょうし」

「そうだね」

「行きますか」

「良いだろう」

「後ケセラだけマスクっていうのも何だし、全員ハーフマスクで行こう」

「そうね。パーティだしね」

「うん」

「弓は短弓、連射式だ」

『了解』

「サーヤ君はクロスハンマーだ」

「はい」

「魔法は使って良いが、使うんなら目撃者は必ず殺せ」

『了解』

「しかしなるべく指揮官は生かして捕らえろ」

『了解』

「よし!行くぞ」




俺達は階段に通じる廊下の角で曲がった先の様子を見ていた。


「階段に10人程だ」

「そりゃぁ階段を確保するわよねぇ」

「3階に行かせなきゃ良いんだからねぇ」

「俺が先行する。ケセラ、サーヤは続け」

「「了解」」

「ミキとマヌイは援護だ」

「「了解」」

「3、2、1・・・ゴー!」


俺は走る。


「何者だぁー!」

「止まれー!」

「敵だ!始末しろ!」


城の中での戦闘だ。

相手は全員近接武器を持っている。

俺の直ぐ後にケセラとサーヤが走って来ている。

俺が反乱兵とぶつかろうかという所で壁に跳躍した。


『なっ!?』


壁を走って階段に陣取っていた反乱兵達を通り過ぎて行く。


『馬鹿な!?』


反乱兵達の背後に達しようかとする頃、


「限界だ!」


俺は壁を蹴り反乱兵の密集している踊り場に体ごと突っ込んだ。


「ぐあっ!?」


俺にぶつけられて吹っ飛んだ兵士が叫び声を上げる。

俺もぶつかった後にそのまま転がって体勢を立て直し、側にいた兵士の首を解体ナイフで斬り付けた。


「ひうっ」


首を押さえる兵士を掴んで隣の兵士にぶつける。

ぶつけられた兵士がよろめいた所をナイフで数カ所連続で刺す。


「この野郎ぉー!」


兵士の1人が剣を振り上げて勢いよく振り下ろした。

横に避けたついでに横に居た兵士に蹴りを入れる。

避けられた剣は俺の背後に居た兵士を斬りつけた。


「ぎゃっ!?」

「あっ!」

「馬鹿野郎!密集で剣を振るな!」

「距離を取れ!」

「くそ!」


俺は回し蹴りを放った。

反乱兵が腕でガードをしたがそのまま階段に居る兵士の頭上を吹っ飛んでいく。

吹っ飛んだ先にハンマーが待っていた。


グシャァ

ピピッ


マスクに返り血が飛び散る。

頭部に埋まったハンマーを抉りだし出し先を見つめるサーヤ。

見つめる先には、


「おらぁ!」

「ぐぶぉ!」


突進のシールドバッシュで兵士が真後ろに吹っ飛んで階段の角に背中を強打する。


「てんめぇ!」


兵士が剣を振り下ろす。


ガァン


振り下ろす途中で盾で弾かれ無防備を晒した所を胸に一閃。

ケセラは刺した刀を直ぐに引き戻し、盾を構えて守りの姿勢に入る。


「くっ!」

「こいつらぁうあ!?」


離れた先から矢が飛んで来る。

目の前だけじゃなく離れた敵にも注意を向けられない反乱兵達は次々と沈黙していった。


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