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HappyHunting♡  作者: 六郎
第12章 グッドモーニング (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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「うーん」

「どうしたの?」

「引っ掛かるな」

「何が?あの隊商?」

「あぁ」

「敵?」

「そこまでは分からんが」

「おーい!どうしたのだ、出発しないのか!」

「ラーンさんも元気になったし、とりあえず進んだ方が良くない?」

「・・・そうだな。出発しよう」


僕達は出発した。

しかししばらくして、


「やはりおかしい。停まれ」


みんな集まって来た。

セーラまでも。


「何がおかしいの?」

「どうしました?」

「今朝離れて行った隊商が尾けて来てる」

『!?』

「敵!?」

「恐らく」

「本当に今朝の隊商なのか?」

「あぁ、間違いない」

「しかし尾けて来てると言うのは早合点ではありませんか」

「そうだ。何らかの事情が有って戻っているというのも考えられるだろう」

「いや、確信がある」

「確信?」

「昨夜カラスが鳴いた」

「・・・それだけ?」

「あいつは伝書烏だ。他の諜報員等と連絡し合っていたはずだ。昨日鳴いたのは恐らく隊商の中に知った奴が居たからだろう」

『うーん』

「それだけだとねぇ・・・」

「それにあの荷馬車だ」

「荷馬車が?」

「動く音が軽かった」

「・・・そう?」

「昨日や一昨日の隊商なんかよりも遥かに軽い。荷重がかかると軋むような感じになる。今朝の奴等にはそれが無かった」

「どういう事?」

「通常隊商は往きに荷物を積んで帰りにも荷物を積む」

「行った街で仕込んで帰って来て売るもんねぇ」

「そうしないと損ですから」

「今朝の奴等はあの音からすると荷物は余り無い、ほぼ人員だ。敵だと仮定すると恐らく僕達の行方を捜索しているんだろう」

「だから荷物を軽くしてると?」

「あぁ。そして今僕達が話している間、奴らも移動はしていない」

『・・・』

「敵だとして・・・どういう事だと思います?」

「後ろから攻めて来る・・・つまり挟み撃ちだな」

『!?』

「前に居るの?」

「いや。今の所居ないな」

「つまり、後ろの連中は我々が前に居る奴等とぶつかった時に背後から来ると」

「あぁ、恐らく。しかしいつどこで襲って来るかまでは分からん」

「いや、この先に結構行った所に河が有る。30m程の川幅だ」

「なるほど。その河の前には来るだろうな」

「うむ。しかもこのまま進んでも橋は無い。少し西に行った所に有るのだ」

「30mの川幅に橋が?」

「土魔法と《鍛冶》と《木工》で作られているらしい」

「なるほどねー」

「確実なのは橋付近で待つ事だろうな」

「どう思う?」

「うーん。橋付近か、もっと手前か・・・」

「・・・セーラ様、ラーン。少し席を外して頂きたい」

「「?」」

「僕等だけで相談したい事が有る」

「・・・分かりました」

「セーラ様、宜しいのですか」

「マコルを信じます」

「・・・承知致しました」


2人には荷馬車に戻ってもらった。


「どうしたの?」

「実は僕も《魔力探知》がLv2になったんだが」

「「「「へー」」」」

「実は上位スキルの《魔力探知》になった時にスキルも習得したんだ」

「「「「え?」」」」

「《魔力探知》のスキルって事?」

「あぁ」

「どんなの?」

「雷魔法と《魔力操作》との複合スキルのようだ」

「「「「えっ」」」」

「他のスキルとの複合!?」

「あぁ。《EMPエレクトロマジカルパルス》と名付けたんだが」

「《EMP》?それって」

「いや。前世の武器用とは違って索敵用の魔力が乗った電磁波を放つ」

「レーダーね」

「その通りだ」

「「「れーだー?」」」

「索敵装置だ」

「「「へー」」」

「以前、ブラックドッグの村で盲目の少女に《反響定位》を話したよね」

「「「うん」」」

「跳ね返った音で周囲を探るんだっけ?」

「その通りだ。そしてそれに近い物なんだ」

「「「へー」」」

「それが?」

「Lv2になって範囲が拡大した」

「どの位に?」

「凡そ半径2kmだ」

「「「「2km!?」」」」

「そうだ」

「凄いじゃない!」

「そうだよ!」

「しかしデメリットもある」

「デメリット?何?」

「アクティブスキルだから魔法みたいに発動させる必要があるんだが」

「「「「ふむふむ」」」」

「発動させると《EMP》を受けた相手にも察知される危険がある」

「あー、相手にも波が伝わるって事?」

「その通りだ」

「んー、つまり。私達も見付けられるけど相手にもバレちゃうかもしれないって事?」

「その通りだ」

「まぁ。今更では無いですか?待ち伏せしているのなら」

「そうだな。むしろどこで襲撃されるのか分かる方が良いと思うが」

「そうよね」

「あの2人にもバレるだろう」

「秘密保持契約か」

「そうだねぇ」

「いつものですね」

「じゃぁ、そうするか」

「えぇ」

「でもそのスキル、何で言わなかったの?」

「Lv1だと1kmで意味が無かったんだよ」

「1kmなら普通に《魔力感知》で良いもんね」

「あぁ。Lv2になって範囲も広がったから使えるなと思って」

「なるほどねー」


「セーラ様、お待たせしました」

「はい。で、どうしたのです?」

「前方の敵の待ち伏せを察知する為に僕のスキルを使いたいと思います」

「マコルのスキル?」

「それにつきましてお互いの秘密を誰にも喋らないという、秘密保持契約を結んで頂ければと思いまして」

「「秘密保持契約?」」

「はい。僕達冒険者にとってスキルは知られたくないものなのですよ」

「セーラ様。騎士や兵士とは違うと聞いております」

「・・・なるほど。良いでしょう。契約致します」

「ありがとうございます」


お互い契約書にサインをした。


「では索敵スキルを発動します。恐らく何か感じるでしょうが体に害は無いと思いますのでお気になさらず」

「分かりました」

「《EMP》!」


フウウゥゥゥン


『え』

「た、確かに何か感じたわね」

「うん。感じた」

「感じましたね」

「感じたな」

「これが索敵スキル?」

「微妙だが確かに感じたな」

「中心の僕から離れる程、感じにくくなると思います」

『へー』

「後方には今朝の奴等。ハッキリ分かる。こっちを窺っているな」

「そこまで分かるの!?」

「凄いねぇ!」

「前方には居ないな。要所要所で今のを発動します」

「・・・分かりました」

「念の為ですが秘密でお願いしますよ」

「分かっています」

「用心深くてね」




その後、怪しい所で《EMP》を発動しながら進んで行ってしばらくして。


「感有り」

「居たのね」

「どの位?」

「50人程だ」

『50人!?』

「多いですわ」

「多いな」

「それに後ろにも居ますし」

「セーラ様・・・」

「真面には対応出来ないわね」

「挟まれるからねぇ」

「策が有る」

「聞きましょ」

「マーラ君。ジェットパックを」

「?はい」


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