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HappyHunting♡  作者: 六郎
第12章 グッドモーニング (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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翌日。

既にベルバキア領に入っていたが更に少し内地に進んでそれから南下を始めた。

国境付近だと裏切った街主の軍が出張る恐れを考慮したからだった。

それでベルバキアから南下して山を越える訳だが・・・


「そこに待ち伏せてると?」

「えぇ。僕ならそうしますね」

「そうよね。ソルスキアに行くのなら結局山を越えないといけないのだし」

「隣国に来て捜すよりは確実だよねぇ」

「ルンバキアに戻るか?」

「それでも僕等は構いませんが、ルンバキアだと裏切り街主が他にも居るかもしれませんよ」

「うーむ」

「確かに・・・ならばまだ街軍が居ないベルバキアからソルスキアに入る方が良いでしょうね」

「少なくとも軍隊は相手にする事は無いでしょう」

「しからばこのまま南下を」

「えぇ、そうしましょう」

『御意』




南に向かう道中に、


「止まれ!」

『!?』


俺はパーティメンバー4人を集める。


「感有りだ」

「敵?」

「多分な。人間だ、魔物じゃない」

「そう・・・」

「4人だ」

「「「「4人!?」」」」

「少ないねぇ」

「ラーンさんも含めれば6人で戦えます」

「だが魔力が強い」

「4人共?」

「4人共」

「どうする?」

「うーん。兎も角報告するか」


「4人?」

「はい」

「相変わらずよく分かるな」

「索敵と奇襲が得意なんでね」

「そうだったな。セーラ様如何致します?」

「・・・マコル、別の道を行くというのは?」

「別の道により多くの敵が居る可能性も」

「そうか。どうせ行くなら、といった所か」

「あくまで可能性ですがね」

「4人で居るという事は自信が有るのでしょうね」

「恐らくは」

「倒せますか」

「この世に絶対なんてものはありませんよ」

「・・・逆に勝てるという事でも有りますね」

「神のみぞ知る、ですね」

「神の御加護を祈りこのまま往きましょう」

「祈って勝てりゃぁ世話ないですよ」

「冒険者は縁起を担ぐと聞きましたが」

「出だしからツイてない旅だったんでね」

「・・・そうですね」

「ここらで潮目を変えねぇと」

「潮目?」

「ツキってのぁ自分で手繰り寄せるんですよ」




森の中に有る街道をそのまま進み左に曲がると直線が長く見晴らしの良い場所に出た。


「不味いな」

「どうしたの?」

「恐らくもう見付かってるな」

「この直線だしねぇ」

「まぁこのまま行く予定だったし」

「そうだな」


進んで行くとやがて100m程先の両脇の森から2人ずつ出て来てこっちに歩いてくる。

俺と菊池君とマヌイは先頭に出る。


「自信満々って所か」

「全員男ね」

「何人か杖持ってるね」

「魔法使いか」


更に歩み寄り距離を縮め、お互い数十mの所で止まった。

御者席からケセラとサーヤ君も降りて来て僕達の側に立つ。

セーラとラーンも箱馬車から降りて来た。


「いよぉ!結構待たせたなぁ!」

「早く来てくんねぇと仕事終わらせて早く帰れねぇじゃん!」


「仕事か」

「かなりってかヤバくない!?」

「あぁ。4人共俺達より魔力は強いぞ」

『え!?』

「そんなに!?」

「あぁ。更に4人共魔法使いだ」

『えっ!?』

「4人共!?」

「4人の魔法使いだとっ!?」

「ほぅ!俺達の事知ってんのか!」

「元々『フォー・キングス』は南部で活躍してたからな!」

「そりゃそうか!」

「『フォー・キングス』だとっ!?」

「喧しい!狼狽えるな!」

「すっ、すまん・・・」

「ひゃっはっはっは!早速仲間割れかよ!」

「しょーがねーべ!俺等相手なら!」

「それもそーか!」

「ラーンは駆け引きは無理だな。で、何者だ?」

「う、うむ。元々南部で活躍していた冒険者だったらしい。北部、ベドルバクラ王国に貴族待遇で召し抱えられたと聞いている」

「なるほどねぇ。それであの余裕っぷりか」

「ベドルバクラの命令でやって来たのね」

「金でお引き取り頂くってのは無理っぽいな」

「やるしかないねぇ」

「ラーンは公女に付け」

「う、うむ」

「あ、あの!私に付くよりもあの者達に向かった方が結局は良いのでは?」

「確かに殺せる確率は高くなるが向こうの方が強い以上、俺等を抜けてあんたを襲う可能性も有る。護衛は必要だ」

「わ、分かりました」

「俺等で殺る。全員弓だ」

「私もか?」

「あぁ、先ずは様子をみる。しかし盾と剣は用意しておいてくれ」

「心得た」


俺達5人は前に歩き始めた。


「おーい!準備出来たかぁ!」

「せいぜい楽しませてくれよぉ!」

「俺はあのエルフだな!」

「俺はあのグラマー女だ!」

「獣人が良い!」


「右から火魔法使い、土・・・それに水と風の2属性持ちだ」

「「「「2属性!?」」」」

「あぁ。左端が闇だ」

「闇かぁ・・・《バインド》厄介だねぇ」

「火魔術士は剣・・・でしょうか?」

「刀だろうな」

「ケセラ。知ってるのか?」

「あぁ。『フォー・キングス』は有名だったからな。火魔導士は魔法付与の刀をメインに戦うそうだ」

「魔法付与」

「《切れ味UP》らしい」

「後の3人は杖?」

「あぁ。魔法特化だな」

「盾役が居ないが」

「刀持ちが前衛をしている間に3人で仕留めるらしい」

「ふーむ。一昔前の俺等に似てるな」


水風使「女は私が先に決めるのだ!私の戦略でここの待ち伏せが成功したのだから!」

火魔使「元学者さんはうるせーなー!」

土魔使「インテリは青春時代、勉強バッカでヤル事やってねーから、大人になって爆発すんだよ!」

闇魔使「よくニュースになってたな!」

水風魔「煩い!”戦国時代”を研究した私のお陰でここまでこれたのだろうがっ!」

火魔使「俺も”信長の野望”で全国制覇したっつーの!」

水風魔「ゲームと一緒にするなー!」


「「!?」」

「カズヒコ?」

「あぁ、だろうな。転生者だ。恐らく4人共な」

「「「!?」」」

「よりにもよって北部に行くとは・・・」

「力が有るからこそなんじゃない?」

「貴族になって優雅な暮らしを、ってか」

「全員男だしハーレムでも作ってんでしょ」

「男の夢だしな」

「カズ兄ぃは作らないの?」

「・・・」

「ちょっと!?」

「先ずはあいつ等を殺す事を考えろ。余計な事を考えるな」

「いや、あんた今余計な事考えてなかった?」

「カァー!」

「「「「「あっ!?」」」」」


鳥籠のカラスが器用に嘴で入り口を開けて飛び出していた。


バタバタバタ


火魔使「おっ!生きてんじゃねーか!お前の伝書烏!」

闇魔使「ちっ!」


バンッ


闇魔法使いは自分に寄って来たカラスを杖で叩き落とした。


「カァ・・・」


地面に落下して大人しくなるカラス。


土魔使「あーあ!可愛そうに!」

闇魔使「使えねー奴は要らねーよ!」

水風使「兎に角!私が最初に女を選ぶ!この年増のようにな!」


そう言って水風魔法使いは人の頭ほどの大きさの何かを鞄から取り出して俺達に見せびらかすように片手で掲げて見せた。


セーラ「エリアナー!」


火魔使「お前女なら何歳でもオッケーだもんな!」

水風使「煩い!お前もっていたではないか!」

火魔使「そりゃー据え膳食わぬはってやつよ!」

土魔使「”アラフォー”女でも実質同い年みたいなもんだしな!」

闇魔使「ちげーねー!」


「先ず一射して出方を見る。各自それぞれ一人ずつ狙って、構え」

「「「「了解」」」」


火魔使「あちらさんもヤル気になったみてーだぜ!」

   「撃て!」


ヒュヒュヒュヒュン


火魔法使いは刀を抜いて矢を振り払った。

土魔法使いは、


「《タイタンティース》!」


土魔法使いの眼前に土の壁が盛り上がって矢を防ぐ。

水風魔法使いはその土壁の後ろにサッと隠れてこれまた矢を防いだ。

闇魔法使いは、


「《バインド》!」


何も無い地面に影が生まれて矢を掴んでしまった。

土壁を透視すると水風魔法使いの属性魔力が溜められているのが分かるのだが、


「2属性とも!?」


水と風の2つの属性魔力が杖に集まっていく。


「何だ!?」


水風魔法使いが土壁から飛び出した。


水風魔「《アイスジャベリン》!」


氷で出来た槍が杖の少し離れた先から生成されかなりの速度で向かって来た。


「「「「「複合魔法!?」」」」」


この距離は弓は届くが魔法は届かないはず。

そう思っていたが杖を使って飛距離が伸びたのか、俺達に氷の槍は向かって来た。

しかし虚を突かれたとはいえ十分な距離だったので俺達は躱す事は出来た。

しかし虚を突かれて躱す事に気が行ってしまった為、

俺達の横を氷の槍が抜けて行くのに気付くのが遅れる。


「しまった!」

「きゃぁー!」


氷の槍はセーラに向かっていった。


「セーラ様!」


ラーンが駆け出しセーラを手で押しやると彼女の背中に氷の槍が突き刺さった。


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