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HappyHunting♡  作者: 六郎
第12章 グッドモーニング (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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「どうやら終わったかな」

『ふぅー』

「全員始末したのか!?」

「1人2階に残ってますがね」

「何!?」

「窒息死の最中です。ゆっくり逝かせてあげましょう」

「う、うむ」

「セーラ様!エリナさん!もう大丈夫ですよ」


そろそろと2人が台から顔を出す。


「セーラ様!御無事ですか!?」

「え、えぇ!」


フロント台をよじ登ってこちら側に降りて来た。

ラーンが補助をする。


「残念ながらこいつ等の所持品を回収してる暇は無い」

「そうね」

「さっき屋上に上がって望遠鏡で付近を調べた」

「それで屋上に上がったんだ」

「あぁ。西門には多数の衛兵に加え街軍が出張ってる」

『!?』

「街軍が!?何で!?」

「恐らく街主もグルだ」

「そんな!」

「何て事だ!」

「どうするの?」

「1番兵力が多いのが西門だ」

「西に行こうとしてるからねぇ」

「1番手薄なのが東門だ」

「東から来たからね」

「じゃぁ東門から?」

「それしかないな。幸い門は開いている」

「しゃーないわね」

「セーラ様、ラーン様」

「な、何でしょう」

「何だ」

「念押しでもう1度言いますが、これから余計な口を挟まない様に」

「わ、分かっています」

「うむ」

「これから街軍との戦いになります」

「街軍・・・」

「セーラ様・・・」

「今までは冒険者などの輩でしたがこれからは公家の臣下に当たる街軍です。なので念押しです」

「「・・・」」

「更にこれから東門への街路上の建物の屋上に何人か居る」

『!?』

「射手!?」

「多分な」

「はぁー」

「西よりは少ない」

「グッドニュースね」

「バッドニュースには変わりないよ」

「そりゃそうね」

「馬車を確保して突っ切るしかない。馬車まで行くぞ!裏口から厩舎に急げ!」

『了解!』


みんな裏口に向かおうとするが、


「マーラ、セリーナ」

「はい」

「うん」


近付いて来た2人の顔の間に入り耳元で囁く。


「厨房に行って食料の確保だ。出来物には毒が入ってるから素材だけを回収しろ」

「はい」

「分かった」




裏口から用心をしつつ出て厩舎に向かう。

馬車2台は無事だった。

馬も元気そうだ。


「無事だったわね」

「ここの奴等も僕達を殺した後で使うつもりだったんだろ」

「村と一緒ね」

「特に箱馬車は貴重だからな」

「箱馬車でどこの家柄か特定されるんでしょう?」

「貴族の紋章は箱馬車自体に彫っているのではなく彫った物を貼り付けているだけだ。変えようと思えば簡単に変えられる」

「へー。そう言えばこの紋章も新しいですね」

「今回の為に偽装したのだ」

「なるほど」

「それでこれからどうするのだ」

「荷馬車の荷物を箱馬車に移します」

「何!?殿下はどうするのだ!」

「殿下は荷馬車に乗っていただきます」

「それはならんぞ!」

「いえ、ラーン。それが良いと言うのならそうしましょう」

「先ず敵にとってセーラ様の殺害が最優先でしょう。であれば狙われるのは」

「箱馬車か」

「はい。囮に使います」


サーヤとケセラが戻って来た。


「お待たせしました」

「どうだった」

「はい。数日分は」

「そうか。ではラーン様は御者でセリーナは盾を持って箱馬車に乗ってもらう」

「その方がセーラ様が乗っているように見せられる訳だな」

「その通りです。荷馬車にセーラ様とエリナさんは乗っていただきます」

「「はい」」

「2人は厚手の敷物に包んで更にテントで包んで簀巻きにして荷馬車に放り投げます」

「おっ、お手柔らかに」

「マリアは弓だ」

「了解」

「マヤはそのまま連射式に盾を装着して矢を防げ」

「分かった」

「マーラは荷馬車の御者だ、アタッチメントの小型盾で防ぎながら進め」

「はい」

「俺は君の連射式を持って行く。弾倉を交換しておいてくれ」

「分かりました」

「ラーン様とマーラは俺の動きに合わせて馬車を進ませるように」

「マコルの動き?」

「屋上を走ります」

「屋上をか!?」

「はい。射手を始末しつつ東門へ向かいます」

「確かにメインストリートはそのまま門に向かっているからな」

「俺の合図で出発だ。合図はマリアが読み取ってくれ」

「分かったわ」

「合図?」

「分かるから大丈夫です」

「時間が掛かれば宿での襲撃が失敗した事が知れ渡る。直ぐに出発だ!」




俺は泊った宿の屋上に居て東門を望遠鏡で望んでいた。

この宿は付近で1番高い建物だ。貴族が泊まる高級宿だからな。

彼女達も用意が出来たらしい、位置に着いて合図を待っている。

視線を下に移すと隣の建物の屋上に弓を持った男が1人居る。

宿から出た所をいきなりか、ご挨拶だな。

国のアイドルであるセーラ様を待ってるのか。

これは先に挨拶せねばなるまい。

そう思いつつ首元に下げていたゴーグルを装着した。


「とぅっ」


俺はそいつ目指して飛び降りた。


ガスッ


首が変な角度で曲がって倒れたまま起き上がってこない。


「出待ちはご遠慮くださいね」




「合図よ!出発!」

「「了解!」」


ドドドドドドド


ラーンとサーヤが応えて手綱を操る。

箱馬車がメインストリートに飛び出した。

荷馬車もその後に続く。

右側の屋上から矢が飛んで来る。

ラーンにはケセラが、サーヤは自分で盾を使って矢を弾いていた。

サーヤの盾は普段クロスボウに装着する大ヤスデの甲殻盾だが、

防御力も高いし軽くて取り扱い易い。

なので小型盾として把手を付けてバックラーみたいに使えるようにしておいた。

ミキとマヌイが右側屋上の射手を狙っている。

左側は飛んで来る矢だけ注意して自分達は狙わない。

その理由は、


ビシュッ


「ぐあっ!?」


俺は屋上を伝って次々と射手をクロスボウで撃っていた。

撃っては次の建物に飛び移り、射撃を加える。

馬車を撃つ事に気を取られていた敵もようやく気付いたようだ。

俺に矢を放つようになった。

しかし俺は止まらない。

向こうが矢を放とうがクロスボウで弾いてそのまま撃ち殺す。

装填が間に合わない場合は撃って来た矢を掴んでそれを刺して殺す。

煙突に隠れて装填しまた走り出す。

建物を飛び移ってる最中を狙われるも土魔法で小さな壁を作って弾く。

何が起きたか理解出来ずに口を開けたままの射手の口にお返しをプレゼントする。

そうやってほぼ走り続けながら屋上を掃除していった。


「マ、マコル・・・」


御者をして前方を注視しているラーンには左上を疾走している男が嫌でも視界に入って来るのだった。


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