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HappyHunting♡  作者: 六郎
第12章 グッドモーニング (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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「それで、情報は引き出せたのか?」

「はい。しかし多くは有りません。先ず彼の雇い主は正体を明かさずに依頼をしています」

「だろうな」

「暗殺に成功したら追加で報酬を払う約束だったそうです」

「ふーむ」

「支払いの場で口封じをするつもりだったのでしょう」

「なるほど」

「彼はただ毒殺、特にセーラ様を確実に殺せと命令されたと言ってましたね」

「・・・そうか」

「そんなもんです」

「・・・それだけか」

「下っ端でしょう。そんなもんですよ」

「うーむ」

「明日からも旅は続きます。早くお休みください」

「そうです。セーラ様、もう御休み下さい」

「・・・はい」

「寝つけないようでしたら眠り薬を処方しましょう。言ってください」

「・・・はい」




その夜は結局眠り薬を処方して眠ってもらった。

ラーンの強い勧めも有ったからだ。

翌朝、街を出立する。

街道を南東に向かっていた。

箱馬車の中は静かだ。

朝、顔を見た時は優れないようだった。

昨日の事を引き摺っているのだろう。

やがて昼前になりこの先の、視界に入る両端の森が迫って街道まで届きそうな所が見えた。

そこに到達する前にケセラに合図を送って箱馬車を停めさせる。


「どうした?何故停める!?」

「昼休憩にしましょう」

「まだ早いだろう!」

「ここで摂ります」

「・・・ちっ!」


しぶしぶ中からラーンが出て来る。

それに侍女、最後にセーラも出て来た。


「はー!良い天気ですなぁ!」

「曇り空だぞ!」

「曇り空が好きなんですよ」

「頭も心も曇っているんだろう!」

「はっはっは!上手いこと仰る」

「ちっ!」


周りを良く見渡せる場所に敷物を広げた。

荷馬車から荷物を出して昼食の用意をする。

セーラは敷物の上で昼食を摂っている。

侍女も敷物に上がっているが主人と一緒には食べないのだろう、給仕をしていた。

ラーンは敷物に上がらずその周りで摂っている。


「お前達は食べないのか?」

「えぇ。お気になさらず」


僕等は少しの水を飲んでいた。


(来たぞ)

((((了解))))


「何だあの者達は?」


森が迫っている街道の方から人影が見えてきた。

やがて人影は20人程になる。


「マコル。あの者達は何だと思う?」

「僕達がお昼を食べているのを見て我慢出来なくなったんでしょうな」

「は?」


やがて顔が分かる程に近付いて来た。


「よぉ!昼飯かい!」

「あぁ!」

「俺達も呼ばれちゃくれねーかい!」

「構わないよ!」

「はっはっは!ありがてぇ!」

「マコル!勝手な事を」


更に男達は近付いて来る。

俺は声を掛ける。


「昼飯は持ってこなかったのか!?」

「あぁ!忘れちまってねぇ!」

「あいつ等は持って来てるぞ!」


男達の後ろを指さす。

釣られて男達は今自分達の来た誰も居ない道を振り返る。

指さした手でそのままハンドサインを出した。


ヒュヒュヒュヒュン


「ぐわっ」

「ぐっ」

「うっ」

「ぎゃっ」

「あっ!?」

「な、何だ!?」

「どうした!?」


「マコル!何をしている!」

「何を?」

「何故撃った!?」

「何故?」

「だから!何で罪も無い人に「クソが!やっちまえ!」」

「バレちゃぁしょーがねぇ!」

「男は1人だ。女は早いもん勝ちだ!」

「小娘は殺せよ!」

「楽しんでから殺っても遅かぁねーだろー!」

「そりゃそーだ!」

「早いもん勝ちだー!」

「ひゃっほー!」


ヒュヒュヒュヒュン


「ぐわっ」

「ぐっ」

「うっ」

「ぎゃっ」

「セリーナ!」

「おう!」


ケセラが弓を置いて盾を持って前に出る。

男達が走って来る。


「きゃぁ!」


こういった事は初めてなんだろう、セーラが叫んだ。


「セーラ様!」


ラーンが土足で敷物に上がり剣を抜いてセーラの盾になる。


「生意気な!」

「ブッ殺せ!」

「やっちまえ!」


ヒュヒュヒュン


「ぐわっ」

「ぐっ」

「うっ」

「ぎゃっ」

「あっ!?」


矢に加え見えない真空波が2人に命中したようだ。

ケセラは俺達の正面に立つ。

ケセラに襲い掛かろうと男が剣を振りかぶって下ろした。


ガアァン


ケセラは盾で受けたまま動かない。

男達の何人かはケセラの両横を取ろうとするが、


ヒュヒュヒュン


「ぐわっ」

「ぐっ」

「うっ」


矢に阻まれケセラの横は取れない。


「くそっ!」

「横を抜けねぇ!」


男達が怯んだ隙にケセラが反撃で1人の足を斬る。


「ぎゃっ」

「同時に斬りかかれ!」

「うおおおぉぉぉ!」


ケセラに複数の男が斬り掛かろうとするが、


「《土想造コントロールアース》」

「あっ!?」

「なっ!?」


何人かが足元からバランスを崩す。

そこに、


ヒュヒュヒュン


ケセラも斬り掛かる。


「ぎゃあぁ!」

「ぐああぁぁ!」

「くっそ!」

「勝てねぇ!」

「ずらかれ!」

「逃げろっ!」


男達は背を向けて逃げ出し始めた。


「逃がすな!」

「「「了解!」」」


命中率を上げた弓に更に悪魔の腱で飛距離も伸びている。

男達は1人も逃げる事が出来ず街道に横たわる事になった。


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