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HappyHunting♡  作者: 六郎
第12章 グッドモーニング (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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「マーラ」

「はい!」


俺とサーヤで男を捕まえ風呂場に連れ込もうとする。


「どうするのです!?」

「セーラ様?当然尋問するんですよ」

「尋問?なら此処で良いのではありませんか?」

「ここでは床が汚れるでしょう」

「・・・それは拷問ではなくて!」


俺は口を開けたまま止まってしまった。

流石にラーンが口を挟む。


「セ、セーラ様!背後関係を調べねばなりません。多少の荒事は仕方ありません」

「拷問など!非人道的な行いを見過ごす事は出来ません!」


俺は口を開けたままだ。


「セーラ様!口を割らさねば、情報を引き出さねばなりません!」

「だからと言って拷問を見過ごして良い理由にはなりません!」

「そうですか。じゃぁそちらで尋問してくださいよ」


俺達は椅子に男を縛り付ける。


「・・・ラーン」

「はっ」

「お願い」

「・・・はっ」


その後の尋問の様子を少し眺めて俺は寝た。




菊池君に起こされる。


「よく眠れるわね」

「ふわぁ~。飯か?」

「えぇ」


宿員にオーダーを出し、部屋まで食事を持って来させた。

部屋で食事を摂る。

エリナ侍女は《毒見》のスキル持ちらしい。


「ひょれへ。ひゃいひゅはひゃへったんへすは?」

「それで、あいつは喋ったんですか?と言っています」

「・・・いや、まだだ」

「ふーん」

「・・・」


セーラも黙ったままだ。

このままだと不味いと思っているのだろう。

しかし自分の矜持を押し通した手前、引けないのだろう。


「あいつは最終的にどうするんです?」

「最終的?」

「明日の朝にはこの街を出て行くんでしょうが。その時ですよ」

「うーむ」

「え、衛兵に!」

「セーラ様、衛兵に預けたら事の次第を話す事になりますよ」

「!?」

「セーラ様の身元も調べられるかもしれません」

「・・・」

「まぁ、僕等の役目はセーラ様の護衛ですから?その辺はラーンさんやエリナさんに任せますがね、詳しい事情は知らないので」

「「・・・」」

「・・・マコルさん」

「マコルで結構ですよ」

「マコル」

「はい」

「尋問を、御願いします」

「よろしいのですか?殺しますよ?」

「・・・はい」

「分かりました。死体の処分も任されましょう」

「・・・お願いします」

「セーラ様・・・」




食事を終え風呂場に閉じ込めていた暗殺者と対峙する。


「やぁ、お待たせ」

「もがー!もがー!」

「そんなに興奮すんなって」

「腕の1本でも折りますか」

「・・・もが」

「まぁ、まだ良いだろう。こいつも自分の立場が分かったんじゃないか?」


コクコクコク


「だ、そうだ」

「ちっ」

「今から猿轡を取る。騒いだら殺す、理解出来たか?」


コクコクコク


猿轡を取る。


「はぁーはぁーはぁー」

「今からお前に選べるのは2通りの未来だ」

「2通り?」

「1つ、情報を素直に喋って楽に殺されるか。2つ、拷問されて情報を吐いて苦しんで死ぬか。2つに1つだ」

「何でだ!どっちも死ぬんじゃねーかよ!」

「はぁー。騒いだら殺す、言ったのになぁ。マーラ君」

「はい」


ドグゥ


ハンマーが腕にめり込む。


「ぎゃうっ!?」


叫ぶ途中で口を塞ぐ。


「むぐー!むぐ-!」

「思いだしたか?」


コクコクコク


「次は無いぞ?」


コクコクコク


「よーし」

「はぁーはぁーはぁー」

「お前の言う通り、どっちにしろお前は死ぬ。楽に死ぬか、苦しんで死ぬかだ」

「ぐうぅ・・・」

「1つ良い事を教えてやろう」

「良い事?」

「あのお嬢さん、正体をお前は知ってるのか?」

「・・・いや」

「次期ルンバキア公国大公セルラムディ・ドゥラグレ様だぞ」

「!?」

「う、嘘だろ!?」

「ホントだ。お前は誰かに雇われた。殺す相手の正体を教えてもらっていたのか?」

「い、いや・・・」

「何故、正体を話さなかったのか、分かるな?」

「・・・」

「お前は巨大な陰謀に巻き込まれたんだ」

「・・・くそっ」

「仮にだが」

「・・・」

「お前が暗殺に成功したとしよう。お前の雇い主はお前を生かしたままにすると思うか?」

「!?」

「俺なら口封じの為に殺す」

「・・・」

「お前を衛兵に突き出したとしよう」

「・・・」

「公女殿下を暗殺しようとした罪で処刑される」

「・・・」

「僕達はお前を逃がさない。お前を信用出来ないし、する必要もない。殺そうとしたんだからな」

「・・・」

「お前に待つ未来は死だけだ。だから選ばせてやる。苦しんで死ぬか、楽に死ぬか」

「・・・」

「僕達に情報を渡せば楽に一瞬で痛みを感じる間もなく殺すと誓おう」

「・・・」

「更にだ。お前の雇い主はお前が失敗したからこの先も暗殺者を送り込むだろう。お前を騙して、この仕事を受けさせた報いを僕達が晴らしてやろう。どうだ?」

「・・・分かった。本当に楽に殺してくれるんだろうな?」

「勿論だ。僕達は眠り薬を持っている。それを飲んで寝てる内に一瞬で殺してやる。恐怖を感じる事も無い。夢を見ながら旅立てる。どうだ?」

「・・・あぁ。頼むよ」




僕とサーヤ君で大きな袋を持って風呂場から出て来た。


「お待たせ。お風呂使って良いよ」

「・・・使えって言われてもねぇ」

「旅の疲れを取る為にも無理にでも入った方が良いぞ」

「分かってるけども!」

「じゃぁ、ちょっくら片付けて来るね」

「「「・・・」」」


部屋を出て死体を収納袋に入れ、少し時間を過ごして部屋に戻った。


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