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HappyHunting♡  作者: 六郎
第12章 グッドモーニング (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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その日は魔石収集で終え、明くる日はケセラの修業帰りを待って商人ギルドに赴き、5人分のムルキア商人ギルド発行ラグリ商会カードを入手した。


「これで私達も行商人だねぇ」

「そうねぇ」

「感慨深いわ」

「先ず何処に行こうかしら」

「バレンダルのタリルコルさんの所だな」

「そうね。同盟者を集めないとね」

「マヌイには故郷に帰国ね」

「うん。久しぶりだなぁ」

「4、5カ月ほどか」

「そうだねぇ」

「どうせ行くんならムルキアで何か買って行ったらどうだ?」

「そうだな。オランドさんに聞いてみるか」




ウリク商会の応接室。


「えぇ!?マルコさん達がラグリ商会の商員に!?」

「そうなんですよ。スカウトされましてね」

「スカウト!?」

「えぇ。なんでもムルキアで信用出来る冒険者を探していたとかで」

「なるほど」

「過去の実績や信用等を考慮した結果、僕等にオファーが来たらしいんですけどね」

「確かに上位種狩りや冒険者ギルドの覚えもめでたいですしね」

「ギルドの?」

「依頼達成率も100%らしいですね」

「そんな事知ってるんですか?」

「依頼を出す側としては必要な情報ですよ。ギルド側も隠しはしません」

「なるほど」

「そうですかぁ。マルコさん達が・・・」

「あとはリーダーがイケメンでイカしてて優しくて包容力が有って「ラグリ商会の商員としてこれからは私達がオランドさんとの折衝をするよう言われていますわ。よろしくお願いしますね」」

「いえいえ、こちらこそ。具体的にはどういった事を?」

「物資の運搬がメインになると聞いていますわ」

「なるほど。収納袋持ちですからね、納得です」

「ある程度のお金の管理も任されていますの」

「えっ!?そこまで」

「えぇ。南部を援助するようにと」

「・・・そうですか。確かに援助となると冒険者の武力が必要な場面が出て来るかもしれませんね。これまた納得です」

「それで私達もある程度行商の勉強をしようと思っていまして。ムルキアで買い付けて南部に運搬して売却し、南部の物資を北部に運搬しようと考えています」

「なるほど」

「ムルキアから南部には何を運搬すれば儲けられますかね」

「やはり北部特有の特産品でしょうな。羊毛、毛皮、薬草、魔物素材、鉱物、宝石辺りでしょうか」

「鉱物、宝石?」

「隣のベオグランデ公国から産出されるのですよ」

「そういえば鍛冶の燃料なんかもそうでしたね」

「然様です。それに加えてドワーフという種族も多くいるので鍛冶は北部が盛んですな」

「ふーむ。僕等だと宝石なんかが良いかなぁ」

「そうですね。普通なら高価な宝石を運ぶんであれば護衛やらで運搬費がかなり掛かりますからね。皆さんなら必要無いでしょうし」

「安定してる南部で貴族相手に売れば良いだろうしなぁ」

「そうだねぇ」

「南部からは何が良いでしょう」

「やはり特産品でしょう。それと食料ですか」

「食料」

「えぇ。年中衝突が起こっていますからね。前線では不足しがちなんですよ」

「なるほどぉ」

「わざわざ前線くんだりまで足を運ぶ商人は居ませんしね」

「集積地に貯めるんですか」

「えぇ。なので集積地付近の街では安定して売れますよ」

「確かに食わなきゃ戦えませんもんね」

「その通りです」

「そうすると武器や薬品なんかも売れそうですね」

「はい。矢やポーション類なんかも安定して売れますね」

「あたし達もキルフォヴァで買おうとしてたもんねぇ」

「そうねぇ」

「しかし軍需品は公国との取引になりますから商人ギルドランクで高ランクが必要となりますよ」

「そっかー」

「まぁーそうだよねー」

「ギルドランクを上げるには?」

「納める税金の多寡ですね」

「単純ですね」

「えぇ。高額の税金を納めずとも商売は出来ますが、より儲けの多い貴族や国との商売には高ランクが必須となります。高ランクには高い信用が必要となりそれは即ち国にどれだけ報いてきたかがポイントになります」

「国に報いた?」

「魔物や北部から守っている事に対して、ですかね」

「でも魔物は冒険者がメインで駆除してるんじゃありません?」

「冒険者ギルドは国の庇護下にあるのですよ」

「なるほどねー」

「他の国でランクを上げてムルキアに来ても国と取引出来ますかね?」

「ランク的には問題無いでしょうけどそれまでの蓄積が全く無いのであれば難しいでしょうね」

「なるほど」

「戦争中で急いで調達しなければ、という危急の時でもなければ他の実績のある商会を優先するでしょう」

「ですよねー」

「まぁ大人しく国なんか相手にせず地道に稼げばいいんじゃないかしら」

「食料を北部に持って来るだけでも援助にはなるだろうしねぇ」

「そうだな」

「ではこれからもよろしくお願いしますね、オランドさん」

「分かりました。こちらこそ宜しくお願い致しますよ」




その後は街外で魔石収集。

夜は何を商うか相談しつつ各自作業をする。

翌朝。ケセラが《薬学》の修行へ行ってる間に俺はキルフォヴァ防街戦で使い物にならなくなった替え刃を造った。

周りでは菊池君が舟を研究している。

マヌイは戦闘用バックパックを人数分作り終えていたのでパラシュートをサーヤ君と研究していた。

飛ぶ姿を目の当たりにして俄然やる気を出していたのだ。

そこにケセラが修行から帰って来た。

部屋で昼食を摂る。


『《薬学》を習得した!?』

「あぁ!やったぞ!」

「や、やったな!」

「そ、そうね!」

「どうした?」

「早いよ!ケセラ姉ぇ!」

「そうか?」

「エルフというのもあるでしょうけどやっぱり・・・」

「・・・だろうなぁ」

「けど、これでみんな手に職を持てた事だし、食いっぱぐれる事は無いわね!」

「そうだね!」

「ポーションは作れるのか?」

「いや、まだだ。レベルが足らないらしい」

「そうか。じゃぁ薬草かな?」

「うん。ポーションより効き目は無いがね。他にも頭痛薬やら痛み止めやら風邪薬やら虫下しやら・・・」

「漢方薬みたいなもんかな」

「みたいね」

「まぁ、ケセラなら直ぐにレベルも上がってポーションを作れるようになるだろう」

「売れるわね」

「うん、期待しててくれ」


「それじゃぁケセラのステータスを見てみるか」

「うん」


ケセラ

-------------------------------------

頑健Lv6、病気耐性Lv5、剣術Lv4、弓術Lv4、盾術Lv4、馬術Lv5

魔力検知Lv1、魔力操作Lv1

身体強化Lv4←UP

薬学Lv1←NEW

-------------------------------------


「レベルが上がったのは1つだけだな」

「前回見てから10日程しか経ってないんだぞ、当然だ」


マヌイ

-------------------------------------

頑健Lv2、魔力検知Lv3、魔力操作Lv2、解体Lv1

火魔法Lv2、水魔法Lv6

病気耐性Lv5←UP

弓術Lv4←UP

皮革Lv2←UP

風魔法Lv4←UP

-------------------------------------


「凄いじゃないか!」

「えへへ!」

「弓術は当然か」

「キルフォヴァで稼ぎましたからね」

「うん!」

「こうなると火魔法が惜しいな」

「そうだな。街を変えたら火魔法主体で戦っても良いかもしれんな」

「そうね。得意の水魔法はLv6だしね」

「元々習得していた風魔法も順調ですし」



サーヤ

-------------------------------------

頑健Lv8、病気耐性Lv8、吸精Lv8、魔力検知Lv8、魔力操作Lv7

解体Lv5、弓術Lv7、槌術Lv5、縫製Lv2

身体強化Lv2←UP

-------------------------------------


「私も1つしか上がっていません・・・」

「だからそれが普通なんだって」

「そうよ。ってかそれでも速いペースなんじゃないの?」

「そうだよ、サーヤ姉ぇ」


キクチ・ミキ

-------------------------------------

頑健Lv4、病気耐性Lv3、掃除好きLv5、解体Lv6、弓術Lv7

魔力感知Lv6、魔力検知Lv4、魔力操作Lv3

木工Lv2←UP

風魔法Lv6←UP

-------------------------------------


「早くも《木工》がLv2か」

「舟の研究が活きたのかもね」


加藤一彦

-------------------------------------

頑健Lv4、病気耐性Lv3、殺菌Lv7、偽装Lv1、魔力探知Lv1

魔術昇華Lv1、カウンターLv8、罠Lv6

雷魔法Lv6

鍛冶Lv2←UP

土魔法Lv2←UP

-------------------------------------


「レベル低いと要求経験値低いのでしょうね」

「かもしれないな」


「ケセラの《薬学》は薬草にしか適応されないのかな?」

「というと?」

「化学としての薬品にも適応されないのかと思って」

「何か考えてるの?」

「石鹸を作りたいと思って」

『石鹸?』

「獣油の石鹸は使いたくないだろ?」

「今でも植物油のを使ってるから買わないけど?」

「もっと良いのが出来れば訪れる街々で売れると思うんだよね」

「まぁ。好きにやってみたら」

「あぁ」


「じゃぁベそろそろベオグランデ公国に行く?」

「うーん。あの村に行って舟を完成させたいな」

「筏?」

「あぁ」

「まぁ良いけど、あなた達は?」

「良いよ」

「カズヒコさんが望むのなら」

「構わないよ」

「じゃぁ行く?」

「あぁ。ただ泊りがけになるだろうから食料とか準備して行こう」


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