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HappyHunting♡  作者: 六郎
第11章 北部動乱 (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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⑪-19-312

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サーベルを抜剣した勢いそのままベドルバクラ軍兵士の背後から切り上げた。


『!?』

「ルンバキア兵だ!」

「増援だ!」

「くそったれが!こいつ1人に時間を掛け過ぎだ!」

「ルンバキア兵にも当たれ!」

『おらあぁぁぁ!』


1人のベドルバクラ兵がレヴィに斬りかかる。

兵士の剣はレヴィの首元を通り過ぎて行く。

しかし何の感触も無い。


「なっ!?」

光魔法ミラージュ・・・」


レヴィの身体からレヴィが出て来た。

ベドルバクラ兵の胸にサーベルが突き刺さる。

サーベルを抜き去り血振りをくれる。

ベドルバクラ兵はそのまま崩れ落ちた。

その両横ではルンバキア兵とベドルバクラ兵が激突した。



「おらぁ!」

「どりゃぁ!」

「せい!」

「うらぁ!」

「ぐわあぁ!」

「くそっ!挟撃されてるぞ!」

「あいつを何とかしろぉ!」

「お前がやれって!」

「挟撃されてんのか!?」

「どーすんだ!?」

「知るか!」

(何?挟撃?門の前に味方が居るのか?)

(だとしたら助けねばなるまい!)

「門を確保しろぉ!」

『おおぉぉぉ!』


疲れていない予備兵の投入で東門の周辺はルンバキア兵が優勢になりつつあった。

そして門前のベドルバクラ兵が徐々に少なくなってゆく。


「ぐおっ!」


レヴィの目は全身血塗れの仮面の人物がベドルバクラ兵の首を斬り裂くのを認めた。

血塗れの人物の足元にはベドルバクラ兵の死屍累々。


「何だと!?」


足の踏み場も無い状況。

そこに立つベドルバクラ兵も足元を確認しながら移動している。

レヴィ以下数名が門まで斬り進んだ。

門前のベドルバクラ兵はあらかた掃除したようだ。

しかし門に近付けない。

仮面の人物がレヴィ達をも敵と認識しているようだ。


「その格好!マコルか!?」

「・・・え~っと、誰だっけ?」

「ブルーフだ!」

「え~っと・・・味方?」

「そ、そうだ!フリーエ様との席で会っただろ!」

「う~ん。覚えが無いなぁ・・・ホントに味方かよ」

「そ、そうだ!周りを見ろ!私の連れがベドルバクラ兵と戦っているだろう!」

「・・・なるほど」

「そっちに行っても良いか!」

「・・・あぁ。門を任せても良いのかな?」

「あぁ!門は引き受ける!」

「そうか。頼んだよ」

「あぁ!」

「はぁー」


レヴィの一団がカズヒコの下に近付く。


「こ、この数をお前1人で?」

「数?」

「この死体の数だ」

「何人殺したかなんて覚えちゃいねーよ」

『・・・』

「おせーんだよ。死にそうだったじゃねーか。んぐんぐ」

「す、すまん!守備隊長の連絡が拙くてな!」

「んぐんぐ・・・ぷはぁー。あの野郎。伝令しろって言ったらそのまま消えちまいやがって」

「・・・」

「スタミナポーション2本目飲んじまったじゃねーかよ。高ぇーんだぞ、これ」

「・・・」

「んじゃ門は頼んだよ」

「ど、何処へ行く!?」

「上に決まってるだろ。何言ってる」

「上?」

「上でメンバーがまだ戦ってるだろーが。分かんねーのかよ」

「あ、あぁ!戦っていた!」

「はぁー!疲れたぁ!街軍は使えねーし、援軍はおせーし・・・ブツブツ」

『・・・』

「マリア!おーいマリア!」


壁の上に叫ぶ。


ヒョコッ


街壁からミキが顔を出した。


「何よ!こっちは忙しい、ってどうしたのその格好!?血塗れじゃない!大丈夫!?」

「鉤縄外して落としてくれ!」

「い、良いけど!大丈夫なの!?」

「あぁ!俺の血じゃない!援軍が来てこっちは大丈夫だ!」

「分かったわ!ほい!」


鉤縄がカズヒコの下に落とされる。


「もう少し辛抱しててくれ!」

「分かったわ!みんな!援軍で門はバッチリよー!」

『おー!』


カズヒコは門から外れて行った。


「ブ、ブルーフ様、あれが例のワイルドキャットのリーダー?」

「あぁ、そうだ」

「しかしこの数を・・・本当でしょうか」

「見た限り味方の死体は無いな・・・」

「・・・」

「先ず門を確保する!後何人かこっちに来い!」


カズヒコは階段まで行かず途中で上を見ている。


「何をしているのでしょう?」

「うーむ・・・」


カズヒコは鉤を頭上に回し始め、勢いを付けて街壁上の敵に放り投げた。

鉤がサーヤとケセラに対している敵集団の1人に向かって行く。

鉤が当って引っ掛かり、カズヒコが勢いよく引っ張る。

ベドルバクラ兵の1人が落ちて来た。

10m程の高さだ、死なないまでも全身を強打して動けない。

カズヒコにトドメを刺される。


「・・・」

「・・・確かに騎士の戦い方ではありませんな」

「あ、あぁ」




「「「ギョギョッ!?」」」


ミキとサーヤとケセラ、

3人は右から突然現れた鉤縄が兵士を引っ掛けて引き摺り落して行くのを見た。


「「「・・・」」」

「カズヒコね」

「ですね」

「だな」


それから何度か同じ事が起こり、ベドルバクラ兵にも動揺が広がる。


「下からも狙われてるぞ!」

「門はどうなったんだ!?」

「女は守られたって叫んでたが!?」

「本当だったってのか!?」

「確かに奴らの援軍は来たが!」

「数はこっちの方が上だろう!?」

「おい!階段に居る奴等!どーなってんだ!?降りろよ!」

「うるせー!援軍とやってる最中よ!」

「さっさと、あらっ!?」


喋っていた兵士に鉤が引っ掛かりそのまま下に消えた。


「くっそ!」

「下を覗こうとしたら女に撃たれる!」

「前を見てたら落される!」

「どーすんだよ!」

「知るか!自分で考えやがれ!」

「退け退け退けぇい!」

「うわっと!」

「危ねぇ!」


巨漢のプレートメイルの男が壁から登って来た。


「プレートメイルだ!」

「矢が!難しいわね!」

「ハンマーで砕いてやりますわ!」

「ぬわーはっはっは!女か!街を落した後にたっぷりと可愛がってやる!」

「やってやれー!」

「頼むぜー!上官殿ぉー!」

「お零れお願いしまーす!」

「おおぅよ!我はキルフォヴァ攻略軍4魔将が1人!名をっをっをっをー!?」


男は壁下から飛んで来た鉤がプレートに引っ掛かりそのまま壁下に落ちて行った。


「「「・・・」」」

『・・・』

「死ね!女の敵がっ!」

「壁の染みとなるが良い!」

「ハンマーの錆にしてやるわ!」

『ひえー!』


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