⑪-17-310
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一方、右翼では。
「あっひゃー!こいつら女だぜ!」
「胸の膨らみ!2人は女だな!」
「死ね!」
「うばっ」
「ぎゃははは!」
「あの声は女だぜ!」
「女は3人だぁ!」
「俺が最初だ!」
「何言ってやがる!俺だ!」
「馬鹿野郎!俺「《強撃の一矢》!」だっはぁぁぁ」
「うひゃぁ!?」
兵士の胸に突き刺さった矢が革鎧を突き抜けその後ろに居た兵士にも突き刺さった。
「はぁはぁ《吸精》!」
「あ、あぁ・・・なん・・・だ」
「あ、おい、どうした!」
「こんな時に寝てんじゃねー!」
「邪魔だ!落とせ!」
「こいつおおお?」
邪魔になった味方を落そうとした兵士に矢が突き刺さる。
「こいつら!もう勘弁ならねー!」
「やっちまえ!」
「やっちまったらやれねぇだろう!」
「うるせぇ!いくぞ!」
「数で押し込め!」
『うおおおぉぉぉ!』
兵士達が数を頼りにケセラに襲い掛かる。
「《身体強化》!《ダメージチャージ》!」
「くおっ!」
「何だこの馬鹿力はぁ!」
「この人数で押し込めねぇだと!」
「くそっ!」
ケセラを回り込もうとしたした兵士、
しかしその目に砂が入る。
「あっ、ぷあっ」
更にハンマーが打ち下ろされる。
ズンッ
革の兜を引き千切りながらハンマーの軌跡に抉られた頭を露わにして兵士は即死した。
倒れようとする兵士。
「下に捨てろ!邪魔になる!」
「はい!」
サーヤがハンマーを倒れようとする兵士の体に引っ掛けて壁下に落とした。
「くそ!押せ押せぇ!」
『おうりゃあぁぁ!』
「《リリース》!」
『どわああぁぁぁ!?』
ケセラへのチャージされたダメージがシールドチャージに乗って開放された。
吹っ飛ぶ兵士達。
何人かはそのまま壁下へと落ちて行く。
「任せろ!」
俺は飛び出し、倒れた兵士に飛び掛かる。
喉にマチェーテをブッ刺していく。
「ぐっ」
「はぐっ」
「うぐっ」
《神経強化》では身体の動きは速くならない。
手早く3人突き刺した所で後続の兵士が現れる。
「こいつ!」
「バイナラ!」
「あっ、待て!」
「このや「サクッ」ろっふぅ」
追いかけようとした男に矢が突き刺さる。
「《風刃》」
「《強撃の一矢》!」
「うあっ!?」
「ぐあぁ」
「あぐっ」
革鎧を貫通した矢が後ろの兵士を巻き込んだ。
「何で鎧を貫通ぅんぐんぐ!?」
「どうした!?」
「!?」
突然喋れなくなった兵士に矢が刺さった。
倒れたその兵士の口から砂が出て来る。
「お口が臭ぇーんだよ!ちゃんと掃除してるのか!」
「てっ、てめぇ!」
「仮面の上からでもお前らの臭さが分かるぞ!」
「ブッ殺してやる!」
「ベドルバクラには風呂も無ぇーのかよ!気の毒にな!」
『殺せぇー!』
「《ダメージチャージ》!」
『ぐおぉ』
「《リリース》!」
『ぐわあぁぁぁ!』
また何人か壁下に落ちて行き、何人かは倒れ込む。
「収穫だ!」
俺は飛び出しまた3人突き殺した。
「おしーりぺーんぺん!ばーかばーか!」
「こっ、このやろ!」
「ブッ殺ぉうぉぉ!?」
「また弓が!」
「くそったれが!」
「埒が明かねぇ!門だ!」
「そうだ!門だ!」
「門を開けろ!」
「下に降りて門を開けるんだぁ!」
「おおぉぉ「《強撃の一矢》!」ぉぎゃあぁあぁ」
「ぐあぁぁ」
「くっそがぁ!」
「門に行けぇ!」
何人かが階段へ走ってゆく。
俺は彼女らの後ろへ戻る。
当然敵兵士はまだまだ居る。
彼女達は対峙したまま俺に話しかける。
「どうする!?」
「門を開けられたら雪崩れ込んで来るぞ!」
「数で負けてるから勝てませんわ!」
「マーラは前を向いたまま動くな!」
「は、はい!?」
サーヤのバッグから鉤縄を取り出す。
「今の調子なら大丈夫だ!ここは任せた!」
「どこか行くの!?」
「門に行く!」
「1人でか!?」
「あぁ!任せろ!」
「・・・分かった!」
「あの!私もお側に!」
「お前はここで戦え!」
「わ、分かりました!」
「登ってくる奴は分かるな!?」
「えぇ!大丈夫よ!」
「任せたぞ!」
「了解!」
「でっ、伝令であります!」
男が北門近くの陣所に入って来た。
「お前は東門の守備隊長であろうが!こんな所で何をしている!」
「はっ、はい!援軍の要請に参りました!」
「却下だと言っただろ!ただ”援軍を寄越せ”だけでは話にならん!」
「そっ、それが!」
「何だ!」
「敵の数は300以上です!」
「「「!?」」」
「何じゃと!?」
「貴様!何故それを先に伝えんのだ!」
「そ、その、あの」
「何でお前がここに居るんじゃ!?」
「あ、いえ、それは」
「この馬鹿もんがぁ!」
ジリジリジリ
フリーエの周りにアーク放電の光が現れる。
「ひっ、ひぃ!?」
「マコルは!?ワイルドキャットはどうしたのだ!」
「マコルに言われ援軍の催促に来ました!」
「何じゃと!?」
「マコルが言うには敵の本隊だと」
「隊長がお前じゃからお前に進言したんじゃろーが!馬鹿もんがぁ!」ジリジリジリ
「ひいぃぃぃ!」
「フリーエ様!今は!」
「そうじゃ!レヴィ!」
「はっ!」
「予備兵全軍で東門へ行けぃ!門が開けられれば街に雪崩れ込んで来る!人数差では負けておるのじゃ!門を守れぇ!」
「畏まりましたぁ!」
レヴィが駆け出す。
それを見送る守備隊長。
「お前も行かんかぁ!」ジリジリジリ
「はっ、はひぃぃぃ!」
猛ダッシュで陣所を出て行く守備隊長。
「ここまで街軍が腐っておるとは!」
「間に合いますか・・・」
「70対300・・・難しいのぉ」
「しかも北門守備兵が1軍で東門は2軍ですからな」
「ふーむ。間に合えばいいが」




