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HappyHunting♡  作者: 六郎
第11章 北部動乱 (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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「閣下!弓兵が退却を始めました!」

「なっ、何だと!あいつら勝手に!」

「しかし弓兵隊は死傷者が半分以上!もはや全滅です!」

「むぐぐぐ・・・破城槌はどうした!」

「閣下が陽動にと北門に配備されましたが」

「むぐぐぐ・・・」

「閣下!」

「今度は何だ!」

「あれを!右翼が壁を突破した模様です!」

「本当か!良し!成功だ!このまま押せぇ!」

『おぉー!』




「うおおおぉぉ!」


バイヨが大剣を振り回している。

しかし次から次に登って来る。

俺等と左翼の味方の間に割って入った形の敵兵士は2方向に分かれ、それぞれと対峙していた。


「エマ!」

「何!」

「バイヨのバックアップだ!」

「分かった!」

「バイヨ!」

「おう!」

「相手にしなくて良い!近寄らせるな!」

「了解!」

「胸から上に剣を振るうな!矢の邪魔だ!」

「了解!」

「ぶるおあぁぁぁ!」


敵兵士が俺の目の前に飛び出して来た。

が、

《罠》で張っていたロープに気付かず引っ掛かって俺の前に倒れ込む。


「あ、あ、いや、その・・・ぐっ」

「忙しいんだ。相手出来なくてすまんな」


振り下ろしていたマチェーテを兵士から抜き取った。

首にロープを巻き付け街壁の外に放り投げる。


「よっこいしょーいち!」


死体にぶつかった後続の兵士が梯子から落下する。

更に後続の兵士にぶつかりその兵士も落下。

更にその後続の兵士も・・・

落ち物ゲームみたく連鎖して落ちて行きその梯子から誰も登る者は居なくなった。

放り投げた死体を固定する為にロープを胸壁に結びつける。


「マコル!」

「どうした!」

「弓兵が逃げて行くわ!」

「!?」


見ると弓兵が背中を向けて走って行くのが見えた。


「みんなスタミナポーションだ!ティアは魔力ポーションだ!今の内に飲んどけ!」

『了解!』


ティアは何度かの《バインド》とその維持で魔力を消費していた。


「マヤはバイヨのバックアップだ!」

「了解!」

「セリーナは右翼に対処だ!」

「左翼はいいのか!?」

「バイヨに任せろ!こっちももう持たん!」

「分かった!」

「マリアも右翼に対処!」

「分かったわ!」

「マーラは連射式にハンマーだ!」

「了解!」

「バイヨは殺さなくて良いからな!近付けさせるな!」

「分かってるよ!」

「左右に分かれて大丈夫!?」

「中央は吊るされた死体で登って来れん!時間稼ぎにはなる!」

「分かったわ!」


ミキの耳元で喋る。


(感知で登ってくる奴は分かるな?)

(えぇ。大丈夫よ)

「よーし!破城槌が無くて助かったな!」

「まだ大丈夫なんだな!?」

「あぁ!逃走路は有る!」

「分かった!」


なんて言ったが街壁上を伝って南門まで行くだけだからな。

右翼を確保しないといかんな。


「マコル!」

「何だセリーナ!」

「右翼が突破されそうだ!」

「待たせたな!お前の出番だ!」

「はっはっは!期待されるのは嬉しいがな!」

「1人横に抜けさせるように誘導しろ!」

「良いのか!」

「殺れるかマーラ!」

「勿論です!この日の為にセリーナと木剣で練習しました!」

「マリア!セリーナの後ろだ!」

「了解!」


ケセラが前面に出てその直後にミキ、右後ろにサーヤが並ぶ。

俺はサーヤの背後から肩に手を添え耳元で喋る。


(土魔法でバックアップする。安心してブッ叩け)

(はい!任せて下さい!)

(クロスボウにも《強撃の一矢》は乗るか?)

(はい!大丈夫です!)

(よし!溜めておけ!)

(えっ!?でも)

(《吸精》で魔力を補充しろ。補充相手なら腐るほどいる)

(なるほど!分かりました!)


「隊長ぉ!」

「な、何だぁ!」


右翼に居た守備隊長に叫ぶ。


「援軍はぁ!?」

「呼びに遣ったぁ!」

「何で来ない!」

「知るかぁ!」

「ちゃんと敵の人数知らせたのかぁ!」

「・・・」

「どあほぉ!」

「だっ、誰がアホだ!」

「おめーだよ!もう1回送れぇ!」

「なっ、何人居るんだ!」

「てめー!両手の指の数までしか数えられんのか!300だ!300以上!」

「わ、分かった!」

「こっちが敵の本隊だって伝えろよぉ!」

「わ、分かった!」


隊長がダッシュで階段に向かって行く。


「おめーが行くんじゃねー!戻って来ーい!・・・くそがっ!」

「うおおおぉぉぉ!」


右翼で街壁を登り切った兵士が街軍に襲い掛かる。

しかし側面から矢が飛んで来て斬りかかろうと振り上げた右腕によってがら空きになった脇に突き刺さる。


「がっは」


矢が脇に刺さった兵士はその場に蹲った。

しかし後続が現れ踏まれてしまう。


「邪魔だ!」

「ぐぅ」


後から後から兵士が登って来る。

右翼の街軍は押されて南側の八角塔に押し込められている状況だ。

左翼でも同じ状況。

八角塔入り口での攻防が行われている。


「味方がこっちに逃げて来ないだけマシだな!」

「あぁ!邪魔なだけだ!」


「みんないいかぁ!魔虫戦を思いだせぇ!」

 あの時より数は多いが通路は狭い!

 一度に相手するのは1人か2人だぁ!

 盾役は近寄らせるなぁ!

 飛び道具で数を減らせぇ!」

『おおぉ!』


俺達は東門の真上に居る。

俺達中央は突破されていないが左右が突破されてしまった。

挟撃される形となっている。


「マヤ!風魔法は使って良いからな!」

「うん!分かった!水は!?」

「状況判断で良い方を選べ!」

「分かった!」

「おうらあぁぁ!」


バイヨが水平斬りで威嚇して兵士を近寄らせない。

その隙をエマとマヌイが矢と魔法で攻撃する。


「ぐっ」

「うあっ」

「あっつ」

「くっそ!近付けねぇ!」

「突っ込めよ!」

「お前がいけ!」

「《バインド》!」

「「「「うああ!?」」」」

「おうりゃあぁぁ!《マイティストライク》!」


固まっていた所に更に固まってしまった兵士4人。

そこに大剣の武技が彼らを上下に分かった。


「あひゃああぁぁぁ!」

「あぐっ」


大量の血飛沫に慄く兵士達。

開いた口に矢が飛び込んで来た。


「武技使って良いの!?」

「近付けさせない為さ!それに数は減らさなきゃいけないんだ!」

「それもそうだね!」

「足元の血で滑らないようにね!」

「あいよ!」


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