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HappyHunting♡  作者: 六郎
第11章 北部動乱 (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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⑪-12-305

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外壁を降りて宿舎の食堂で昼食を摂っていた。

周りから奇異の目で見られているようだ。


「やっぱり女だらけだからかしら」

「だろうな。エルフの私の時もあんな感じだったし」

「気にしない事だ」

「マコルは気にしないの?」

「気にしないと言えばウソになるが。僕が気にするのはあくまで僕等を害そうとする悪意に対してだ。彼らと逆の立場だったら同じ様に思うかもしれんしな」

「まぁ、マコルがそう言うなら良いけど」

「あぁ。気にするな」

「他の冒険者もチラホラ居るわね」

「街の有志も参加してるらしい」

「ほぉー。勇ましいな」

「それだけ北部に恨みを持ってるのよ」

「バイヨ達は戦争の経験は?」

「有るが局地戦だ。ここまで大掛かりなのは初めてだ」

「勇み足を踏まないでくれよ、バイヨ」

「あぁ。懲りてるよ」

「攻めて来たらどう対応するんだろう」

「フリーエ様は北門近くの詰所で全体の指揮らしい」

「って事は、北門が激戦区?」

「侵攻当初の戦いも北門を中心に戦ったらしいからな」

「今回も?」

「とは限らんだろうが」

「味方は北門を中心に守れば万が一の時に西にも東にも兵を割けるからな」

「南は大丈夫なの?」

「1000人で来たんだ。4分割は厳しい。何より南はルンバキアに深く入る事になるから察知もされ易いし、もし負けた場合退却が困難だ」

「こっちの戦力は?」

「中隊長に聞いたら400人だと」

「半分以下か。それってどうなの?」

「通常、街を落とすのには守備兵の数倍の兵力が必要と言われている」

「じゃぁ大丈夫?」

「余程下手を打たない限りは大丈夫だろう」

「良かったぁ」

「加えてパープルウィッチ、フリーエ様だ。士気は高い」

「街主はどうしたのでしょうか」

「捕まったらしい」

「・・・良かったわ」

「村が襲われたっていう知らせも何も無くいきなりベドルバクラ軍が街に来たから統治に問題が有ったという罪らしい」

「国境騎士団は何をしてたんだろう」

「常に巡回しているんでは無いんだ。ただ今回は怠慢と言われても仕方ないだろうな」

「この辺の国境騎士団もキナ臭いな」

「・・・そうだな」

「ここの兵士にも注意しておいた方が良いかもしれん」

「街軍も?」

「捕まえたあの捕虜だが」

「あぁ」

「街主の搾取や悪魔騒動を知っていた」

「そうね」

「うん」

「何故知っていた?」

「それは斥候、いや、間諜だな」

「だろうな。間諜を放って調べていたのだろう」

「だとしたら街にも居るんじゃないのか」

『!?』

「紛れ込んでるって事!?」

「声が大きい」

(はっ)

「間諜が街軍にも居るって?」

「可能性は高いだろう?」

「うーん」

「国境騎士団にも何らかの影響を与えて仕事を阻害していたのかもしれん」

「うーん」

「疑いだしたらキリが無いよ」

「・・・だな」

「そうね」

「まぁ信じられるのは僕達とフリーエさんが呼んだ部隊って所か」

「そうね」

「そのフリーエさんの部隊はどこにいるの?」

「西門を守るらしい」

「えー。北門の方が安心出来るなぁ」

「フリーエ様の近辺にも後詰として控えるそうだ」

「予備兵か。まぁ安心だな」

「フリーエさんに万一が有れば街も危ういからね」

「あぁ。最悪フリーエさんが生き残れば街は落ちたとしても後日取り戻せるだろう」

「それは東門を捨ててでもフリーエさんを守るって事?」

「当然だろう。フリーエさんの命と街。僕達にはどっちが優先される?」

「・・・そうね」

「勿論街は守る。あくまでどっちかを選ばなきゃいけなくなった時の事だ」

「えぇ」

「そうだな」

「どれ。街中歩いて石を拾おうぜ」

「兵士の頭目掛けて落とすんでしょ?」

「煮えた油落として火達磨でも良いな」

「実際やるしな」

「そうなの?」

「あぁ。何か落とすのは基本だな」

「最終的に命も落としてもらおう」




昼食後に石を拾って油も買った。

更に土魔法用に砂も集めておく。


「臭いわね」

「獣油だな」

「獣?」

「魔物だろう」

「・・・あぁ。一杯居るもんね」

「石鹸「カンカンカン!」!?」


カンカンカン!


「何だ!?」

「敵襲だ!」

「来たの!?」

「だろう!」

「とりあえず東門に行くぞ!」

『了解!』




東門の、普段は活動禁止エリアの広場は兵士で一杯だった。


「配置に付けー!」


守備隊長の命令で街壁に上っていく兵士達。

僕等もそれに加わり階段を上って行く。

上った先に見える街外には特に異変は無く街道と森と大きな空、曇り空が広がっているだけだった。


「東には居ないな」

「止まらず持ち場に行けー!」

「おっと」


僕等の持ち場、東門の真上に来た。


「門の真上ってさ・・・敵が来た時1番危険なんじゃないか?」

「そうだな」

「何で僕等が?」

「やっかみだろう」

「やっかみ?」

「ハーレムパーティへの」


周りを見るとそういう事らしい視線を感じる。

守備隊長も同じようだ。


「なるほどねー」

「ヤな感じだね」

「ホントですわ!」

「街主の影響かねー」

「トップが腐ると末端まで腐るものだ」


《うおおおぉぉぉ!》


「おっ。北門は始まったみたいだぞ」

「緊張してきた!」

「ドライフルーツ食べるか?」

「えー!こんな時にぃ?」

「始まったら食べる時間無いかもしれんぞ」

「・・・そうだね。ちょっと食べる」

「私も」

「私も」

「私も貰えないか」

「こういう時、消化が早くて燃料になる食べ物が欲しいね」

「そうねー」


《うおおおぉぉぉ!》


「西門も始まったみたいだ」

「あれっ。こっち何も見えないけど」

「2か所だけ?」




北門近くの陣所。

伝令の兵が部屋に入って来る。


「北門守備隊長から援軍の要請です!」

「まだ始まったばかりであろうが!」

「まぁまぁレヴィ。皴が増えるぞぃ」

「くっ!しかしフリーエ様!」

「まぁブルーフの気持ちも分かりますよ。早過ぎます」

「所詮はあんな街主のお抱え軍隊。程度が知れます!」

「まぁのぉ。西はどうだい」

「今の所問題は有りません」

「西に中央軍70!東も混在軍70!60人の予備兵に対して北門は200!200ですよ!200!無能もいいとこだ!」

「公家近衛軍からの派遣で勇むのは分かるが序盤から飛ばしてると持たんぞ」

「・・・も、申し訳ありません」

「援軍は却下じゃ。訓練の成果を見せろと伝えよ」

「はっ!」


伝令が去ってゆく。


「東は?」

「兵の姿すら確認されておりません」

「ふーむ」

「以前は3方同時攻撃でしたが」

「絞ったのでしょうか」

「ふーむ」

「もしかして南に?」

「一応見張りは配置しているが」

「南はリスクが大き過ぎる。無いとは思うが・・・」

「「うーむ」」

「はてさて。どうなる事やら」


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