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HappyHunting♡  作者: 六郎
第11章 北部動乱 (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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⑪-10-303

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話は通っていたのだろう、すんなり門は開けられ通された。

南門からの見張りは屋敷までで、ここからは見知った顔が出迎えた。

屋敷まで案内してくれるのは、


「こんなに早くまた会えるとはね、マコル君」

「あ、フリーエさんの・・・」

「フリーエ様の副官、カラッハと言う」

「こんな形で再会したくなかったんですがね」

「はっはっは。その通りだな。しかし義勇兵として来てくれたらしいが」

「はい。あと荷台に捕虜を」

「みたいだね。詳しい話は部屋でしよう」

「分かりました」

「そちらは?」

「仲間の冒険者です」

「・・・良かろう、歓迎するよ」

「「「よ、よろしくお願いします」」」




通された部屋は以前会った部屋ではなく、もっと広い部屋だった。

カラッハさんが部屋の戸の前で立ち止まった。


「カラッハ、入ります!」


部屋に入ると中は兵士達が立ち回り作業をしている。

書類やらを持って立ち回り、大机にはあの時の地図が広げられている。

ソファーには茶を啜っているフリーエさんが居た。

床には足が届いていない。

足を交互に振っている。

カラッハさんが向かってフリーエさんの左奥に立った。

右には若い女性騎士が立っている。


「よく来てくれたねぇ」

「嫌々ですが」

「ヒェッヒェッヒェ」

「き、貴様!」と女性騎士。

「マコル君らしいね」

「カ、カラッハ様!?」

「お土産を持ってきてくれたそうじゃが」

「フリーエ様、別室に用意しております。後で御賞味下さい」

「そうさせてもらうかのぉ。そちらのお嬢さん方は?」

「ブラックドッグ討伐時の仲間です」

「そうかぇそうかぇ」

「「「よ、よろしくおねがいします!」」」

「うんうん、こちらこそねぇ」

「「「あ、ありがとうございます!」」」

「うんうん。猫は元気かぇ」

「今は馬車で寝てるでしょう」

「ヒェッヒェッヒェ。そうかぇそうかぇ。じゃがすまんのぉ」

「はい?」

「前の報酬がまだ用意出来ていないんじゃ」

「構いませんよ。それどころじゃなさそうですし」

「すまんのぉ」

「マコル君、話を聞かせて貰えるかね」

「別室でお願い出来ますか」

「ぶっ、無礼な!?」

「・・・よかろう」

「フリーエ様!?」

「後ろの2人は連れて行くぞぃ」

「大丈夫ですか?」

「き、貴様!」

「ヒェッヒェッヒェ。慎重なのが長生きの秘訣じゃぞぃ」

「は、ははっ!」




先程の部屋より狭い部屋に移動する。

フリーエさんの後ろにはさっきの2人が立っている。


「キルフォヴァ西門を目指してベルバキア領を東進していた所、村がベドルバクラ軍に略奪を受けていましたので捕まえました」

「なんとまぁ・・・ベルバキアまで行ってたのかぇ」

「捕虜の話を簡潔に纏めると?」

「はい。キルフォヴァ北部は街主の搾取と悪魔騒動で村は干上がっていて略奪は出来ずにベルバキアまで行ったそうです」

「ふーむ」

「総兵数は1000。早急にケリがつくものと思ってたそうで」

「なるほどのぉ。見たまんま1000人か」

「フリーエさんが居た事に驚いていたそうです」

「マコル君達が去った後、調査名目で兵を呼び寄せたんだよ」

「それでベドルバクラ軍に対抗出来たんですね」

「危なかったのぉ」

「悪魔の後はベドルバクラですか」

「全く。一難去ってまた一難じゃ」

「捕虜の話だと南門以外はベドルバクラ軍がいるそうで迂回している途中で伝書鳩を見つけ、これを持っていました」

「・・・ふむ。ワシの知る暗号じゃないな。カラッハ」

「はっ・・・我が軍のものではありませんな」

「後で調べさせよう」

「掴んだ情報は以上です」

「うんうん。よく来てくれた」

「お土産がもう1つ有るんですが」

「うん?」

「その前に僕等の秘密をバラさないという約束をして欲しいなと」

「き、貴様!無礼だぞフリーエ様に!」

「まぁまぁレヴィ。怒ると皴になるぞぃ」

「ぐっ」

「それは構わんが」

「契約書にしたためて欲しいのです」

「貴様!」

「ヒェッヒェッヒェ。良かろう良かろう」

「フリーエ様!たかが冒険者にそこまで!」

「こちらの秘密も、じゃろう?」

「勿論です」

「よかよか」


お互い契約書にサインをする。

女騎士は苦々しくサインをした。


「それで?」

「では土産を、マーラ君」

「はい」


部屋に食料を出していく。


「こっ、これは!?」

「何と!?」

「あれまぁ・・・収納袋かぇ」

「Cランクですが」

「ヒェッヒェッヒェ。ありがとうなぁ」

「野菜や果物は助かるよ」

「どのくらい持って来てくれたんじゃぇ?」

「3台分以上は」

「そうかそうか。この部屋だと怪しまれるかもしれん。後で倉庫に案内させるからそん時に全部出しておくれな」

「分かりました」


サーヤ君は食料を収納袋に戻した。


「ご要望であれば近場の街で仕入れて来ますが」

「・・・ふーむ」

「フ、フりーエ様!そうしましょう!この者達に命令して」

「しかし近々攻撃の気配がするんじゃ」

「1000人で破れなかったのに、ですか?」

「マコルの情報だと、高を括って来たのじゃろうが成果も無しに帰れんっちゅー所かの」

「村への略奪も空振りだったみたいですからな」

「しばらく様子を見よう。幸い、マコルの土産が有るからの、もつじゃろう」

「別の土産も吟味しませんとな」

「そうじゃったのぉ・・・そっちはカラッハに任せたいが」

「御戯れを。お先に御楽しみ下さい。私は残り物で結構です」

「はぁ~、年寄りにクドイ物を押し付けるんじゃないよ、全く」

「ではマコル君達の配置は?」

「うん、何か希望はあるかぇ?」

「楽で安全な所が良いです」

「貴様!」

「ヒェッヒェッヒェ。生憎とこの街では無いのぉ」

「偵察と奇襲が得意です」

「偵察と奇襲か」

「考えておきましょう。先ずは攻撃に備えませんと」

「そうじゃな。宿舎を用意するからそこに泊まっておくれな。追って連絡を遣わせるでな」

「承知しました」

「旅の疲れを癒しておいで」

「ありがとうございます」

「うんうん」

「マーラ君」

「は、はい。またお会い出来て嬉しゅうございます、フリーエ様」

「・・・うんうん、ワシもじゃ。よ~来てくれた。いや、この街に来るんは不味いんじゃがの」

「僕等が守りますよ」

「頼むぞぇ、マコルよ」

「お任せください。それでは失礼します」

「あいよぉ」




カズヒコ達が出て行った部屋で、


「フリーエ様!何故あの者に甘いのですか!」

「ブルーフ・・・」

「カラッハ様も!舐められているのですよ!」

「彼らの業績は知っているだろう」

「魔女に悪魔2匹、ブラックドッグですか?周りの女達が倒したのでしょう」

「だとしても、それを成したのはリーダーの彼だろう?メンバーを纏め上げたり作戦を考えたり」

「あのニヤニヤした顔を御覧になられましたか!大方女達が全てやって美味しい所だけ持って行ってるに違いありません!」

「レヴィ・・・おみゃぁはち~と世の中を知った方がえぇのぉ」

「フ、フリーエ様!?」

「あ奴等、会う度に魔力が増しておるのぉ」

「な、なんと!?しかし前会った時から3週間も経っていませんぞ!?」

「はてさて、どんな経験をしておるのやら」

「・・・」

「レヴィよ」

「は、はっ!」

「人間誰しも仮面を被っておる」

「仮面・・・ですか」

「その仮面の下の素顔を覗いた時、それがおみゃぁの最後。という事にならんよぉにのぉ」

「・・・は」


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