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HappyHunting♡  作者: 六郎
第11章 北部動乱 (マコル、マリア、マーラ、マヤ、セリーナ)
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⑪-09-302

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捕虜の魔力枷やら回収して出発の準備をしている間にマヌイは治療を終えた。

荷車の中央に目隠しをした隊長を寝かせて出発する。

この馬車は速い、荷車が揺れる度に傷に響いて痛そうだ。

黒猫が顔をペシペシ叩いている。


「ひぃっ!?」


「そういえばバイヨ」

「うん?」

「戦果を確認するのはどうするんだ?」

「確実なのは首を取る事だな」

「「「「・・・」」」」

「うーん」

「ちょっとね」

「そうだね」

「重いですし」

「あの村長に証言してもらうか」

「そうね」

「アヤも治療しましたし、証言してくれると思いますけど」

「おい、お前らは何の為にあの村まで行ったんだ?」

「はははい!付近の村から徴発して食料を手に入れる為です!」

「ベルバキアの村まで襲うって事は、キルフォヴァ付近の村はもう襲ったって事か?」

「ははは、はい!我々が向かう前から殆どいませんでした!」

「前と同じだな」

「でしょうね」

「ベドルバクラ軍はどう展開してる?」

「そそそそれは・・・」

「ルーラ君」

「はい」

「待って!言います!待って「ボグッ」あぁぁぁ!」

「直ぐに答えろ、そうじゃないとウソを考えてると誤解されるぞ?」

「おおお思い出してたんですよぉぉぉ!」

「そうか、口答えか」

「ちちち違います!決してその「ボグゥ」よあぁぁぁん!」

「・・・ルーラ君、まだ合図してなかったんだけど」

「おほほほ」

『・・・』

「・・・で?展開は?」

「ぐぅぅぅは、はい。街を取り囲むように・・・」

「あの規模の街を1000人で?本気か?」

「いえ、門の辺りを重点的に!」

「なるほど、兵糧攻めか。キルフォヴァの街の門の数は・・・」

「4つだな!東西南北!それぞれに!」


ケセラが御者席から叫んだ。


「・・・先に言われてしまったな、これはお仕置きかな」

「ままま待って下さい!南!南門は展開してません!」

「うーん、何故だ?南こそ輜重隊が来るだろう?」

「ルンバキア軍は連携が取れてないようで、補給はそれ程来てないみたいです!それにあまり奥地に行くとこちらが危ないので!」

「うーん」

「大臣の専横の影響かしら」

「みたいだねぇ」

「なら私等は南に向かうのが良いかねぇ」

「でも街道は西門に向かってるわよ?」

「誰か道に詳しいか?」

『・・・』

「戻ろう」

「遠回りになっちゃうけど」

「仕方ないよ」

「このまま進むとベドルバクラ軍と鉢合わせするかもしれませんし」

「南下して南門を目指す」

『了解!』

「ナー」




馬車を返して先程の村を通り過ぎ見えてきた街で左折して南下。

そのままベルバキアの中部から東進してルンバキア領に入る事にした。

途中野営をして早朝に出発すればまだ陽は高くない頃にルンバキア領に入った。

ルンバキア領・・・といってもここから、と決まっている訳では無い。

街道の切れ目が国の切れ目といった感じだ。

そこに、


「セラナ!停まれ!」

「分かった!どう!」

「ブルルゥ」


やがて馬車が停まる。


「どうした?」

「しっ」

『!?』

「降りて弓の用意だ」

「「「「「了解!」」」」」


4人は鞄を開けて中の物を組み立て始める。


「「「な、なんだそれは!?」」」

「急げ」


4人は組み立て終わって射る準備に入る。


「「「弓!?」」」

「エマも急げ」

「わ、分かったわ!」

「上空だ」

『空!?』

「前方の上空だ、構え、各自のタイミングで撃て」


彼女達が弓を空に構える。


「左から来るぞ。3,2,1」


バタバタバタッ


『鳩!?』

「狙って自由に撃て」


シュシュシュシュシュッ


トトトト


1発は僅かに外れたようだ。


「流石だな」


地面に落ちた鳩を拾いに行く。


「伝書鳩だ!」

「マルコ、よく分かったわね」

「そんな気配がしてな」

「はぁ~だからどんな索敵能力してんのよ」


足に付いた入れ物から紙を取り出す。


「・・・分からん」

「だろうな。暗号だ」

「えっ、でもルンバキア軍の伝書鳩じゃないの?」

「ルンバキア領だしね!」

「だとしたらキルフォヴァで渡せば良いだろう」

「そうか。仮にルンバキア軍のだったらまた飛ばして貰えばいい、しかしベドルバクラ軍の鳩だったら」

「なるほどね。ベドルバクラ軍のだったら情報を奪った訳だし」

「でもそうだとして、左から来たって事はベドルバクラ軍からルンバキアの方に向かったって事じゃない?ここから南にはベドルバクラ軍は居ないでしょ?」

「間諜がどこぞの街に居てそれに指示したのかもしれんな」

「良し。馬車に戻って先を急ぐぞ」

『了解!』

「アヤはもうちょいだったな」

「あーん!悔しいよぉ!」




そのまま進んでやがて街道を左折。

針路を北に取りキルフォヴァを目指す。

そしてとうとう水平線に街壁が見えて来た。


「やっとか」

「敵だと思われないかな?」

「そうだな、白旗掲げれば良いのか?」

「あぁ、それで大丈夫だろう」


棒に白い布を巻き付け、それを振り振り閉じられた南門に近づく。


「何者だ!」


街壁には兵士が居てこちらに弓矢を構えている。


「ベルバキアのムルキアから来た冒険者だ!義勇兵として来た!」

「義勇兵!?」

「フリーエ様に会いたい!捕虜も居る!」

「捕虜だと!?」

「マコルが来たと伝えてくれ!」

「フリーエ様と面識が有るのか!?」

「そうだ!」

「しばし待て!」

「せめて門の中に入れてくれ!」

「そこで待て!」

「・・・あいよ!」


僕等は門の前で待たされることになったが弓兵は依然こちらに構えたままだ。


「マルコ!フリーエ様と面識が有ったのか!?」

「あぁ」

「マコルって?」

「ここではそう名乗ってる。ちなみにマリア、マーラ、マヤ。それにセリーナだ。そういう事でよろしくな」

「あ、あぁ」


しばらくして、


ギギギィ・・・


門が開いていく。


「入って良いぞ!」

「どうも」




門衛が近づいて来る。


「マコルか!?」

「そうだ」

「フリーエ様がお会いなさる。付いて来い!」

「分かった」


門を潜って早々に身体検査を受け兵士に連れて行かれる。

捕虜はそのまま馬車に載せたままだ。

僕等の周りを警護ではなく見張りだろう、兵士が取り囲んでいる。

事前に情報を聞いていたからか、南門付近には兵士の数はそんなに居ない感じがした。

街路を歩いて街主の屋敷を目指す。

流石に街の人の活動はあまり無い。

しかしそんなに悪い雰囲気ではない。

フリーエさんの手腕か。

そして以前よりも厳重な警備となった街主の屋敷に来た。


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