⑩-38-288
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「「「「「はぁ、はぁ、はぁ・・・」」」」」
「ど、どうなの?」
「あぁ・・・魔力は弱ってるみたいだ」
「やったの?」
「多分な」
「「「「はぁ~!」」」」
4人はその場にへたり込んだ。
俺はエウベルトの下に歩む。
悪魔の顔を見下ろした。
『マ・・・ルコ』
「エウベルト」
『俺の・・・負けだ』
「あぁ・・・その様だ」
『まさか・・・負けるとは思わなかったよ』
「俺は勝てると思ってたぜ」
『・・・フッ』
「復讐って言ってたが」
『・・・遠い・・・昔の話さ』
「そんな昔の事でか」
『・・・あぁ。俺の人生全てだ』
「復讐が」
『復讐こそ我が人生』
「商会は関係無いんだな?」
『・・・疑り深いね』
「諜報員を信じる訳ねーだろ」
『それもそうだ。しかしそれは本当だ』
「仲間の諜報員は?」
『ベルバキアには居ない。少なくとも私が知ってる限りでは』
「そうか。ベルバキアでは終わったって事か」
『頼みが有る』
「何だ」
『商会は、オランドや商員を助けてやってくれ』
「・・・」
『あいつ等は良くやってくれた。実際楽しかったよ』
「・・・そうか」
『お前らとも・・・諜報員の関係が無ければ良い付き合いが出来ただろう』
「・・・あぁ、そう思うよ」
『・・・フッ、そうか』
「あの時。商人に必要なスキルって聞いた時・・・」
『・・・あぁ』
「真実を見抜く力。あんたには有ったのか?」
『それで復讐に至った訳だ。そして君等に辿り着き、この様さ』
「復讐って・・・」
『・・・ジーナ。君は、君等は囚われないようにな。復讐の悪魔に』
エウベルトの身体の手足の先端が風化して塵になっていく。
「ナーオ」
黒猫が馬車から飛び降りエウベルトに近づいて擦り寄った。
『・・・?』
「ブラックドッグの村で盲目の少女に懐いていた黒猫だ」
『・・・あの時の。ふふふ』
「彼女は無事だ」
『すまない、そしてありがとう』
風化していって四肢は既に無くなっていた。
『お前と商売をしてみたかったよ』
「・・・あぁ俺もだ」
『これまで戦うのが好きだと思った事は無かったが』
「・・・」
『お前とだけは違った』
もはや首と胸しかない。
『さらばだ』
「何十年か後で追いかけるよ」
『はっはっは・・・』
エウベルトは笑いながら消えていった。
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【ランク】がCになりました。
スキル枠が1つ増えます。
【AGI】がAになりました。
《魔力操作》がLv10になりました。
《魔力検知》と《魔力操作》が統合して上位スキル《魔術昇華》Lv1となりました。
《魔力感知》がLv10になりました。
《魔力感知》と《魔力検知》が統合して上位スキル《魔力探知》Lv1となりました。
《隠蔽》がLv10になり上位スキル《偽装》Lv1になりました。
《鍛冶》が習得可能になりました。
《解体》が習得可能になりました。
《剣術》が習得可能になりました。
《弓術》が習得可能になりました。
《槌術》が習得可能になりました。
《木工》が習得可能になりました。
《皮革》が習得可能になりました。
《水魔法》が習得可能になりました。
《土魔法》が習得可能になりました。
・・・が習得可能になりました。
・・・が習得可能になりました。
・・・が習得可能になりました。
・・・
・・
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「うあああぁぁぁ!」
『~~~・・・』
これは・・・またあの夢か・・・
そしてまたあの女・・・
『~~~・・・』
これは間違いない。
詠唱だ。
俺の雷魔法の詠唱だ。
『~~~・・・』
何故これが・・・
『~~~・・・』
あの女が歌っている。
俺は・・・抱かれている・・・
赤子。
俺は赤子?
女が俺を覗き込むように歌っている。
子守唄だ。
詠唱は子守唄だ。
俺は子守唄を詠唱っていた?
女の顔は逆光なのかはっきり見えない。
『愛しい子。あなた達が希望なのよ』




