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HappyHunting♡  作者: 六郎
第10章 土竜 (マルコ、ジーナ、ルーラ、アヤ、セラナ)
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「マヌイ!水の壁だ!」

「えっ!?」

「出来ないか!?」

「え、い、いや!出来るけど!」

「やれ!」

「う、うん!~~~・・・」

「マヌイの元に集合だ!」

「「「りょ、了解!」」」


俺はマヌイの下に走った。


エウベルトが含み笑いをする。


(一か所に固まるとは・・・都合が良い)

(マルコだ)

(やはりあいつを先に殺らねば)

(奴の指示で連携を取っている)

(リーダーを殺し、それから女だ)

(むっ!)

「《水壁アクアカーテン》!」


マヌイの前に5人を隠す水の壁が現れた。


(あれは・・・水か?)

(《クリエートウォーター》か)

(全員水壁の裏に・・・なるほど。視覚ではないと気付いたか)

(しかしその裏には居るんだろ)


「ちょっと!あいつ見えてないの!?」

「確かに目は無いけどねぇ」

「大丈夫でしょうか」

「超音波で探知している」

「「「ちょうおんぱ?」」」

「詳しい話は後だ。奴は視覚じゃなく音で探知している」

「超音波か」

「作戦を伝えるぞ」

「「「「了解」」」」


『《エアロエッジ》!』


ザシャアァッ


水の壁を横薙ぎの真空波が斬り裂いて壁は霧散する。

同時に水の壁の上を水の塊が飛び出す。


『むっ!《エアロエッジ》!』


ブシャァ


水の塊が真空波を受けて飛び散った。


(何だったんだ、むっ!)


同時にカズヒコが飛び出して来た。


(堪らず出て来たか!)

『《エアロエッジ》!』

(躱すか!まるで来るのが分かってたかのような動き!やはりお前からだ!)


カズヒコがマチェーテで斬りかかる。

やはり流される山刀。

体勢も流れ、


『《ショックバースト》!』

「ぐおっ」


バキッ


痛めた肘が折れる音が聞こえる。

吹っ飛ばされるカズヒコ。


(フン!芸の無い!むっ!?もう1人は何処だ?)

(4人しか探知出来ん!)

(いや、しかし今はマルコだ!奴さえ殺れば後はどうとでもなる!)

『マァルゥコォ!』


エウベルトは飛び上がって吹っ飛んで横たわったカズヒコに狙いを定める。


『止めだぁ!』


エウベルトが右腕を振りかぶりながらカズヒコ目掛けて突進する。


(あぁぁ、痛ぇ・・・)


彼我の距離に伸びた爪がカズヒコの心臓目掛け振り降ろされる。


(やはり心臓か。頭は針を弾いたように避けやすい)

(心臓は仮に避けようと思っても体が大きい分被害に遭い易い)

(心臓を狙うと思ったよ!)

(来いやぁ!)


胸に突き刺さる直前、

右手のマチェーテで《受け流し》て軌道を僅かに逸らす。

同時に《カウンター》発動、

更に軌道をずらした。

結果、


「ぐふっ!」

「カズ兄ぃ!」

「カズヒコ!」


心臓は逸れたが左肩口に突き刺さる爪。

そのまま手首を斬りつけるが力が入らず斬り落とす事は出来ない。


『このまま』

「《風刃》!」


ドスッ


『キョアアアァァァー!』


カズヒコが斬りつけた腕の傷にミキの《風刃》が追い打ちをかけ切断した。


ザバッ


更にサーヤが這っていた地面から飛び掛かった。


(ばっ、馬鹿な!?そこは水溜りだったはず!?)


水の壁が消える前。

サーヤは地面に横たわり、マヌイはサーヤに《クリエートウォーター》の水で覆った。

超音波を反射しないよう、ステルス面のようにして。

エウベルトが地上に居る時は勿論探知出来ず、

飛び上がった時も先程消し飛ばした水の塊の残骸、

水溜りだと思ってしまった。

超音波は異なる物質間を跨ぐと音響インピーダンスの所為で反射しずらくなる。

この場合は空気から水。

故に水の中に居たサーヤを探知出来なかった。

加えるならば、先の水の塊は飛び散った後、マヌイが消してあり、

他に水溜りが無いのも勘違いさせる上で功を奏した。


混乱と腕の切断により魔力が上手く練れず集中出来ない一瞬の隙。

そこにサーヤがショックレスハンマーで飛び込んだ。


「やああぁぁ!」

『くぅ!』


グリュウゥ


《身体強化》したサーヤの一撃を斬り落とされた右手の肩で受けたエウベルト。

片手ハンマーではあったが十分な破壊力を現し、

ハンマーの軌道に沿ってエウベルトの身体を抉った。


『グルゥゥゥ・・・』

「また・・・勝負はついたみてぇだな」

『マァ・・・ルゥ、コォ』

「《雷撃》!」


バリバリバリッ


エウベルトは空を仰ぎながら倒れていった。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] マチェーテと山刀という言葉が出てきて、今まで使い分けて別の武器を示していると思ってたんですが同じ武器ですか?
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