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HappyHunting♡  作者: 六郎
第10章 土竜 (マルコ、ジーナ、ルーラ、アヤ、セラナ)
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ブオオォォ


「ウソだろぉ・・・」

「飛ん・・・で」

「あれも風魔法!?」


エウベルトは空中高く浮かび上がった。

そして、


ギュウゥゥゥン


俺目掛け突進して来た。


「うおおおぉぉぉ!」


ズガアアァァァン


地面に衝突するエウベルト。

土煙が周囲に舞う。

辛うじて避けられたが、


「カズヒコ!」

「よせ!来るな!」


ケセラが走って来る。


『《ショックバースト》』


ブウゥゥ・・・ン・・・ボウッ


「ぐおっ」

「ぐあっ」


エウベルトを中心にして数mの衝撃波が発生した。

吹っ飛ぶ2人。


「な、何だ!?何が!?お、音が、音が消えた!?」

「ケセラ!?」

「どーしたの!ケセラ姉ぇ!」

「鼓膜が破れたんだ!」

「どっ、どうしたら!?」

「骨伝導で話せぇ!」

「どうやって!?」

「頬っぺた合わせて喋ってやれ!サーヤはポーションを!」

「分かったわ!」

「はい!」

『マァルゥコォ!』

「エウベルトォ!」


エウベルトが振りかぶって殴りに来る。


ブウゥゥゥン


空振った。


(今!)


マチェーテで斬りかかる。が、


スウゥゥゥ


風で流される。

更に体も流されてしまい、


「しまった!」


ゴキィ

パキッ


エウベルトのパンチを肘のプロテクターでガードしたが割れてしまう。

衝撃を吸収しきれず肘にもダメージを受ける。


「ぐあぁぁ!」

「《風刃》!」


ザクッ


『グウゥ!』


エウベルトの背中にマヌイの魔法が命中した。


ヒュン

ブオオォォォ


ミキの矢を飛んで避けるエウベルト。


(何だ!?)

「聞こえる!聞こえたぞ!」

「ケセラは治ったわ!」

(何で奴は《風刃》を避けられなかった?)

「浮いてるよぉ!」

「また来るわ!」

(矢は避けられたが《風刃》は避けられなかった)

『小賢しい!「《風刃》が来るぞ!」《エアロエッジ》!』

「「「「きゃあ!」」」」


辛うじて彼女達は避けられた。


(風の壁を発生させて矢は受け流した)

(背後からの《風刃》は受け流せなかった?)

(・・・見えなかった。いや)

(そもそも目が無い)

「また来るぞ!ケセラ!」

「分かっ」ギュウウウゥゥゥン


ズガアアァァァン


「無事だ!」


間一髪避けられたケセラ。

俺は地面に衝突したエウベルトに拾った石を投げた。


ヒュウゥン


やはり風に受け流され当たらない。


(視覚ではない)

(《魔力感知》か)

(しかし《風刃》は魔力だ。感知出来るはず)

(五感じゃないのか?)

(いや、五感だとして)

(視覚・・・聴覚、聴覚か!)

(音、音を探知している。しかも!)

『《ショックバースト》』


ブウゥゥ・・・ン・・・ボウッ


「ぐおぉ!」

「「「「きゃあ!」」」」


奴を中心に球状に衝撃波が発生し、離れた位置にもその余波が来る。


(音!音とは空気の振動)

(風魔法を操る奴ならその振動を探知しているのか!?)

(しかも探知、つまりアクティブに感知している。それはつまり・・・)


俺はエウベルトに向かって走った。


『マァルゥコォ!』

「エウベルトォ!」


奴の気を彼女らから俺に向ける。


「《風刃》を同時だ!」

「「りょ、了解!」」


ブウゥゥゥン


エウベルトのパンチを躱す。

俺も山刀を斬りつけるフリをする。

流されるが分かっていた事、

体勢が崩される事も無い。


「「《風刃》!」」


サクザクッ


『キョアー!』


2発の《風刃》が命中しドス黒い血が迸る。


「ふん!」


ザクゥ


「キョアーアッ!」


山刀で腕を斬りつけた。


「離れろ!」

『《ショックバースト》!』


・・・ウゥゥ・・・ン・・・ボウッ


エウベルトは土煙の中を飛び去り俺等とは離れた位置に着地した。


『マァルゥコォ・・・』


(超音波だ)

(自身で超音波を発してその反射波で周囲を探知している)

反響定位エコーロケーションだ)

(《風刃》は真空刃。真空は空気が無い)

(だから反射もされないから探知出来ない)


「マヌイ!水の壁だ!」


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