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HappyHunting♡  作者: 六郎
第10章 土竜 (マルコ、ジーナ、ルーラ、アヤ、セラナ)
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「よぉよぉよぉ!」


大柄の男の後ろにパーティメンバーと思しき3人の男達も居る。

ニヤニヤ笑って気持ち悪い連中だ。


「何か?」

「おめぇにゃぁ用はねぇんだよ。そっちの女達だ」

「君達。この男に用が有るかい?」


ブンブンブン


「無いってさ」

「そっちに無くてもこっちに有るんだよ」

「何だ?」

「おめぇにゃぁ関係ねぇんだよ」

「僕がリーダーだから大有りだな」

「あぁん!」

「無いなら行くぞ」

「待てよ!おめぇにゃぁ用はねぇっつってんだろっ!」

「彼女達もお前には用は無いって言ってるだろ」

「何だとぉ!」

「もう1回言わないと分からないのか?じゃぁもう1回だけだぞ」

「何だとぉ!」

「・・・1回しか言わないからな。オホン!お前は用無し」

「死ねっ!」


流石北部に近い冒険者、手が早い。

早いと言っても殴る速度が速いんじゃない。

最終手段までに至る段階を踏むのが早いだけ、いや。

段階も無いのだろう、段階をすっ飛ばして拳も飛ばしてきた。

拳を避けつつ手を添えて受付カウンターの角に誘導する。

誘導する時に《カウンター》を乗せて速度を増してやった。


グキャッ


「グギャアァァ!?」


膝を前蹴りで割る、


パキッ


「あっぐ!?」


バランスを崩して倒れそうになる後ろ頭を掴んでカウンターの角に叩きつけ、鼻根を痛打してそのまま気絶した。


痛めた拳の反対の手の手首を掴んで捻る。


グキッ


割った膝の反対の足の足首を踏んづける。


ゴキッ


「あっ!?あぁ!」

「てっ、てめぇ!」

「おい、おまえら」

「「「!?」」」

「こいつ何の用か言わずに寝ちゃったんだけど、何の用だったか教えてくれない

か?」

「何だとぉ!」

「あ、君達。こいつから授業料を受け取っておいて」

「「「りょうか~い」」」

「授業料?」


ケセラが少し困った顔だ。


「服は臭いから要らないわよね」

「勿論だ」

「お金も持ってないしねぇ」

「装備も安物ですわ」

「・・・授業料、ね」

「早く答えてくれ。僕達も忙しいんだ」

「てめぇ!」

「ブッ殺してやる!」

「受付嬢さん」

「!?は、はい!?」

「殺すと脅迫されて反撃するのは冒険者として正当ですよね?」

「え、えぇえぇ。特にギルド施設内の暴力沙汰は攻撃者を犯罪者と仮定し」

「ぐええぇぇ・・・」

「「えっ!?」」

「はっ、速、ぐふっ!」


話の途中だったがあそこまで聞けばこいつ等も分かっただろう。

聞いてる隙に飛び込んで首に組み付きそのまま膝を腹に突き刺した。

掴んだ頭をそのまま隣の男の頭にぶつけた。

2人は気絶。

残りは1人。


「君達。この2人からも授業料を」

「「「は~い」」」

「流石、速いな」

「お前。お前は答えてくれるよな?」

「えっ!あ、あの!?」

「何を言おうとしてたんだ?え?」

「あ、いや、その!」

「お前は彼女達の手を煩わせるなよ?」

「は、はい!」


自分で装備を脱いで荷物を降ろしていく。


「お前にも分からなかったのか?」

「は、はい!その通りです!」

「ふーむ。じゃぁしょうがないな」

「そうね」

「そうだね」

「全く」

「・・・」

「起きたらちゃんと聞いておけよ?」

「は、はい!」

「次に会ったら聞くからな」

「えっ!?」

「次に会ったら何を言おうとしたか聞くから。準備をしておけよ」

「じゅ、準備!?」

「彼女達をディナーに誘おうとしたのなら相応の服装や金が必要だろう?」

「は、はい!」

「彼女達が受けるかは分からんが、先ずは準備してから来い。いいな?」

「は、はい!」


俺は首を傾げながら男の肩の埃を払いつつ続ける。


「今回、殺すっていう脅迫は聞かなかったことにしてやる。本来ならぁ衛兵に突き出す所だぞ」

「あ、ありがとうございます!」

「少し話をしようか。そこの席に着き給え」

「え、あ、あの・・・」

「ほら、君達も。飲み物でも頼んで」

「「「「は~い」」」」

「お前も、何飲む?奢ってやろう、酒にするか」


といいつつ男達からの授業料で飲み物を頼む。

大体の冒険者ギルド本館内の一角は情報交換の場の為に飲食物を提供している。

下着姿の男の肩に手を回し席に誘導して着席させる。


「で、街に何が起こってる?」

「ままま街、ですか?」

「そう。何かこう~。活気が無いというかさ」

「あ、あぁ。ががが街主が搾取して街に金が無いらしいです」

「ほう?」

「ままま街に金が無いから商人も来ねぇし、冒険者も出て行って・・・」

「ふむ。お前らは何で残ってる?」

「おおお俺らは他の街ではきょ、競争出来ねぇから・・・」

「なるほど。冒険者は実力主義だからな」

「ははは、はい」

「まぁ、飲み給え」

「あああ、ありがとうございます」ゴクゴク

「近辺の様子はどうだ?」

「近辺?」

「何か村を襲った話を聞いたりとか」

「いえ、村も搾取されてるって事くらいしか・・・」

「そうかそうか。世話になったな。酒でも飲んで楽しくやってくれ」

「は、はははい!」

「よーし。君達、行くか」

「「「「は~い」」」」




本館を出た。


「大臣の専横って話を聞いた事が有ったが、ケセラ」

「う、うん?」

「どうした?」

「いや、冒険者って大変だなと」

「あぁ、さっきのか?社交辞令みたいなもんだ、気にするな」

「しゃこ・・・」

「国境騎士団にも大臣専横の噂は?」

「あぁ、有った。騎士団にも大臣派がいて影響が有った」

「ヤバいんじゃない?この国」

「村も搾取されてるって言ってたな」

「そうだね・・・」

「依頼が少ないのはその辺りか」

「ん?」

「金が無いから依頼を出せない」

「なるほど」

「では悪魔の被害が有ったとしても・・・?」

「商人や冒険者も居ないようだし、情報が入っていないのかもしれん」

「どうする?」

「先ずは街を歩いて様子を知りたいな」

「どうせ今日は泊まるんだしね」

「そうね」


その後、みんなで街を見て回った。


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