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HappyHunting♡  作者: 六郎
第10章 土竜 (マルコ、ジーナ、ルーラ、アヤ、セラナ)
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冒険者ギルド本館に併設された納品館。


「次!」

「お願いします」


依頼票を渡す。


「あぁ・・・マジか」

「奥に、あとギルド長を呼んでください」

「・・・分かった。おい!代わってくれ!」


僕達は奥の部屋に案内された。

慣れた魔力反応2つがやって来る。


「マルコ君!バイヨ君!」

「どーも、スティーゲンさん、受付嬢さんも」

「無事だったのね!」


2人が解体人と一緒に部屋に入って来た。


「じゃぁこの台のが!?」

「はい。確かめてください」

「うむ」


スティーゲンさんは布を捲った。


「うお!」

「きゃ!」

「おう!」

「大きいな!」

「真っ黒ですね!」

「名前通りだな」

「ふーむ。見た感じ記録の通りだな」

「はい、そうですね」

「では君、査定を頼むよ」

「分かりました」

「マルコ君、バイヨ君。君達は本館で話を聞かせてくれ」

「「分かりました」」


本館応接室へ移動した。


「さて。では聞かせてもらおうか」

「はい。では結論から申しますと」

「結論?」

「ご覧いただいたブラックドッグは人間が変身したものでした」

「「な、なんだってー!?」」

「あれが元は人間だったと言うのかね!?」

「はい」

「バイヨ君!?」

「私達も一緒に戦って変身を見ています」

「ちょっと待ってくれ・・・では何か?ブラックドッグは悪魔の血を飲んだ人間だったと?」

「その可能性も有ります。自然発生でなければ」

「うーむ」

「何て事・・・」

「それでその元の人間と言うのは?」

「旅の者でした。小児性愛者の変態野郎でした」

「そうか。それで子供を・・・許せんな」

『・・・』

「今頃は故郷でバカンスを満喫してるでしょう」

「故郷?」

「悪魔の眷属でしょう?地獄ですよ」

「・・・ふむ。依頼票を先に提出してもらえるかな」

「「はい」」

「討伐は仮認定しよう。マスターが直に見た訳だしね。査定に関しては少し時間が欲しい」

「構いませんよ」

「私もだ」

「便宜と言うのが方便ではなかったと言うのを見せたい」

「便宜?」

「君達は前回の新種キノコといい今回もブラックドッグの正体の一端を詳らかにした。その功績に報いるという意味だ」

「期待しますよ?」

「はっはっは。構わないよ。過剰でなければね」

「また宿で大人しくしてないとなぁ」

「はっはっは。指折り数えて待っててくれ」

「ではよろしくお願いしますね」

「うむ!御苦労だった」




バイヨ達と分かれ納品館の施設駐車場に向かう。


「待ったか」

「ブルルル」

「ナー」


黒猫が馬の背中で寝ていた。


「荷台で寝りゃぁいいのに」

「ノーア」

「一緒が良いんだって」

「寂しがり屋だな」


ペシッ


「あたっ!?」

「さっ、宿に行くわよ」

「ちょ、今こいつ俺のホッペをパシッって」

「今回は移動時間が短かったから疲労もそんなにだね」

「そうね」

「ねぇ、こいつ俺のホッペ」

「ケセラの《馬術》も有ったしね」

「そうだな」

「聞いて!?こいつリーダーのホッペをね」

「もうすっかり春ね」

「そうだねー」

「そうですね」

「そうだな」

「ナー」

「ヒヒーン」

「聞いてくれ!」




宿に荷車を置いて馬は馬車屋に返した。

高級野菜も勿論持ち込んで。

馬達が旨そうに食べてるのが気になったのか黒猫が野菜を観察していた。

宿に戻ってまた明日から生産スキルの修行したいと宿員に言伝を頼んで夕食まで少し寝た。

夕食時間に起きて宿員に猫を飼いたいと言うと大丈夫らしい。

冒険者や旅の者にも偶に居るのだとか。

しつけや粗相の始末をしっかりしてくれれば良いとの事。

1階の食堂で黒猫と一緒に夕食を摂る。


「良かったわね。一緒で」

「ナー」

「それじゃぁ明日から修行行っても良いんだね?」

「あぁ。連絡が有った。みんな好評らしいぞ。真面目で丁寧で。冒険者辞めて欲しいとさ」

「それはまだ無理かなぁ」

「まだ世界を周ってないしね」

「海亀も見たいです」

「私もだ」

「ナー」

「カズヒコはどうするの?」

「僕は馬車の改良かな」

「まだ?」

「専用を目指して今の馬車で出来る所まではね」

「確かに早くて乗り心地も良かったよ」

「サーヤは?」

「サーヤ君には羊毛を毛糸にしてもらおうと思ってる」

「毛糸に?」

「ベオグランデは山地国家だろ。毛皮は有るだろうから羊毛をね」

「いよいよ行商らしくなってきたわね」

「そうだねー」

「いっぱい作ります」

「午後は休息しよう」

「そうしよっか」

「森で魔石収集でも良いけど」

「確かに今回は短期で済んだが、精神的な疲れも有るだろう」

「私達には解決出来ない問題でしたし」

「うん。そうだな」

「凱旋門見ながら昼食を摂ろう。こいつにも見せてやりたいしな」

「そうね」

「ナァー」




翌日。

午前中はサーヤ君の良い笑顔を見てスキル訓練を手伝い、昼に中央広場近くの店で黒猫と昼食を摂っていた。


「「「「《皮革》習得した!?」」」」

「うん!」

「やったな!」

「うん!」

「サーヤに続いてマヌイも。冒険者しつつ行商しつつ職人しつつ吟遊詩人かぁ。良いわね」

「マルチだな」

「バックパックを仕上げましょ!」

「そうだね!」

「私も頑張らねば」

「自分のペースで良いんだ、ケセラ」

「うん。張り合いといった感じだ」

「サーヤ君とマヌイの2人には戦闘用のバックパックも作ってもらうか」

「戦闘用?」

「うん。移動用のは今までの大容量ので良いとして、戦う時の道具を入れる為の小さいのをね」

「確かに戦闘中は大きいバックパックは収納袋に入れれば良いし」

「一々戦闘中にサーヤ姉ぇの所まで行くのは危険だし、その暇も無い場合も有るだろうしね」

「まぁ、先ずは今作ってるバックパックを仕上げたらにしようか」

「うん!」




昼からは各々好きな事をしていた。

俺も鍛冶をしていると部屋でマヌイと一緒にバックパックを作っているはずのサーヤ君がやってきた。


「ギルドから?」

「はい」


冒険者ギルドから言伝らしい。

恐らく査定が終わったのだろう。

訪問の準備の為に部屋に戻る。


「あっ、カズ兄ぃ。バックパック出来たよ!」

「早いな!」

「バレンダルに居る頃から作ってたからね。ようやくって感じではあるよ」

「コツコツ良くやったな、マヌイ」

「うん!」

「50㍑。菊池君のと同じ容量だな。それはマヌイが背負え」

「分かった!」

「次は戦闘用の小型薄型、よりフィットするのをケセラ用にだな」

「私か?」

「ケセラのバッグは移動用もそれ1つで良いだろう」

「私は移動用はもっと重いのでも良いぞ」

「いざという時に直ぐに盾になってもらいたいからな」

「ケセラが惹き付けてる間に私達は戦闘用に持ち替えるわ」

「そうか、うん。分かった」

「じゃぁ、ギルドに行くか。お前も来るか?」

「ンノー」

「じゃぁ、ここで待っててくれ」

「ナ~オ」


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