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HappyHunting♡  作者: 六郎
第9章 轍 (公都ムルキア:マルコ、ジーナ、ルーラ、アヤ)
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休憩を終え探索を再開する。

索敵力が高いというケセラの嬉し~い推薦が有って俺が先頭を進んでいる。

最後尾には菊池君に居てもらっている。


ティア「ちっきしょう。ギルドも悪魔の可能性知ってたのか」

バイヨ「まぁ、もう契約した事だ。今更悔やんでも仕方ない」

エマ 「セラナ達は知ってて受けたの?」

ケセラ「マルコは知ってたみたいだな」

エマ 「何で受けたの?」

ケセラ「さっきも言ってたが最初は断ってたんだがマスターの強引さも有ってな。    受けざるを得なくなった」

エマ 「ふーん」

ケセラ「後は、他のCランクのパーティに期待するって言ってたな」

   「「「・・・」」」

ティア「1パーティはあんなだし、私達は3人だし・・・」

ケセラ「申し訳ないが悪魔の件はギルドには黙っていてくれ」

バイヨ「うん?」

ケセラ「契約内容を他言しないという契約なのだ。正直悪魔の件は引っ掛かるかも    しれん」

バイヨ「分かった、そうしよう」

ティア「分かったわ。何も知らないよりはマシだもんね」

エマ 「そうね。心積もりが有れば・・・って駄目。ドキドキする」

ケセラ「マルコの止まれのサインだ!」


みんな止まって辺りに隠れる。

俺は戻って皆に説明する。


   「前方に魔物だ」

   『!?』

ケセラ「・・・悪魔か」

   「いや、違う」

   『ふぅ~』

バイヨ「分かるのか?」

   「あぁ。安心して良い」

バイヨ「わ、分かったが。じゃぁ何の魔物だ」

   「分からん。初めて遭遇する魔物だな」

ミキ 「初めてか・・・」

マヌイ「緊張するね」

サーヤ「平常心よ」

ケセラ「私が守る!」

   「ちなみに5匹居る」

   「「「!?」」」

バイヨ「数まで分かるのか!?」

ティア「どうして!?」

エマ 「私も索敵には自信が有るけど数まで分かんないよ!?」

   「今はそんな事どうでも良いだろ」

バイヨ「む・・・そうだな」

ティア「そうね」

エマ 「分かった」

バイヨ「どうする?」

   「折角の手掛かりかもしれん。手ぶらでは帰れんし、るぞ」

   『・・・』

マヌイ「ふーふー」

サーヤ「平常心よ、アヤ」

マヌイ「うん。平常心、平常心」

ケセラ「私が盾になるから安心して撃ってくれ、アヤ」

   「布陣は前話し合った通りだ。セラナ、バイヨが盾」

   「「了解」」

   「ジーナ、アヤ、ルーラ、エマが2人の援護」

   「「「「了解」」」」

   「俺とティアが遊撃だ」

ティア「分かったわ」

   「近づいて射手の一斉射撃で開始だ」

   『了解』


魔物に近づいていく。

遠目からだが姿を確認出来るまで近づいた。


   「あれ・・・虫だな」

ミキ 「虫ね」

マヌイ「おっきいねぇ」

サーヤ「大きいですわ」

   「全長2mはあるな」

バイヨ「なんだ虫か」

   「初めてじゃないのか?」

バイヨ「あぁ。山でよく見る」

ティア「そうね」

エマ 「うん」

   「・・・そうか。こっちの虫はデカいんだな」

ケセラ「いや。南にも居るぞ」

   「え?」

ケセラ「魔幼虫の育った姿があれだ」

   「「!?」」

   「あんなに!?」

ミキ 「大きくなるの!?」

ケセラ「うむ。魔物だからな」

   「うは~」

バイヨ「どうする?」

   「まぁ殺るしかないでしょう。弱点は?」

ティア「頭を落とすのよ」

   「・・・んなもん全ての生物の弱点だわ!」

ティア「な、なによ!」

   「何が戦闘時のリーダーだ!頭落とせばゾンビも倒せるわ!」

ティア「か、確実でしょ!」

ミキ 「ちょっと、今そんな事してる場合じゃ無いでしょ」

   「ん~先ずは柔らかそうな虫から殺して数を確実に減らそう」

マヌイ「カマキリっぽいのから?」

   「そうだな。堅そうなのはセラナとバイヨに止めてもらう」

   「「分かった」」

   「射手は頭を狙え、無理そうなら目だ」

   「「「「了解」」」」

ティア「私は?」

   「ティアは遊撃だ。バイヨとエマの補助だ」

ティア「分かったわ」

   「良し。射手は息を合わせて一斉に撃ってくれ。その後盾役は前に出る」

   『了解』




シュシュシュシュッ


4本の矢が虫に向かって行った。

全ての矢が突き刺さった。

2匹の虫がそのまま地に伏すが、2匹は頭に矢が刺さったまま辺りを警戒しだした。


「行くぞ!バイヨ!」

「おう!」


ケセラとバイヨが前に出て注意を惹く。

3匹の虫が2人に突撃を始めた。

甲虫の1匹の突撃をケセラが盾で受け止める。


「ぬん!」


ガアン


同じく甲虫の突進を大剣を頭に振り下ろして止めるバイヨ。


「おらっ!」


ゴォン


別の角度からバイヨに甲虫が突進してきた。


バイヨ「ティア!」

ティア「分かってる!~~・・・」

ティア「《バインド》!」


甲虫の影から黒い何かが伸びて来て甲虫を捕まえる。

甲虫は突然視覚外からの縛りにパニックに陥ったようで、

しきりに体をバタつかせている。

そこに頭と胸の間の節を狙ってマチェーテが突き刺さる。


「そういう感じか」


バイヨがティアに声を掛けてティアが詠唱を開始してから俺は走り出していた。

以前ケセラに闇魔法を聞いた時に移動阻害系だと教わっていたからだ。

マチェーテをてこの原理でグイグイ傷を押し広げていると頭部が斬れ落ちた。


「頭落とすのも大変だっての」


顔を上げてケセラの方へ向く。

ケセラが受け止めた甲虫は頭に矢が数本突き刺さって瀕死の状態だ。

大丈夫だろう。

バイヨが大剣を振り下ろして止めた甲虫はそれほど弱った様子は無い。

大剣が当たった頭部も外骨格の鎧に守られているからだろう。

ただ攻撃方法は突撃だけなのだろうか、

噛みつこうとしているだけでそれほど脅威とは思えない。

バイヨに対している甲虫へ横から近づき足節を斬りつける。

体液を流しながらも斬り落とされた足は動いていた。

残った片側の2本の足も斬り落としていく。


ドォンッ


片側の足全部が無くなった甲虫はその側の巨体を地面に落とし、擦り付けながら

尚もバイヨに噛みつかんとしている。

その口にバイヨの大剣が刺し込まれた。

しばらくバタバタと藻掻いていた甲虫だったがやがて動きを止めていった。


もう1匹は頭部の柔らかい部分に矢が幾本も突き刺さって死んでいた。


   「終わったか・・・」

ミキ 「ふぅ・・・」

マヌイ「堅かったぁー」

サーヤ「堅かったわね・・・」

バイヨ「はぁはぁ・・・」

ティア「・・・」

エマ 「バイヨ!無事?」

バイヨ「あぁ。大丈夫だ」

   「ケセラ。大丈夫か?」

ケセラ「あぁ。問題無い。防御に徹していたのでな」

   「しかし良く防げたな」

ケセラ「虫は見た目ほど重くは無いのだ。外殻だけで中身はそうでもない」

   「そうだったのか」

ティア「マルコ!」

   「ティアか。何だ?」

ティア「私が闇魔導士って知ってたの?」

   「いや」

ティア「でも私が闇魔法を放つ前に走ってたわよね」

   「あぁ」

ティア「何で?」

   「バイヨが君に頼んでたから何かするんだろうなって思って」

ティア「それだけで虫に走って向かったの?」

   「あぁ。それが3人でやってこれた理由なんだろ?」

ティア「う・・・」

バイヨ「どうしたんだティアは。今はそんな事どうでも良いだろう」

ティア「バイヨ。でも」

エマ 「そうよティア。私達は依頼をしないと」

ティア「・・・分かったわ」


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