①-02
①-02
〈おぉステータス出たっ!〉
〈なんだこれー!〉
〈マジかよ〉
周りの人もとりあえずやって驚いてるみたいだ。
しかし一部まだ多面体に叫んでる人達もいる。
『いきなり異なる世界に転生するに当たって多少のアドヴァンテージを与えます』
『通常、魔法習得は難しいのですが1種類だけ選ぶことが出来ます』
『8種類の魔法の中から選んでください』
『スキルの残り枠の9種類は魔法以外の一般スキルから選んでください』
〈チートきたー!!〉
うるせーっつーの。
【名前】:加藤一彦41歳
【ランク】:D
【STR】:D
【VIT】:C
【DEX】:B
【INT】:B
【AGI】:B
【スキル】:一般スキル
:魔法スキル
うーむ、筋力が無いのは分かっていたがDか。
VITがCなだけまだマシだな。
ゲームだとローグ系かな。
「先輩どんな感じです?」
ん?
「あれ、俺のステータス画面見れないの?」
「はい」
「そういや菊池君のも見えてないな・・・周りの人達のもか」
「どうやら自分のしか見れないみたいですね」
「まー、その方が良いのかもね。差別や区別されるのはちょっと」
「今までも学力値や職業能力とかで区別はされてたじゃないですか」
「異世界でスキルっていうのがね。なんか嫌な予感がするのよ」
「あー、確かに。その職業しか就けなかったり?」
「自由に生きたいけど逆にそのスキルでしか生きていけないみたいな」
「転職もままなりませんね」
「スキル選びは重要だな。特化にするかバランスにするか」
『魔法を含めたスキルの中には通常スキルと固有スキルがあります』
『固有スキルとはその人の才能や前世での努力で得たものです』
『固有スキルは通常スキルとは色違いで表示しています』
『またスキルは各人適性があり、適性がないものを選ぶとスキルレベルを上げるのが著しく遅かったり覚える魔法数にも制限があります』
『魔法適性は各々判断してください。魔法を選べること自体がアドヴァンテージになるのですから』
「魔法適性って、どーします?」
「どーするったーて、どーしよーもねーじゃん。自分を信じるしか」
「えー、それはそーなんですけどー」
「一般スキルなら大体分かるが魔法なんて使ったことねーから分かんねーよ」
「ですよねー」
「多分だけど、『この魔法が好きっ、これがやりたい』ってやつじゃなく、『これが合ってるんだろうな』ってやつじゃねーの?固有スキルもそんな感じだし」
「努力で得たスキルもあるんじゃないですか?」
「努力で足が速くなるかねー?泳げるようにはなると思うが速くはならんだろう。努力すれば夢は必ず叶う!!って年でもないしな」
「あー、スキル(能力)になる前の段階って感じですか」
「通常スキルに『調理』とかあるけど、『調理』がなければ料理出来ないのかって訳じゃないだろうし」
「じゃー、これだって感じで選んでもよさそうですね」
「とりあえず8種類しかないから消極法でもいいんじゃね?」
「合わなさそうなのを消して選択肢を減らすんですね」
「そうそう」
「先輩何選ぶんですか?」
「誰にも言うなよ?」
「あれ、もう転生先の事考えてるんですか?」
「用心に越したことはないからな」
「やっぱり対人戦・・・あるんでしょうか」
「魔法や魔物だろう?戦争とかあるんだろうし、俺たちの世代では無かったからなー」
「このステータスも知られないようにしないと、ですね」
「そうなんだよ。隠蔽ってスキルある?」
「ありますね」
「固有スキル?」
「いえ通常スキルです」
「俺固有なんだわ」
「えー!!」
「声でけー、ってまだ多面体に絡んでる奴らいるんだな」
「相手が言うことを聞くまで我を通す。クレーマー体質ですね」
「相手してくれそうにないって分からないもんかね」
「彼らの事考えるのは時間の無駄ですよ」
「だな」
「で、固有スキルですよ」
「魔法の話じゃなく?」
「それはまた後で。ってことは先輩は隠蔽スキルに適性があるってことじゃないですか?」
「そーゆーことだと思う」
「どーゆー人生送ったか慮られますね」
「くっ、隠蔽持ってるのを隠蔽したい!やっぱり隠蔽は必要だな」
「ステータスを隠蔽出来るかは分かりませんけど」
「だな」
「そもそも他人のステータス見れるんですかね」
「こうやってステータス画面が出てるからなぁ」
「この場だけで転生先では見られないかもしれませんよ」
「それはあるな。質疑応答の時に聞いてみるか」
「じゃー、ステータス値と前世の事を鑑みてスキル構成をしたほうがいいってことですかね?」
「多分な」
「えー、結局前世と同じような人生ですかー。折角異世界に転生するのに」
「気持ちは分かるがそんなんじゃ死ぬんじゃね?魔物いるし」