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HappyHunting♡  作者: 六郎
第9章 轍 (公都ムルキア:マルコ、ジーナ、ルーラ、アヤ)
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⑨-09-198

⑨-09-198




その後、公衆浴場に行って部屋に帰って来た。

ケセラは1人部屋に居る。


「久しぶりのベッドね」

「そうだねー」

「でもマットレスはタリルコルさんから仕入れた物の方が上等ですわ」

「ケセラ用にも王都で仕入れるか」

「そうね」

「王都に着いたらどうするの?」

「先ずは情報収集かな」

「?」

「公都でも危険そうならベオグランデに行く。大丈夫そうなら留まろう」

「そうね。大丈夫そうならある程度留まってからソルスキアに行くのね」

「あぁ」

「ある程度って?」

「うーん。20人全員の行方不明者だからなぁ。結構期間を見た方が良いかなぁ」

「もし馬が全匹無事だったら怪しまれないかな?」

「野営中に襲われたと思うだろうから大丈夫だろう」

「そっか」

「騎士が襲うなんて許せませんわ!」

「まぁねー」

「大臣の専横の影響かなぁ」

「かもなー」


「それで」

「ん?」

「ティラミルティの諜報員の件でこの国に来たんでしょう?」

「あぁ、まぁね」

「危険じゃないの?今更だけど」

「なるべく・・・っていうのは都合が良いかな」

「私達にはどうしようもないでしょう」

「ヤヌイの仇をね」

「カズ兄ぃ」

「ティラミルティが大元だけど流石に国に行く訳にはいかない」

「だからベルバキアで?」

「情報収集して南部を有利に出来ればなと」

「安定した安全な生活はどうするの」

「豊かな老後に向けて若いうちに働いておかないとね」

「安全の貯蓄ってこと?」

「投資って所か。平和を望んでいるがタダって訳にはいかないだろう」

「私達は兵士じゃないわ。それは政府がやるんじゃない?」

「勿論戦争なんかになったりしたら逃げだすよ。僕達の出番じゃない。でも僕達が手に入れた情報で南部が有利になるんなら・・・望むだけでは平和は手に入らないよ」

「ふぅ。マヌイは?」

「え」

「危険かもしれないわよ」

「・・・うん。でもカズ兄ぃがそう言ってくれて嬉しかった。嬉しかったって事はやってもいいのかなって・・・」

「そう・・・サーヤは?」

「私はお2人がされるのであれば」

「君の意見を聞いている」

「あ、は、はい・・・私は・・・私はこのパーティを家族の様に感じています。その家族の恨みを晴らすなら・・・手伝いますわ」

「危険だったとしても」

「はい」

「家族ね」

「はい」

「じゃぁ、探るとして。危険はあるでしょうね」

「大盗賊団の件もある。全く無いって事はないだろうね」

「気を付けないと」

「単独行動は控えよう」

「そうね」

「うん」

「はい」

「どうやって探るの?」

「全く分からん」

「ちょっと・・・」

「取り敢えず、着いてからだな」

「まぁ、そうよね」

「分かんなかったら分かんないで仕方ないんじゃないか。本職じゃぁないんだし」

「まぁね」

「駄目だったとしても手土産はあるんだ、ファーダネさんも喜んでくれるだろう」

「手土産って、あっきれた」

「カズ兄ぃ」

「でもケセラさんにも良い話ですよ」

「・・・まぁね」


「次の街まで護衛依頼でも受けていく?」

「いや。なるべく他人と接触しない方が良いだろう」

「そうね。じゃぁ公都まで5人で行きましょう」

「そうだね」

「マヌイ」

「うん」

「街道行く時は菊池君が使ってた弓を使ってみたら?」

「私は今長弓使ってるもんね」

「《弓術》も習得したんだ。連射式クロスボウは近距離戦用だからな。練習してみたらどうだろう」

「分かった!」

「サーヤ君はマヌイのバックアップをしてくれ」

「分かりました」

「公都に着いたらサーヤ君も弓を使ってみても良いかもしれないな」

「使いまわす?」

「いやぁ。個人の調整もあるだろうしなぁ」

「じゃぁマヌイの弓も新しく買った方が良いんじゃない?」

「その通りだな。明日買って行こう」

「うん!」

「私達って遠距離特化ね」

「戦いってそういうもんだろう?」

「遠距離戦がって事?」

「あぁ。遠距離で戦って接近しだして剣で戦うんじゃないのかな」

「戦いの初めからは接近戦を考えてないって事?」

「まぁ、僕等の相手は冒険者や悪魔とか遭遇戦が多かったから近距離戦だったが、戦争とかはいきなり剣持って突撃したらいい的だろう」

「だからプレートアーマーとかが有るんじゃない?」

「プレートアーマーか・・・」

「ハンマーの試し撃ちしますか?」

「そうだね、ケセラには収納袋も見せたし、良いだろう」

「はい」

「しかしプレートアーマーか・・・」

「どしたー」

「ハンマーだけじゃなく、弓やクロスボウでもプレートアーマーを撃ってみるか」

「流石に貫通は無理じゃない!?」

「だよなぁ」

「あの騎士達は脱いでたから勝てたんだもんねぇ」

「そうだ、しかしプレートアーマーか・・・」

「何よ!」

「弓がメインの僕等には天敵だなと思って」

「先輩の《雷撃》やマヌイの《火炎流》があるじゃない」

「他人が居る前では見せたくないんだよな。それに《雷撃》は金属に吸われて人体に流れにくいかもしれんし」

「魔法を考えてるって時はそんな事言ってられる場合じゃ無いんじゃない?」

「そうなんだよなー」

「なんとか遠距離で倒したいねー」

「マヌイ、サーヤ君」

「うん」

「はい」

「バリスタって知ってるかな?」

「確かクロスボウのおっきい奴だよね」

「そうね。城壁に置いてたりしますわ」

「城壁に?」

「戦争やスタンピードで防衛に使うとか」

「なるほどなぁ」

「え、まさか」

「ふっふっふ」

「対プレートアーマー用ってだけでバリスタを手に入れるの?」

「収納袋を活かすのだよ」

「まぁ、有って困る物でもないだろうし」

「有って良かったって思うかもしれないしな」




翌日。

マヌイの練習用の弓を買って次の街に向かう。

ケセラにも聞いてみる。


「バリスタ?」

「あぁ、知ってるかい?」

「勿論だ。攻城兵器であり防衛兵器でもある。ワイバーン等の竜種を落とすのにも使われる」

「「りゅ、りゅ、竜!?」」

「あぁ。竜は堅いからな」

「ワイバーンが街に来るの!?」

「稀にだが」

「「こわー!」」

「バリスタがどうかしたのか?」

「現物を見たことある?」

「あぁ」

「触ったことは?」

「あぁ」

「扱えるの?」

「いや。騎兵だからな。兵種が違う。訓練の一環で触った程度だ」

「なるほど」

「どうかしたのか?」

「買おうと思ってるのよ、この人」

「・・・・・・はっ!?」

「買う気なのよ、この人」

「攻城兵器を!?冒険者が!?」

「ケセラを助けた時、あいつらプレートメイルを着けてなかったでしょ」

「あ、あぁ」

「もし着けてても大丈夫な様にって」

「・・・い、いや、確かにバリスタならプレートメイルにも対処出来るかもしれないだろうが・・・」

「公都に行ったら見繕って貰おう、目利きは頼んだよ、ケセラ君」

「・・・い、いや、しかしだな」

「よーし!じゃぁこの辺で森に入るぞ!」

「も、森に?何をするんだ?」

「試し撃ち」

「試し撃ち?」




森に入ってプレートメイルを収納袋から取りだす。


「じゃぁマーラ君の普段用のハンマーで穴が開くかやってみるか」

「ハンマーで!?」

「思いっきりブッ叩いてくれ」

「はい!」

「いや、ハンマーでは無理だろう」

「あの騎士達と思ってブッ叩いてやれ」

「はい!」


ゴオォン


「「「「・・・」」」」

「開いた・・・だと」

「・・・ウソだろ」

「・・・ウソでしょ」

「マーラ姉ぇ凄いよ!」

「ありがとう、マヤ」

「穴って言うより割れたな」

「手の方は大丈夫?」

「えぇ、何とも無いわ」

「ハンマーの方はどうだい?」

「大丈夫のようです」

「・・・まぁハンマーの方が厚いしな。しかし」

「・・・ハンマーで・・・」

「ケセラがショック状態よ」

「そっとしておいてやれ。僕も少し同じ状態だ」

「でも、これで戦い方も変わるんじゃない」

「そうだな。フルプレートアーマーじゃなければ、足や露出した所を弓で狙ってトドメをマーラ君にって感じか」

「接近するのは危険じゃない?」

「ケセラに訓練してもらおう」

「そうね。《槌術》も騎士に鍛えて貰ったんだもんね」

「あぁ」


ガンガンガンガンガン


「マ、マヤァー!いくぞー!」


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