⑨-03-192
⑨-03-192
女性をマヌイに任せ3人で相談する。
「どうしよう」
「何が?」
「どうしました?」
「14人もいる。色々出来るな」
「はぁ~」
「そうですね!」
「まぁ、スキル上げだな」
「まぁ・・・ね」
「そうですね」
「ただ彼女が居るから魔法は無理か」
「離れてやれば?」
「そうか!流石菊池君、容赦ないな」
「はっ?嘘でしょ!ちょ」
「じゃぁ、順番に魔法で殺っていくとして」
「聞いてよ!」
「サーヤ君はハンマーだな」
「はい!」
「待って!待ってよ!」
「1人は色々聞きたい事有るから残そう」
「もういいわよ」
「隊長って声が聞こえましたわ」
「そういや言ってたな。そいつ残してスキル上げだ。1人3人、マヌイは4人」
「はーい」
「はいです!」
「マヤ。どうだ?」
「うん。傷は治ったよ」
「そうか」
「たっ、助けて頂き感謝する・・・」
女性はとりあえず服を羽織った感じだ。
「今は喋らなくて良い。マヤ」
「うん?」
「向こうの開けた場所でキャンプする。女性に付き添ってくれ」
「うん、分かった」
「よし、君達行くぞ」
「「了解」」
捕虜は一纏めにしてロープで木に固定して残してきた。
3人でテントを張る。
「1人用のテントも張ろう」
「そうね」
「あの女性用ですか?」
「彼女次第だな」
「えぇ」
「じゃぁ、先ずはサーヤ君行くか」
「はい!」
「菊池君はマヌイと飯の支度を頼む」
「はぁ~、了解」
「マヤァー!」
「なにー?」
「ハンマー貸してー」
「どうしたの?」
「マーラ君のは威力あり過ぎて千切れちゃうだろ」
「・・・はいよー」
「行って来まーす」
「行って来ます!」
騎士団員の下に戻る。
「ごめーん、待ったぁ?」
「貴様!枷を外せ!」
「殺すぞ!」
「俺たちゃ貴族だぞ!」
「国に言えばお前らは死罪だぞ!」
「誰が隊長さんかおせーて」
「けっ!」
「誰が教えるか!」
サーヤ君がハンマーを掌にポンポン叩いている。
「騎士団だってね」
「そうだ!」
「殺すぞ!」
「国を相手にして勝てると思ってんのか!」
「おめぇらだけじゃねぇ!家族もブッ殺してやる!」
「騎士団は団結だよな。じゃぁ、連帯責任だ。マーラ君」
「はい」
「先ず両足だな」
「はい」
グシャグシャグシャグシャグシャ
「ぎゃああぁぁぁ!」
「うあああぁぁぁ!」
「ぬうあぁぁぁぁ!」
グシャグシャグシャグシャグシャ
「ぎゃああぁぁぁ!」
「うあああぁぁぁ!」
「ぬうあぁぁぁぁ!」
全員の両足の膝を潰していった。
「素晴らしい手際だ、マーラ君」
「うあぁぁぁ」
「ありがとうございます!」
「ぐうぅぅぅ」
「何事にも一生懸命な君の努力の賜物だよ」
「ひいぃぃぃ」
「はい!頑張りました」
「ぐうぅぅぅ」
「最近はどうかな?」
「えぐぅぅぅ」
「はい。嫉妬は全く無いと言えば嘘になりますけど・・・」
「うそだろぉ」
「うんうん」
「あぐあぁぁ」
「でもそれ以上に応援、というかそんな気持ちがありまして」
「おうえぇぇ」
「それは嫉妬じゃないのかも知れないな」
「ぐあぁぁぁ」
「え」
「えぐうぅぅ」
「自分にも欲しいと思うのは自然な事だよ。私も幸せになりたいと思うのが自然な事の様に」
「うああぁぁ」
「自然な事?」
「ひいぃぃぃ」
「あぁ。美味しい物食べたい、お金が欲しい、長生きしたい。欲求は人間なら自然に抱くものだ。罪じゃない」
「いでえぇぇ」
「罪じゃない」
「みぐうぅぅ」
「魔法を使いたい。それも自然な欲求だ。罪じゃない。そんな思いを抱く事を自分自身、許して良いんだよ」
「くあぁぁぁ」
「・・・良いんですか、ね」
「いいいぃぃ」
「僕も嫉妬している」
「ひいぃぃぃ」
「え」
「ぶぼおぉぉ」
「君等の若さにね」
「ひぐぅおお」
「若さ・・・でも、私、今年27才です」
「ぶふうぅぅ」
「僕は43才だぞ。君等のその純粋さに、勢いに、失敗を恐れない直向きさに。嫉妬に近いものがあるよ」
「ぼふぉぉぉ」
「マコルさん・・・」
「ぎゅふぅぅ」
「欲求を抱くのは自然な事だ、自分を否定してはいけないよ」
「はぁぐぅぅ」
「はい!」
「どぅらぁぁ」
「まぁ、魔女みたいに、囚われてもいけないけどね。はっはっは」
「うふふふ」
「はうぁぁぁ」
「ってお前等うるせぇんだよぉ!人が喋ってんだろうがっ!」
「ホントです!マコルさんが喋ってるんですよ!」
「マーラ君。腕、やっちゃって」
「はい!やってやります」
「待って!待って!まああぁぁぁ!」
グシャグシャグシャグシャグシャ
「ぎゃああぁぁぁ!」
「うあああぁぁぁ!」
「ぬうあぁぁぁぁ!」
グシャグシャグシャグシャグシャ
「ぎゃああぁぁぁ!」
「うあああぁぁぁ!」
「ぬうあぁぁぁぁ!」
全員の肘を潰していった。
「たっ、たすけ・・・」
「よーし、じゃぁ、そろそろ誰が隊長か喋れ」
「あ、あいつです」
「ぐぅ、て、てめ」
「よーし。じゃぁ褒美に楽にしてやろう」
「ほん・・・と?」
「マーラ君」
「はい」
グシャァァァ
「ひいいい!」
「助けるんじゃなかったのかよぉぉぉ!」
「馬鹿か。お前ら騎士団員だろ」
「そ、そうだ!」
「国に知られたら不味いだろ」
「そうだ!お前ら死刑だ!」
「だったら知られないように皆殺しにするしかないじゃん」
『へっ』
「全員死んだら誰にも知られないでしょ?」
「ちょ、殺す・・・の?」
「うん、当然だろ」
「ま、待ってくれ」
「どうした?」
「か、金をやる!」
「幾ら?」
「じじじ実家に10万ある!」
「はぁ~。マーラ君」
「はい」
サーヤ君が収納袋から財産袋を取りだし金貨をジャラつかせる。
ジャラジャラァ
『え!?』
「金貨1枚かぁ、全っっっっっ然足らんな。マーラ君」
「はい」
「え、ちょ、ま「グシャァァ」」
『うああぁぁぁ!』
「次お前な」
「ま、待ってくれ!」
「どうした?」
「あ、か、かね、おんな、そうだ!女だ!女紹介して「次」「グシャアァァ」」
「次」
「あ、私は終わりました」
「む、そうか。じゃぁマリア君を呼んで来てくれ」
「はい」
「さーて、君達、夜は長いぞ」
『ひいいいぃぃ!』