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HappyHunting♡  作者: 六郎
第8章 シンパシー・フォー・ザ・デビル (ムトゥルグ:マコル、マリア、マーラ、マヤ)
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ギルドを出て街中を歩く。


「はぁ~」

「まぁ、仕方ないわね」

「正直言うとゆっくりしたかったけどね」

「カズヒコさんは間違ってませんわ」

「20才そこそこの子に説教みたいな事言っちゃったよ」

「これからどうするの?」

「今から出発はしないよね?」

「準備をしましょう」

「寝袋を作ろう」

「・・・そうね」

「「寝袋か」」

「マジックアイテムじゃないから直ぐ・・・に・・・」

「・・・マジックアイテム・・・作っちゃう?」

「・・・というと、冷気耐性か」

「もうすぐ1年ね」

「お姉さん元気かなぁ」

「何の話?」

「お姉さんって誰です!?」

「ヴィヴィエントって街でね「よし!冷気耐性寝袋を作りに行くぞ!」」




皮革店を探して街路を歩く。


「結構、獣人やドワーフを見るなぁ」

「そうね」

「北部に近いからね」

「そうなんだ」

「奴隷戦争以来、獣人やドワーフやエルフは北から南に移動したんだけど、移動する中でそのまま街に居付いたらしいよ」

「なるほどな」

「その子孫達って訳ね」


一軒の皮革店に入る。


「いらっしゃいませ」

『どーもー』


中は疎らだが人が居た。

この時間帯、冒険者は街外だろうから日用的な物を求めてか、繁盛してるらしい。


「オーダーメイドをお願いしたいのですが」

「ではこちらへ」


奥に通され狭いながらも部屋に案内された。

応対に出て来たのはエルフの女性だった。


「いらっしゃいませ」

「いらっしゃいました」

「「「!?」」」

「お綺麗ですね」

「「「!?」」」

「まぁ」

「初めてエルフの方にお会いしたのですが、初めてがあなたで良かった」

「まぁ、ありがとうございます」

「北部の天気は曇りばかりだったのがあなたの顔「オラァ!」ぉぉぉ」

「すいません、オーダーメイドをお願いします」

「いえいえ、どういった物をご所望でしょう」

「寝袋を作りたいんです」

「寝袋?」

「こんな感じで・・・」


菊池君は紙に絵を描いていく。


「へぇ、なるほどねぇ」

「これに冷気耐性の魔法付与をお願いしたいの」

「野営用ですのね」

「えぇ。付与は出来ます?」

「はい。エルフなので魔力の扱いには長けていますのよ」

「へぇー」

「南部の方かしら?」

「えぇ、そうです。エルフ族と接する機会は余り無くて」

「分布は北部南部差は無いと思いますけど、圧倒的にヒト族が多いですからねぇ。その分他の種族、特に人口の少ないエルフはそうでしょうねぇ」

「へぇ」

「北部からの移住で南北の境の国のヒト族以外の人口密度が高くなるのですよ」

「なるほどねぇ」

「魔法付与となるとお時間かかりますけど、よろしくて?」

「どのくらい?」

「1週間はみていただかないとねぇ」

「うーん。どうする?」

「仕方ないんじゃないか?村から帰ってくる頃には出来上がってるだろうし」

「そうね」

「そうですか。素材はどうされます?」

「1番あったかそうなのをお願い!」

「それでしたらグレイ・ウルフの毛皮ですかねぇ」

「グレイウルフ」

「えぇ。北部の、雪の中でも活動できる狼ですわ」

「試してみてもよろしいですかね?」

「えぇ、どうぞこちらへ」


倉庫みたいな所へ案内された。


「どうぞ」

「凄いモフモフだね!」

「毛も長いですわ」

「見るからにあったかそうね」

「よし、じゃぁくるまって寝てみるぞ」

「あら、毛を内側にするのですね」

「えぇ」

「じゃぁ、外側も何か考えなくっちゃ」

「中も、毛が肌に当たらないように二重構造に出来るかしら」

「えぇ。その分高くなりますけど」

「お願いしますね」

「はい」

「マコ兄ぃ、どう?」

「・・・」

「「「「?」」」」

「マコルさん?」

「先輩?」

「くかー」

『寝るなー!』


「じゃぁ採寸をしますわね」

「お願いします」キリッ

「この人は男性店員をお願いします」

「分かりました」

「なぜだっ!」


「では、見積もりですと、4着で40万エナ程になりますけど・・・」

「僕サイズをもう1着作ってください」

「はい?」

「先輩?」

「予備だね。濡れたりしたら寒いだろ」

(マヌイヤヌイの事も有った。予備が有った方が安心出来るだろう)

(分かったわ)

「そうね。そうしましょうか」

「5着で50万くらいですか」

「そう、ですわね」

「前金で半分渡しておきます」

「まぁ!」

「あなたの笑顔くらいあったかいの、お願いしますね」

「承りましたわ、ふふ」

「オッラァ!」




その日と翌日は休みにした。

国境越えで更に悪魔討伐、正直かなり疲れていた。

冒険者になったばかりのマヌイは特にそうだろう。

とはいえ翌々日に出発した。


その日の野営中。


「やったー!《魔力検知》と《魔力操作》習得出来たよー!」

「「「おぉ!」」」

「やったじゃないか!」

「頑張ったわね!」

「私も嬉しいわ!」

「ありがとー!」

「これで全員習得か」

「マヌイは3属性もあるし、直ぐにLv上がるわよ」

「うん!」

「そういえば、杖は使ってないのか?」

「うん。前までは魔法が使えればいいって思ってたけど・・・」

「・・・そうか」

「ミキ姉ぇやサーヤ姉ぇ見てたら1つだけじゃ駄目かなって」

「勿論特化が悪い訳じゃない、しかし僕達パーティには戦い方があるからな」

「そうね。極力正面から戦わない。奇襲ね」

「うん。それに私はカズ兄ぃみたいに前で戦えないし」

「別に僕も前で戦いたいわけじゃないけどな・・・まぁ、マヌイが自分の戦い方を模索するのは良い事だ。もっと悩むんだよ」

「ありがと。でも杖結構高かったのは・・・ごめんなさい」

「気にするな!失敗して良いんだ!自分に合う戦い方を知らず無理やり別の武器使う方が後々危険だ。マヌイは正しいんだよ」

「そうよ。それに杖も使い所あるしね」

「そうですね。ゴーストなんかには威力も射程も伸びるし無駄にはなりませんよ」

「うん!」

「殴れるしな!」

「「「それはない」」」


「はぁ。でも調査かぁ。大丈夫かなぁ」

「珍しく先輩が弱気ね」

「そうだね」

「ホントですね」

「依頼は今まで採集メインだったし。索敵なら得意だけど・・・調査かぁ」

「でもハグデル伯爵の屋敷で証拠見つけてたじゃない」

「そうだよ。大丈夫だよ」

「そうです。駄目ならとっとと帰れば良いだけです」

「まぁ、もう引き受けちまったし、やるしかないが。バックアップは頼んだよ」

「任せなさいって」

「任せろって」

「いつでも背負いますわ!」

「・・・そうならないように気を付けるよ」


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