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HappyHunting♡  作者: 六郎
第1章 異世界転生 (コロー:カズ、ミキ)
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①-17

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「お早うございます、登録に来ました」

「お早うございます。お二人ですか?」

「「はい」」


「他のギルドカードはお持ちですか?」

「「いいえ」」

「ではこちらに名前と年齢、ジョブとスキルをお書きください」

「ジョブとスキル?」

「大まかに言うと斥候、前衛、後衛、遊撃とそのスキルですね。書かなくても結構ですが、書いてあると依頼を出すときに便宜を図れますので」

「あ~、今はいいかな」

「そうですね」

「では登録料2000エナになります」


登録料を受け取って受付嬢は奥に行った。


「スキルは誰にも言わない方がいいですね。魔法とか知られると面倒そうですし」

「そうだね。弱いうちはなるべく目立たず行動しよう」


「お待たせいたしました。こちらがギルドカードになります」


革製で手帳ほどの大きさのカードだった。


「内容をご説明いたしますか?」

「お願いします」

「まずこれが登録番号、登録日、そしてこちらがカードを発行したギルド支部の名前、この場合街の名前になります。

そしてこちらにA~Gまで記入されておりまして、冒険者ランクになります。

冒険者ランクが上がるとそれまでのランクの記号を焼き消していきます。

つまり仮にDになるとE・F・Gは焼き消され、右端に残ってるDが現在のランクになります」

「「なるほど」」


「ランクを上げる方法はただ一つ、魔物を狩る。それだけです」

「依頼をこなすとかじゃないんですか」

「はい、ただ魔物を倒して証明部位を納品する。これだけになります。

例えば討伐依頼の魔物の証明部位を納品すれば勿論加算されます」

「加算ということは・・・」

「はい。魔物にはそれぞれギルドポイント(GP)が設定されていまして、

このGPを積み重ねていきある一定のポイントでランクアップとなります。

ただ、例えば弱い魔虫を何万匹、何億匹倒してもAになれるわけではありません。

魔物にも冒険者ランクに応じたランクが存在してましてそのランクの1つ上のランクまでしか上がりません。

例えば魔虫はGGP、ゴブリンはEGPとなっていると、魔虫をいくら倒しても上がれるのはFまで、しかしゴブリンだけを狩っててもDまでは上がれるという訳です」

「「なるほど」」


「このGPの一覧表ってありますか?」

「はい、あちらの冊子に載っていますのでご確認ください」

「おぉ、ポイントが分かるのはいいですね。励みになります」

「はい。昔は秘密にされていたんですが、それがギルドウォーの発端の一部にもなったこともあり公開されることになりました」

「「ギルドウォー!?」」


「あれ、ご存じありません?10年以上前にあった大規模な戦争なんですけど・・・」

「10年以上だとあまり覚えてないかな・・・ははは」

「そうですか、20才ですものね。国を跨いでギルド支部同士が戦争して街や村に多大な被害が出るに及び各国軍も動員しての大戦争になったんですよ。この建物も元は石造りだったんですけど焼け落ちて破壊され、今のように木造で作り直されたんです」

「そういえば街中の建物も石造りや木造もありましたね」

「はい、ギルドウォーの影響です」


「発端の一部になったというのは?」

「秘密にされていたせいでギルドに贔屓にされた力のない冒険者のランクアップや、力があるのにランクアップ出来ずにいた冒険者との対立ですね。当然ギルドも職員も攻撃対象にされて・・・」

「おう・・・」

「冒険者ギルドの機能不全、冒険者の減少、それに伴い魔物の増加、いわゆる『魔物の氾濫(スタンピード)』が起こった地域も出まして。物流の停滞や農作物の収穫激減、壊滅した村も多数。通常の国と国との戦争よりも大規模な被害が出るに当たり、国同士が話し合ってギルドの透明性と平等性と格差の是正を目指している所です」

「た、大変だったんですね」


「はい。特にそれまでは女性冒険者に対するセクハラが酷かったんですが、ギルドウォーの時にセクハラ加害者が真っ先に殺されまして、結構酷い方法で。

それ以来女性に対する扱いは多少マシになってますよ。例えば門番なんかも、女性の身体検査の時は女性衛士が担当したり」


「あ、私の時はいませんでしたけど」

「僕等の時は持ち物も無かったし服も粗末なものだったから必要無かったんじゃないかな」

「そっかー」

「女性衛士は後詰として詰所に控えていますよ」

「なるほど」

「ギルドウォーの原因はかなりの数あるだろうと言われていますので、それだけが原因じゃないのですけどね」




「説明の続きをしますと、このギルドカードを持って他のギルド支部に行きますと、登録料は払いますが同じランクで活動できます。その場合カードにその支部の名前と登録日が焼き印されます。


次に依頼ですが、依頼には討伐・調査・護衛・採集・その他の5種類がありまして、先ほどご説明した通り依頼達成によるGP獲得はありません。

依頼には難易度を表すランクがありますが、基本誰でも受注できます」

「誰でも?」

「はい。他の街から高Lvの冒険者がやって来てもこの街で上書き登録されていないとGランクからになります。その場合高難度の依頼が消化される機会を失うことになりますので基本誰でも受けられるのです」

「低ランクの冒険者が受けたりしますよね?」

「はい。それはもう自己責任です。危険な依頼を受けるのが仕事ですから危険を見極めるのも冒険者の必須スキルです」

「なるほど」


「あとギルドから緊急依頼が出る場合があります、前述のスタンピードとかですね。これが発動されると街にいる冒険者は街から出られません。強制参加の義務が生じます。ご注意ください」

「強制参加・・・分かりました」




「最後に注意ですが。一定期間冒険者ランクと同ランクの依頼を解決しないとランクが下がってしまうので気を付けてください」

「な、なんですと!?」

「街に貢献するのが冒険者の義務でもありますので宜しくお願いしますね。

ランクが下がった場合新たにカードを配布するので別途登録料が掛かります。

ただ他の街に行く場合、届け出れば休止と登録されますのでランクはそのままです。休止の場合はそれまでの累積GPが書かれた書類をお渡しします」

「わ、分かりました」


「他に何か聞きたいこと等ございますか?」

「あ、初心者冒険バッグください」

「はい、お1つでよろしいですか?」

「はい」

「1万エナになります」




「ギルドウォーか・・・」

「10年前に転生しなくて良かったですね」

「ホントだね。こわ」

「女性の扱いもマシになったとか」

「まー、やるヤツはやるけどね。前世でもそうだったし」

「あれだけニュースになっても止まりませんでしたしね」

「まぁ、その辺も気を付けていこう。2人しかいないし」

「はい!」

「じゃぁ、武器防具揃えに行こうか」

「そうしましょう」




その後武器防具を見積通り買って宿でチェックする。

帽子は兜ではなく全周庇のある帽子、軽鎧とその下に着る上下、ブーツと靴下、指出し手袋、ショートソード、クロスボウとボルト、ドライフードと初心者バックに入っていた水袋と解体ナイフをもう1つずつ買い足した。


「これだけでも重いな」

「重いっス」


「・・・明日から命を懸けた仕事を始める」

「・・・」

「傷や大怪我を負ってしまうかも知れない」

「・・・はい」

「辛いことや理不尽なことがあるだろう」

「・・・はい」

「だが君の身は俺が必ず守る。命を懸けて守るから」

「先輩」

「だから君は、もしもの場合は俺を捨てて逃げてくれ」

「・・・先輩」


「・・・《頑健》さんで軽くなるまで低ランクの魔物をひたすら狩ろう。まずは狩るというか命を奪うことに慣れないと」

「・・・はい。それが一番難しいでしょうね!」

「今更・・・バティストった人の言葉とは思えませんな」

「ちょっ、ちょっと待って!」

「じゃぁ、先ずはGランクの魔虫からだな」

「無視すんな」

「虫だけに?」

「オラァ!」

「ぐほぁ」


修正箇所

「ジョブとスキル?」

「(大まかに言うと斥候、前衛、後衛、遊撃とそのスキルですね。)~」

括弧内が追加箇所


「ステータス」欄に「ジョブ」があると誤解される表現を改めました。

この世界の設定上、「ステータス」に補正を与える「ジョブ」や「職業」などは有りません。

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