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HappyHunting♡  作者: 六郎
第8章 シンパシー・フォー・ザ・デビル (ムトゥルグ:マコル、マリア、マーラ、マヤ)
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「《雷撃》!」


魔力反応は無かった。

だが念の為に撃ち込んだ。

悪魔と聞いたのでビビッて撃ち込んだ。


ったみたいだ」

「「「はぁ~」」」


3人共その場にへたり込む。


網を解き悪魔とやらを観察する。

でかい。

というより細くて長い。

薄暮ではっきり分からないが、緑っぽい体色だ。

目はやはり無い。

代わりに顔の中央に何か捩れた様な痣みたいなものがある。

口が開かれており、中には尖った歯が見える。

髪の毛は無い。

手足が長いのが目立つ。

羽は皮膜というやつか。

手には鋭い爪があった。

喉の周りには鰓みたいなのがある。

触ってみると熱い。

体温の、ではないみたいだ。


「・・・どう?」


菊池君が近づいて来て尋ねる。

顔には疲労の跡が見える。


「うえ~。何これ」

「・・・悪魔、らしいな」

「オーマイゴッシュ」


サーヤ君とマヌイもやって来る。


「た、倒したの?」

「やりましたか?」

「あぁ。殺したよ。マヌイは大丈夫か?」

「うん。逃げる時転んで頭打ったけどヘルメットで大丈夫だった」

「そうか」

「あ、悪魔を?悪魔を殺したの?」

「これが悪魔か」

「醜悪な顔ね」

「悪魔だからね」

「キモイ身体だわ」

「悪魔だからね」

「羽は悪魔みたいね」

「悪魔だからね」

「そう言ってるじゃない」

「こっ、これからどうするの?」

「とりあえず休もう。悪魔は姿勢を伸ばして羽を畳めばこのまま収納袋に入るだろう」

「そうね」

「何を食ってたか確認に行く」

「「「えー!」」」


遺体を確認する。


「人間だ。冒険者だな」

「うわ~。食べられてる~」

「ギルドカードと貴重品は最寄りの街に持って行こう」

「えぇ・・・そうしてあげましょう」

「武器や防具と道具、食料は頂こう。遺体から取るぞ」

「「「うえ~」」」




急いで野営の準備をして食事を摂る。


「あんなの見た後だけど食べられるもんね」

「サーヤ君、マヌイ。悪魔は実在するんだね」

「うん。カズ兄ぃの世界にはいなかったの?」

「えぇ。想像上の魔物ね」

「え~。いいなぁ~」

「今でも倒せたのが信じられませんわ」

「収納袋に入ったって事は死んだって事だよ」

「生き物は入れないからね」

「前世では悪魔は人間が契約して呼ぶんだったな」

「メフィストフェレスだっけ?」

「それはこっちもそうだね」

「「!?」」

「古代にヒト族が召喚したという話です」

「「なんだって!?」」

「それもあって、他の人間はヒト族と仲が悪いんだよ」

「余計な事しやがって、ってか」

「うん」

「そりゃそうよね」

「しかし召喚って事は・・・」

「魔法!?召喚魔法!」

「今は伝わってないよ」

「禁忌ですわ」

「そりゃそうだな」

「でも私達が転生したのって!」

「向こうで死んでるから召喚ってのと少し違わね?」

「うーん」

「古代の悪魔が何で街道なんかに」

「悪魔は増えるんです」

「まっ、まさか人間と?」

「いえ、性交はするらしいんですけど子供は出来ないらしいです」

「血を飲むんだって」

「「!?」」

「悪魔の血を、飲むんだって」

「じゃ、じゃぁ、人間が悪魔になるってのか!?」

「うん」

「はい」

「なんてこった・・・」

「はぁ~」


「そう言えば、先輩」

「ん?」

「悪魔に石ぶつけてましたよね」

「あぁ」

「何で?」

「魔法で飛んでるようだったが」

「そうね」

「避けようとしてたけど避けられなかっただろ」

「「「うん」」」

「空間移動みたいな魔法じゃなく、浮いてるか飛んでる。つまりある程度物理法則に縛られてるのが分かった」

「なるほど。ススッって避ける風じゃなかったもんね」

「それで網を使ったんですね」

「あぁ。魔力を視ると羽に集まっているのが視えた。羽を拘束すればある程度制限出来ると考えた」

「ははーん。羽が魔力を使って飛ぶ器官だったと」

「あぁ。飛ぶスキルにせよ魔法にせよ、羽が無ければ使えないのかもしれない」

「喉に触ってましたよね」

「そういえば鰓みたいなのが有ったわね」

「フシューって言ってたね」

「恐らくラジエーターだ」

「「「ラジエーター?」」」

「放熱装置だ。火魔法使ってたろ」

「えぇ」

「口から発射してたね。あたし達は眼の前で出すけど」

「その為の放熱?」

「あの細い体では耐えられんのかもな」


「いやー、私達、悪魔を殺しちゃったか~」

「経験値良かったんじゃないかしら?」

「だといいが。売れるかね?」

「はい、多分」

「まぁ、今日はもう飯食って風呂入って屁ぇこいて寝ようぜ」

「こかないけどね」

「こかないよ」

「こきませんわ」


風呂も終えて女性陣と別々のテントに入る。

しかし。


「うぅ~寒い~。こっちで寝かせてくれ~」

「良いわよ。入って」

「1人だと寒いよね」

「4人用テントですから、どうぞ」


4人用のテントの中は4人の体温で温かかった。




2日後。

最寄りの街に向け歩いていた。

夕方には街壁が見えて来た。

5m程だろうか。

地方の街にしては高いな。

門衛もソルスキア王国の装備とは違う。

冬だからだろうか。

かなり着込んでいる。

高めの入街税を払い、ルンバキア公国の街アルビジェに入った。


「今日はもう宿に泊まるだけだ」

「そうね。広いお風呂に入りたいわ」

「うん。ゴエモン風呂があったとはいえ、あれ狭いしね」

「そうですね」


風呂のある宿に入り部屋で寛ぐ。


「とりあえず1日泊まろう」

「まとめて泊まらずに?」

「北部に近いからな、先ず様子見だ」

「そうね。それが良いかも」

「満室という訳でもなさそうだから延長はし易いと思うよ」

「じゃぁ、明日から活動を始めるとして、今日はお風呂に入ってゆっくりしましょう」

「美味しい物食べたいですわ」

「あたしもー!」

「美味いもん食って風呂入って屁ぇこいて寝よーぜ」

「「「だからこかねーって」」」


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