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HappyHunting♡  作者: 六郎
第1章 異世界転生 (コロー:カズ、ミキ)
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①-16

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残りの2人も程なく病死した。

隔離したところで死んだので俺の疑いは晴れたようで追求はされなかった。

その後他の従業員や町の人等に似たような症状の人が出なかったので疫病ということでもなく原因不明の病死ということで処理された。




「死んだな」

「はぁ~・・・」

「テンション低そうだな」

「そりゃまぁ・・・」

「気にしないことだ。僕等を相手にしたのが運の尽きだったんだ」

「・・・止めてくださいよ」

「俺も打ちどころが悪くて死ぬ危険もあったんだぞ?やられたら殺り返す」

「まぁ・・・」

「因みに《殺菌》のLvが2になった」


「えっ!?」

「恐らくあの2人が死んで、その経験値で上がったのだろう。歯磨きの時には上がらなかったし」

「距離離れてても経験値入るんですか?」

「みたいだね。これで死因は《殺菌》で確定かな」

「《隠蔽》も直ぐ上がりそうですね」

「ふっふっふ」

「悪い顔してるー!」


「モンスターにも使えるんじゃないですか?」

「う~ん。モンスターに菌がどれだけ作用してるか分からんし・・・それに直接触るんならそのまま殺した方が早くない?」

「あー、そうですね」


「Lvが上がって何が変わったか少し検証したんだけど」

「おぉ!それでそれで?」

「どうやら射程が伸びたみたいだ」

「威力は?」

「それは分かんないんだよね。水桶や街中のキノコで試したんだけど前から直ぐ死んでたし」

「そっかー。また人でも殺すしかないですかね」

「ひー!おまわりさ~ん、この人です!」

「オラァ!」

「ぐふぉ」


「あと1ヶ月余り。貯金がんばりましょうね」

「ぐふっ。お、おう」





それから1ヶ月は何事もなく過ぎ菊池君の契約期間も終わったので冒険者になろうかと思ったが、この世界の情報をもう少し、あと1ヶ月集めようということになった。

菊池君は働かず収集に専念、特に冒険者の情報に専念することにした。


「菊池君!新たな情報だ」

「しゃちょー!何でしょう?」

「この世界の国々はほぼ全て同じ通貨、エナが使われてるらしい」

「えっ!」

「そしてその国々のほぼ全ては造幣局が無いらしい」

「ええっ!お金作ってないんですか?じゃぁどうやって?」

「ダンジョンだ」

「ダンジョン!?ダンジョンが・・・?」

「ダンジョンからお金を拾ってくるらしい」

「な、なんだってー!?」

「この世界には昔、古代文明が栄えていて・・・」

「ゴクリ」

「その古代文明を『エトルナリア』と言うんだって」

「エトルナリア・・・あっ、エナって」

「その通りだ菊池君!冴えてるな。古代文明の通貨がエナだそうだ」

「ほほー」

「そして世界中のダンジョンの産出通貨がエナだと」

「ってことはそのエトルナリアはこの世界中を支配していたと」

「そういうことらしい」


「えぇ、でも大丈夫なんですかね?インフレとかデフレとか」

「金融政策か?昔は国々で独自の通貨を作ってたらしいが、それ等よりもエナの方が質が良かったんだって。偽造も今の技術じゃ無理らしい。それに今落ち着いてるんなら大丈夫って事だろう」

「それもそうですね。じゃぁ、お金が無くなったらダンジョンに潜れば」

「税金は取られるんだって」

「ですよねー!」

「ただ入る時に掛かるだけで拾い物には掛からないそうだ」

「へー、良心的ですね」

「昔色々あったんだと」

「でしょうねー」

「色々あって今は、ダンジョンで得た物はそいつのものっていうのがシキタリらしい」

「一攫千金も夢じゃない!」


「私の方も有りますよ」

「聞きましょう」

「この世で魔法使いっていうのは多くはないらしいです」

「多面体もアドヴァンテージって言ってたな」

「そうそう。発音が良かったですね、アドヴァンテージ」


「それでですね、その多くはない魔法使いっていうのも男女比で言うと8割が女らしいです」

「なんだとっ!?」

「えぇ。だが何故かは分からないんですって。子供が産めるからとか」

「それだと10割だろう」

「えぇ。推論は多々あるけど解明はされてないそうですよ」


「対人戦では男はまず非魔法系とみていいな」

「対人戦をメインに考えるんですね」

「バティストの事もあるしな」

「・・・それもそうか」

「じゃぁ、対人戦は魔法は奥の手で使うのが効果的な感じがするね」

「相手が油断してる時に使うと良さそうですね。特に男の先輩は」

「あぁ、それに僕達2人だけだと舐められるだろうしな」


「・・・他の人パーティに入れます?」

「君はどうしたい?」

「同僚はやらないって言ってますし、この世界の信用できる人なら・・・」

「それだよ。信用できるってのがある程度付き合わないと分からないよな」

「えぇ。特に冒険者だと商人とかとはまた違った、文字通り死線を共にくぐった者同士に宿る信頼感みたいな」

「急には無理だからメンバー増員はその時々で考えよう。まずは必殺技を磨こうぜ」

「魔法ですね」

「あぁ、折角のアドヴァンテージだからな」

「アドヴァンテージは活かさないとですね」


「装備も考えないとな」

「お金を貯めた理由でもありますし」

「命に直結するから出来るだけ良いのをって、まぁ当たり前か」

「そうですね、何に重点を置きます?」

「おれは先ず靴かな」

「靴?」

「あぁ、戦うにしろ逃げるにしろ、足元が覚束ないと無理だろうから。森の中を歩いてて木の枝や骨が靴底を突き破って足裏に刺さるってこともあるだろうし」

「なるほど。じゃぁ私も靴にお金掛けますね。防具は?」

「俺の場合はパワー系じゃなくスピード系だから・・・軽鎧とか?」

「私のステータスも後衛じゃないんですよね」

「2人共例えるならスカウトやレンジャーって感じか。じゃぁ両方軽鎧にするか」

「そうしましょう。ただ2人共同じ役割って・・・不安ですね」

「最初だし今役割決めなくていいんじゃない?恐らくスキルで方向性も決まってくるだろうし」

「スキルか~。固有スキルに戦闘系無かったんですよね」

「そりゃそうだろう。有ったら前世何やってたんだってなるし。まぁ剣道とか空手とかやってたりすれば有るかも?弓術とか有りそうだな」


「弓は武器として良いかも知れませんね」

「弓は難しそうだな。有ればクロスボウが良いと思うけど」

「クロスボウ?ボウガン?」

「ボウガンは商標登録名で種類としてはクロスボウだね」

「そうなんですね。弓とどう違うんです?」

「弓より扱いやすく、射程は短いらしい。弓は引き絞った状態を維持しないといけないのである程度筋力が必要だね、それに放つ瞬間ブレもあるし。何より当てやすいのが一番かな」

「じゃぁ、私クロスボウを使いますね。先輩は?」

「じゃぁ、俺はショートソードかな。俺が時間稼ぎしてる間に菊池君がクロスボウでバシュっっと」

「それだと盾もあった方が良いんじゃないですか?」

「盾か~。あった方が良いとは思うけど・・・う~ん」

「まぁ、少し戦ってみて必要そうだったら買いますか」

「そうだね、そうしよう」


「初心者冒険バッグどうします?」

「1つ買おうか。それで少し使ってみて必要そうならもう1つ買おう」

「了解です。じゃぁ、明日にでも見繕ってきますね」

「あぁ、頼んだよ」





情報収集期間も過ぎ装備も大体見繕って、今日ラザールさんに仕事別れの挨拶となった。


「4か月か、早いもんだな」

「えぇ、お世話になりました」

「おめぇは良く働いてくれたよ。冒険者で食えなくなったらいつでもここに来な、お前の仲間もいることだし」

「ありがとうございます。そうならないようがんばります」

「ははは、違ぇねぇ。冒険者が周辺の魔物を減らしてくれるから街の奴らも生活できるんだ、頼んだぜ」

「はい」

「そうだ。知ってるとは思うが、門は夕方には閉まるんだ。閉まったら翌朝まで開かねぇから気を付けるんだぞ」

「はい。ありがとうございました」



明日はギルドに登録に行く。


修正箇所

・「2人共スカウトやレンジャーって感じか。~」

→「2人共例えるならスカウトやレンジャーって感じか。~」


・「ジョブ」

→「役割」


「ステータス」に「ジョブ」があると誤解される表現だった為に改めました。

この世界の設定上、ステータスに補正を与える「ジョブ」や「職業」などはありません。

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