⑦-16-146
⑦-16-146
「麻酔が効くまで時間を潰すぞ」
「はい」
「あいつが着けてたプレートメイルが有るだろう」
「はい」
「メイスで殴ってみてくれ」
「分かりました」
「ふっふっふ。俺のメイスも握ってくれよ」
ガイン!
「やはり弾かれるな」
「はい、すいません」
「へへっ!俺もその女に殴ってもらいてぇな」
「謝るなカーラ君。これは硬い金属同士だからこうなるんだ」
「硬い物同士だと弾かれるんですか」
「後、君の力が強いっていうのも有るね」
「そうなんですね」
「ただ、そうなると今後プレートメイル相手と戦う時に不利だな」
「隙間を叩けば」
「そうはさせまいとするだろうね」
「そうですか」
「更にフルプレートメイルっていう鎧も有る事だしね」
「隙間が無いんですね」
「そうだ」
「どうしましょう」
「何か考えておかないとね」
「そろそろかな、よし、先ずは部下の方を処理するぞ」
「はい」
「処理?何をする気だ!?」
「どこからいきます?」
「膝の下からかな」
「はい」
2人で解体ナイフで膝下を切っていく。
最後に骨をマチェーテでぶった切る。
ダンッ
「何だ!?何をした!?」
男はテーブルに固定されているので自分の体を見る事が出来ない。
「ポーションで止血だ」
「はい」
「次に別の足も同じように」
「はい」
ダンッ
「何をしているのだ!?答えろ!」
「そろそろ腕の感覚も無いはずだ」
「刺してみましょう、えい」
ぶすっ
「無いようです」
「な、何で?感覚が無い?」
「よし。肘先だ」
「はい」
「な、何を?ちょ、待て!待って!止めて!」
ダンッ
一方の手が切断されて固定が外れる。
「うわああぁぁぁ!」
「上半身を固定しよう」
「待って、待って!」
「よし、もう1っ個も切断だ、ん?もう1本か」
「ふふふ、1本ですかしらね」
ダンッ
「あああぁぁぁ!」
「痛くなかっただろう?」
「お、お前!手足が無いぞ!?」
「うああぁぁぁ!」
「傷口は塞いでるから出血死はしないから安心してくれ」
「なあぁぁぁんでぇぇぇ」
「次は男性器だ」
「ま、待ってくれ!話す!何でも話すから」
「これは出血死するかもしれないから気を付けないとな」
「はい」
ナイフで素早くサクッとやってポーションで止血する。
「ほら、綺麗に取れただろう。君のだよ」
「うああぁぁぁ!俺のタマぁぁ!」
「尿道は何かで栓をしておこう」
「はい」
「次は団長さんだ」
「楽しみですわ。一緒に楽しみましょう」
「ま、待て。待ってくれ。話す。話すから!聞いて!話を聞いて!足を切らないで!嫌あぁぁぁ!」
ダンッ
「うーん、バランスが悪いな」
「もう一方が有るからですわ」
「そっかー、じゃあこっちも」
「待ってって!待ってって!聞いて!お願いだから!話を聞いてよおおぉぉぉ!」
「カーラ君」
「はい」
「手際が良くなってる気がする」
「私もですわ」
「でも《解体》は取れないんだよねー」
「これ《解体》ですかね?」
「しゅじゅちゅ?」
「・・・はい?」
「おほん。手術かな」
「でも切ってるだけですから・・・やっぱり解体ですかね」
「そっかー。じゃぁ次腕いってみようか」
「はい。あっ、手首がありませんわ」
「そっか。じゃぁ別の方だね」
「待ってよぉぉぉ!話を聞いてよおぉぉ!」
ダンッ
「何で聞いてくれないんだよぉぉぉ!俺の話を聞けよぉぉぉ!」
「最後は・・・分かるね?」
「お願い・・・聞いてよ。話を聞いてよ」
「どした?」
「俺の正体を聞いてよぉ」
「ティラミルティ帝国の貴族様でしょ?」
「「!?」」
「な、何で!?」
「《隠蔽》解いて書類見たよ」
「なっ、何!?」
「ほらこれ、ティラミルティ帝国命令書とハグデル伯との契約書」
書類をヒラヒラさせる。
「な、ば、馬鹿な」
「他に隠してること有る?」
「ううぅ」
「無いならお稲荷さんにいくけど」
「ま、待ってアンデッド!アンデッドが」
「殺した人達を死者の谷に落としてアンデッドにした事?知ってるよ」
「な、何でだよぉぉぉ!何で知ってんだよぉぉぉ!」
「他に何か喋りたいこと有る?」
「あ、有ります!南部連合北端国に同じような活動をしている奴を知っています!」
「書類には載ってないね」
「はい!私に関する書類だけですから!」
「そうか、ではオジサンに話してみなさい」
「は、はい!聞いてください!」
国と諜報員の名前を聞く。
「よーしよしよし!分かった、お稲荷さんはこのままにしてやろう」
「あ、ありがとうございます!」
「だ、団長ぉぉぉ」
「君は喋らなかったね」
「ち、違います!聞いてくれなかったんです!」
「自分から話すもんだよ。団長さんを見習い給え」
「だ、団長ぉぉぉ」
「人のせいにする子は嫌いだな。君にはもう少しお灸が必要なようだ」
「ま、待って!な、何を!いたあぁぁぁ!」
「ここに麻酔すると全身麻酔となるはずだ」
「全身ですか」
「意識も無くなる」
「ホントだ、眠っていきます」
「よーし、そろそろいいかな。お腹を開いていこう」
「はい」
「はっ、腹を!?開く!?」
「君も見たいかね?」
「い、いえ!見たくありません!」
「遠慮しなくてもいいぞ。長い間苦楽を共にした仲だろう」
「いえ!全然!全く!見たくないであります!」
「そうか。では開いていくぞ」
「はい」
「これが大腸。食べ物の栄養を吸収しているんだ」
「大腸」
「他にも・・・」
菊池君が入って来た。
「お早う・・・うっぷ」
「お、もう朝か」
「もうそんな時間ですの」
「予想の遥か上を行ってるわね」
「《クリーンアップ》頼むよ」
「良いけど、捕虜は?」
「寝てるよ」
「正確には1人は麻酔で、1人は気絶ですわ」
「・・・生きてるの?」
「失礼な!そこんところ弁えてるさ!」
「脈は有ります」
「サーヤ・・・似て来たわね」
「少し寝るか」
「はい」
「これからどうするの」
「すまんが寝る。その後バレンダルに行く」
「村じゃなくて?」
「魔術師ギルドだ」
「「魔術師ギルド?」」
「伝書鳩でファーダネさんに連絡を取る」
「「なるほど!」」
「問題は全員行けないって事だ」
「マヌイね」
「あぁ。傷は治したが衰弱が激しい。何より精神的にな。移動は不味かろう」
「私が残るわ」
「え」
「私も残ります」
「うーむ」
「こいつ等はもう手足無いですから問題ありませんし、問題あるとすれば・・・」
「魔物くらいね」
「はい」
「うーむ」
「入口に《隠蔽》掛けといてくださいよ」
「うーむ。大丈夫だろうか」
「マヌイはいざとなったらサーヤに運んでもらって私が弓で対処するから」
「はい!」
「まぁそれしかないか。死体は奥に運んでおけば外には臭いとか漏れないかも」
「分かったわ」
「じゃぁ少し寝てから出発するよ」
「うん」
「サーヤ君も少し寝ておけ」
「はい」