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HappyHunting♡  作者: 六郎
第7章 ライト・マイ・ウェイ (領都バレンダル:アルゴ、マリン、カーラ)
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⑦-06-136

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オークの狩りは魔犬や魔幼虫も狩りながら行った。

ゴブリンはいなかった。

同じ人型は生息圏が重ならないらしい。

オークの討伐部位はゴブリンとは違い右親指だ。

生殖器じゃなくて良かった。

その後も順調に殺して行った訳だが、


「やはり集落が有るんじゃないのかな」

「集落?」

「あぁ。独立したグループ毎に暮らしてる訳じゃないだろう」

「だったらもっと広範囲にバラけても良さそうだしね」

「そうだ。つまりある目的の為に別行動をしていると観るべきだ」

「ある目的って言うのは」

「食料調達ですか」

「その通りだサーヤ君」

「ゴブリンと同じね」

「と言うより人間と同じなんだろう」

「冒険者みたいなもんか」

「なるほど」

「じゃぁ集落を見つけるのが目下の目標になると」

「そういう事だね」

「ロブ・ゴブリン戦を思い出すわね」

「上位種が居なきゃ良いんですけど」

「全くだ」

「集落を探す?」

「いや。今日はなるべく数を殺そう」

「競争?」

「集落は見つけなければいけないけど、見つけた時の事を考えて数を減らしておきたい」

「なるほど。集落の脅威を下げるのね」

「あぁ」

「分かりました」

「それと。最後は《カウンター》からの《雷撃》で仕留めるよ」

「経験値稼ぎ?」

「その通り」

「私も稼ぎたいー」

「そうだな。じゃぁ、サーヤ君が最初にクロスボウで殺し、次に菊池君が《風刃》で、最後は僕と。こんな流れで行ってみようか」

「「行ってみよー」」




その後も殺し続け日没前に村に帰った。

村長宅で茶を飲んでいるとマコル達が帰って来たようだ。

騒がしい。


「今帰ったわ!あなた達早かったわね!」

「あぁ。疲れてね」

「ふん!冒険者のくせに軟弱ね!」

「オークは狩ったの?」

「あぁ。早速比べるかい?」

「えぇ!外でやりましょ!」

「分かった」


外に筵を敷いてその上に親指を並べるようだ。

周りには人が集まってきている。

わざわざ呼んで来たのだろう、ご苦労な事だ。


「さぁ、並べていきましょ!」

「分かった」


1本1本、筵に置いていく。

あいつ等が7本で並べ終えた後も僕達は並べていく。

その様子を見て顔が青くなっていっているようだ。

僕達は17本を並べ終えた。


「え~と。僕等はと・・・両手で足りないなぁ、カーラ君何本になったのかな?」

「17本です」

「え。あ、ごめん、聞こえなかったよ」

「17本です!」

「そーかそーか、17本か」

「うぅ」

「それで・・・そちらは?」

「にゃにゃほん」

「ぜーんぜん聞こえませーん」

「フゴー!7本よ!」

「っていうことはだよ・・・うーん、もしかして・・・マリン君?」

「えぇ。私達の勝ちね」

「うっそだろ!2属性持ちの魔法使い様に勝っちゃったの?僕達?」

「そうですわ!」

「うぅ」

「確か賭けをしてたんだったね」

「うぅぅ」

「確かぁ、全裸になって村内1周しながら僕達に詫びるって」

「フゴッそっ、そんな約束してないわよ!」

「あらー、約束してない発言きましたー」

「約束してないとは言ってないでしょ!」

「じゃぁ、早速全裸で村内を周っていただきましょうか」

「だからそんな約束してないって!」

「約束してないとか!村長!こんな事が許されて良いのですか!?」

「あ、あの。いや、まぁ」

「マコル!潔く君から脱いで見本を見せてやれ!」

「えっ!?俺?」

「あれ、君も約束なんてしてないよ発言するつもり?」

「いや、約束はしたけど」

「男らしいとこ見せてやれ!」

「謝るんじゃなかったっけ?」

「そうだ!謝るんだ!僕達に誠心誠意、真心を見せる為に生まれたままの姿になって謝るのだ!そうすれば神様もきっとお許し下さる」

「え、神?」

「神様を侮辱するのかね!?なんて恐れ多い。怖や怖や」

「え、いや、侮辱とか」

「君達の方から賭けをしようと言いだしたのにこの始末。神様はお嘆きあそばされている。やがてこの村に災いがふり「オラァ!」かぶぁ!」

「もうそろそろ良いでしょ」

「ぶふぅ。えー、だってぇ」

「あなた達も。脱がなくてもいいけど謝ってよね。そっちから言い出したんだし」

「う、うん。ごめんね」

「・・・はぁ!?そんだけ!?マジか、ナメてんの?」

「ご、ごめんなさい」

「ふざけんな、オークの棍棒舐めさす「オラァ!」ぞらぁ!」

「あれだけの啖呵を切っておいてそれだけじゃ納得いかないわね」

「うぅ」

「もし私達が負けてたらどうしようとしたのかしら」

「あ、うん」

「それとも獣人って正式に謝る事も出来ないのかしら?」

「そ、そんなことない!」

「じゃぁ、謝りなさい。村人達の前で、ちゃんと」

「わ、分かったわ。皆」

『分かった』


全員が身なりを正す。


「生意気な事言って申し訳ありませんでした」

『申し訳ありませんでした』

「よろしい。許しましょう」

「いやいやいや、マリン君。甘いよ君は」

「先輩が出て来るとややこしくなるから引っ込んでて」

「ちょ、それは無いんじゃない?」

「カーラ」

「はい!アルゴさん失礼しますね」

「ちょーっと!カーラ君はずるいってー!」


俺はサーヤ君に後ろから固められ口を塞がれた。


「あなた達が冒険者やヒト族を嫌うのは構わないけど、嫌う事による結果にはちゃんと責任持って欲しいわね」

「は、はい」

「ヒト族にはクズも居れば善良な人も居る。タリルコルさんがそうなのでしょう?」

「は、はい」

「そのタリルコルさんから依頼された冒険者なら、嫌いな態度はある程度隠して接するべきだったのじゃないかしら」

「は、はい」

「もういいわ。私達も依頼をこなさないといけないから早く休みたいし。行って頂戴」

「は、はい。あ、あの」

「何?」

「も、申し訳ありませんでした」

『申し訳ありませんでした』

「次から気を付けるように」

『は、はい!』

「ふがほが!もがー!」

「はいはい。先輩。夕飯にしましょ」

「そうしましょう」

「もぐ」




村長宅で恐縮されながら夕飯を馳走になった。


「あ、村長さん」

「なんでしょう」

「一応、タリルコルさんに報告するんでオークの討伐数を記録しておいてください」

「分かりました。それで今後のご予定は?」

「集落を探して殲滅しようかと」

「殲滅!?出来ますかな」

「無理だと?」

「い、いえ。今日だけでも17匹倒されましたから。しかし今日だけで24匹狩ったとなると・・・」

「集落の規模はかなりの物と」

「左様で」

「今日ぐらい狩り続けると、人数が減った集団は場所を移る可能性が有るかもしれません」

「なるほど、より安全な所に行こうとするでしょうな」

「他の人達が迷惑を受ける前に駆除しなくては」

「分かりました。我々も出来るだけのバックアップを約束します」

「よろしくお願いします」




離れに戻って今後の対策を立てる。


「それで、これからどうします?」

「先ずオークを尾けて集落を見つける」

「なるほど。群れているならいつかは戻りますからね」

「群れの規模や上位種の有無でそれからの作戦を立てようと思う」

「分かりました。良いと思います」

「はい」

「ゴブリンと違って生殖能力が有るし繁殖力も高い。なるべく1匹残らず駆除したい」

「そうですね」

「はい」

「領主の差別がいつまで続くか分からん。村人も当分街には帰れんだろう。差別だけでなく魔物にも怯えて暮らす生活の辛さは察するに余りある」

「えぇ」

「・・・」

「明日から早速集落を探索する。今日はもう寝よう」

「「はい」」


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