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HappyHunting♡  作者: 六郎
第7章 ライト・マイ・ウェイ (領都バレンダル:アルゴ、マリン、カーラ)
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⑦-05-135

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翌日。


「で、どうするんです?」

「ん?」

「オーク退治ですよ」

「勿論やるよ」

「でも昨日は帰るって言ってませんでした?」

「タリルコルさんにはやってみるって言ったしな。ここの人達がどう思おうとやるつもりだ」

「ふーん」

「嫌かな?」

「いーえ。そういう性格なんだなって」

「契約交わしたのはここの村人とじゃないからね」

「優しいですわ」

「そういうのじゃないよ。契約さ」

「契約ね。正しくは交わしてないけど」

「オークを倒せるのか。その生態は?今後の事もある、知っておいた方が良いだろうし」




村長と朝食を摂る。


「それではオークを狩って下さるので?」

「えぇ。タリルコルさんとも約束しましたしね」

「約束?契約じゃないので?」

「契約ではありません。努力目標・・・って所ですかね」

「はぁ」

「それでオークの生息場所や生態なんかを詳しくお聞きしたいんですが」

「それであればやはりマコルやマヌイヤヌイに聞くのが1番でしょうな」

「はぁ~」

「これ、マコルとマヌイヤヌイを呼んで来ておくれ」


村長の身内が呼びに行く。

しばらくして3人だけではなく昨日の面々がやって来た。

そんなに広い家でもないのに狭いことだ。


「それで?オークを狩るんだって?」

「あぁ」

「帰るんじゃなかったの?」

「マコルに泣きつかれてはねぇ」

「ばっ、馬鹿言うな!いつ泣きついた!?」

「帰っても良いのかな?」

「すいませんでした」

「そういうことだ」

「ふん。まぁ良いわ。じゃぁ競争しましょ」

「競争?」

「どちらがより多くを狩れるか。競争よ」

「オークだけに。まぁいいか」

「競争するからには賞品が要るわね」

「ヤヌイ」

「大丈夫よマヌイ」

「賞品?何を?」

「そうね。謝ってもらおうかしら。皆の前で」

「何に対して?」

「生意気にも私達よりもオークを倒せると豪語した事を」

「そんな事言ったっけ?」

「いいのよ!別に言ってなくっても。勝てば良いじゃない」

「なるほど。君達は?」

「私達が謝るわ」

「なるほど。私達と言うと?」

「私達姉妹とマコルもそれから・・・」

「え、俺も?」

「どうしたの!?私が信じられないの?」

「い、いや、そんな訳じゃ・・・」

「じゃぁ、決まりね!」

「決まったんだね」

「えぇ!決まりよ!」

「分かった。それじゃぁオークの生態を教えてくれるかな」

「そんな事も知らずに来たの?」

「そんな事は村に来てから聞いてくれって言われてね」

「いいわ、教えてあげる。オークは3~4匹でグループを組んで森を徘徊してるわ」

「オークは大体武装してる。主に棍棒だ」

「大きさは大体2mくらい。肌は赤黒く力持ちよ」

「腰布はしてるのかい?」

「いいえ、してないわ」

「マジかよ」

「マジよ。人間だけじゃなく動物のメスを見たらオッ立てて向かってくるわ」

「人間の雌は分かるが、動物のメスもオークは分かるのかい?」

「そうみたいね」

「20禁生物か」

「?」

「こっちの話だ」

「昼行性って聞いたんだけど?」

「えぇ。夜は活動しないみたいね」

「ふむふむ」

「ざっとこんな所かしら」

「分かった」

「じゃぁ制限時間は今日の日没まで。いいかしら?」

「あぁ」

「じゃぁ始まりね!」

「あぁ」

「行くわよ!皆!」


ヤヌイ達は勇んで行ってしまった。


「若いって良いなぁ」

「はい?」

「あぁ。こちらの話です」

「競争かぁ」

「早く行かないと」

「まぁまぁカーラ君。朝食食べ終わろうよ」

「良いんですか?」

「準備は大切だよ。日没までなんだから」

「は、はぁ」

「村長さん、この辺の地図が有ったら貰えますか」

「分かりました」




準備を終え、僕達も出発した。


「勝算はあるの?」

「《魔力感知》」

「「そっか!」」

「見つけられなきゃ魔法も意味無いもんね」

「ですね!」

「僕達よりも優れた索敵スキルが有れば別だが」

「あの盗賊団でも《気配察知》だったから大丈夫だとは思うけど」

「まぁ別に負けても良いしね」

「そんな!カズヒコさんが謝る必要なんて有りません!」

「別に構やしないよ。より多くのオークが殺せれば」

「洒落ってる場合ですか」

「とりあえず見つけよう。《隠蔽》で隠れながら索敵する」

「「はい」」

「他の魔物は《魔力感知》で分かるから素早く移動して見つけよう」

「「了解」」

「行くぞ」




あらかじめ村長にオークの目撃情報や居そうな場所を聞いてそこを中心に探した。

1時間もしない内に3匹のグループが見つかる。


「さっすがLv7!」

「えっへん!」

「流石です!」

「どうします?」

「先ずは君達の2射で2匹を殺す」

「「はい」」

「残りは僕が直接対処する」

「・・・大丈夫ですか?」

「それを調べる為だ。危なくなったら雷を撃つし、助けてくれればいいから」

「「分かりました」」

「よし。じゃあ射撃位置に行こう」

「「了解」」


菊池君の弓の方が射程距離は長いが一斉射撃で殺す為にクロスボウの距離まで近づく。

森の中だ、あまり風は無い。

50mまで近づき2人は狙いを定める。

撃つタイミングは2人に任せてある。

僕は更に近づき矢が放たれたと同時に走り込む予定だ。

事前詠唱もしておく。


オークを観察すると確かに赤黒い。

ゴブリンみたいだ。

思っていたオークの顔ではない。

豚っぽいものを予想していたが違った。

ゴブリンと同じ様に頭髪は無く、

ゴブリン程耳と鼻が大きくは無い。

ただ醜悪な面はゴブリンよりも上だろうか。

棍棒を持っている。

確かに腰布は巻いていない。

股間にもう1本棍棒を持って・・・


ザシュッ


2本の矢がそれぞれオークの頭に刺さり2匹のオークはその場に倒れた。

残りのオークは最初戸惑っていたが仲間が殺されて相手を見つけようと醜悪な面が更に醜悪になっている。

俺は走った。

オークも俺を認識したようだ。

オークが吠える。

魔物図鑑のオークの項目には《咆哮》は無かった。

しかし《呼寄せ》は載っていた。

先ずは《呼寄せ》られる前に仕留めたい。


オークと対峙して攻撃を待つ。

右手の棍棒を振り上げ攻撃態勢に入った。

ちゃんと《見切れ》ている。

棍棒に対してマチェーテはやや心細いが、

《カウンター》の補正で《受け流す》事が出来た。

そのまま手首を返し手首を斬り落とす。


「グワアァァァ!」


《呼寄せ》られる前に喉を斬り裂く。


「ガフッ」


左手で喉を押さえてる間に延髄を斬り裂いた。

オークはその場に沈んだ。


「もう大丈夫だ」


2人が駆けよる。


「これがオーク」

「ロブ・ゴブリンくらいありますね」

「しかしロブゴブ程の力じゃ無かったよ」

「そうなんですね」

「流石上位種と言った所ですか」

「怖いのは《呼寄せ》くらいか」

「あと繁殖力ね」

「そうだ。生殖器を見てみよう」

「もう!」


「うーむ。まぁこの体型にしてはこのくらいかなと言う印象だ」

「私達は見ませんからね」

「はい」

「うーむ」

「どうしたんですか」

「袋が無いな」

「もう!」

「と言うか玉が無い」

「「えっ!?」」

「体内に有るんじゃない?」

「いや。一般的に精子は温度が高いと駄目なんだ。だから動物のオスは身体の外の袋の中に入れてると言われてる」

「へー」

「玉はどこだ?」

「もう!」

「ちょっと解体したいな」

「競争だったわね、サーヤ」

「はい。行きましょう」

「うん。ほら先輩!行きますよ!」

「ちょ、もうちょっとだけ」

「サーヤ、そっち持って!引き摺って行くわよ!」

「はい!」

「サーヤ君はずるいってー!」

「《頑健》LvMAXを舐めんな!」

「俺はグレイじゃねーぞ!」

「グレイって何です?」

「うーん何て言ったら・・・全身灰色したモンスターよ」

「怖いですね」

「えぇ。とってもね」


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