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HappyHunting♡  作者: 六郎
第6章 盗賊団 (領都ロムスコ:エチル、マイン、ターニャ)
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「くそう!もう駄目だ!逃げるぞ!」

「よし砦に戻るぞ!」

「こんなトコで死んで堪るかよ!」

「あぁ!折角拾った命だ、好き勝手生きてやるぜ!」




盗賊達は南西の階段を降りて来る。


「ウルマン様!魔法使いが降りて来ます!」

「何!」

「逃げる気では!?」

「何だと!この期に及んで逃がさん!~~~~・・・」


周りの賊達も逃げようと行動を始めていた。

しかし菊池君、サーヤ君の矢で撃たれていく。


賊の魔法使い達が地上に降りきり、建物へと走る。

そこに矢が浴びせられるが《捕手》に叩き落とされる。


「《ファイアーアロー》!」


ウルマンの眼前から幾本かの火矢が生成され前方に放たれた。

しかし《ファイアーアロー》も《捕手》に叩き落とされた。


「な、何!?魔法までも!?」

「へっ!スペルキャスター(魔法使い)の魔法も投射物だぜ!」

「これでも食らえ!《エアロエッジ》!」


風魔法がウルマン隊を襲う。


ガスッ


盾隊に阻まれ消失した。


「くっ!接近戦に持ち込まないと駄目だ!」

「しかし《ファイアーボール》と《エアロエッジ》が来ます!」

「どうすれば・・・」


俺は盾隊を飛び越え賊に向かって走る。


「エチル!」

「はっ!来やがれ!八つ裂きにしてやる!」


捕手が礫を《投擲》してくるが《受け流す》。

俺も煙玉を投擲する。


「はっ!無駄だ!」


煙玉は《捕手》に叩き落とされ、周囲に煙を撒いた。


「ぶわっ!?」

「煙幕だ!?」

「くそっ!」


そのまま速度を落とさず走る。

《魔力検知》で捕手を捕捉。

俺は煙の中に飛び込んだ。


「ぐっ!」


ローブじゃなく革鎧なんか着やがって!

お陰で狙う所少なくて瞬間的には喉を狙うしかなかった。

顔を近づけて面と向かい語り掛ける。


「ぐうぅ」

「あの世で多面体によろしく言っといてくれ」

「!?・・・て、てめぇ、まさか」

「今度は植物にでも生まれ変わるんだな」

「・・・ぐふっ」

「ついでだ」


近くに居た水魔法使いの首を刎ねる。


ざくっ


首を掴んで走って戻る。


「《ショックバースト》!」


煙が賊を中心に押し出される。


「あっ!()られてんじゃん!」

「あっちもだ!くそが!」

「逃げるぞ!今の内だ!」


レネ嬢の元に戻る。


「エチル無事、って何だその首!?」

「水魔法使いです。捕手も殺しました!」

「あの一瞬でか!?相変わらずだな!」

「残りは建物内へ逃げました!捕手はもう居ません!」

「よし!矢も魔法も通じるな!盾隊追うぞ!」

『おう!』

「ウルマン様!女達は地下です!」

「分かった!礼を言う!」




俺は首を掴んだまま扉から外へ出る。

次々と兵士が砦内に雪崩れ込んで来る。

戦は終わった。

いや、元より勝ちは決まっていた。

後はどう終わらせるかだったわけだが。

俺はそのまま外を走って北に向かう。

壁上の彼女達に声を掛ける。


「先輩!」

「カズヒコ様!ご無事で!」

「あぁ。降りて来てくれ!」

「「了解!」」


2人が壁上から降りて合流を果たす。


「その首は?」

「水魔法使いだ」

「どうして持ってきたの?」

「取られたくなくてね」

「味方がめっちゃ入って来ましたもんね」

「布に包んで持って行こう」

「はい」

「残りは?」

「今この下を北に向かってる」

「やっぱトンネル掘ってたのね」

「あぁ。足音響かせないように追うぞ。残り3人だ」

「3人しかいないの?」

「部下は見殺しだろう。囮にもなるしな」

「流石ね」

「ブッ殺す!」


奴らを追っていくと前方に森がある。


「森に入った所が出口かな」

「そうかも知れませんね」

「助かったな。何もない所だと戦闘になっただろうし」

「生け捕りにするの?」

「勿論だよ。矢にネムリマイタケの毒を付けておいてくれ」

「「了解」」




森の中の一部の土が捲れ上がる。

木の板の上に土を被せていたようだ。


「どうだ?」

「大丈夫、誰もいない」

「良し、出るぞ」


3人が穴から出て周りを見渡す。


「へっ!ざまぁ見やがれ」

「俺達を捕まえるなんて100年はえぇんだよ!」

「これからどうする?」

「とりあえずここから離れようぜ。話はそれからだ」

「そうだな」


3人が少し歩いたところで2人の膝裏に矢が突き刺さる。


「ぎゃぁ!」

「うあぁ!」

「な、何だ!?どうした?」

「ぐぅ・・・撃たれた」

「俺もだ」

「ど、どっからだ!?」


更に残った1人の膝にも突き刺さる。


「ぐあぁ!」


やがて3人はそのまま眠っていった。


「これからどうするんです?」

「このまま北に少し行った所に川が有る。そこまで連れて行こう」

「運ぶんですか?えぇー」

「まぁまぁ」


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