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HappyHunting♡  作者: 六郎
第6章 盗賊団 (領都ロムスコ:エチル、マイン、ターニャ)
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⑥-23-117

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「所でエチル君」

「何でしょう、ファーダネ閣下」

「君は奇襲が得意と言っていたな」

「はい」

「実は今日、盗賊が奇襲をして来てね」

「・・・宜しいのですか?閣下」

「あぁ、大丈夫だろう」

『?』

「そういえば攻撃は明日からではなかったのですか?」

「何故知ってる?」

「戦場についた時にウルマン様がポロリしていましたよ。明日じゃなかったのか、って」

「あっ!か、閣下。申し訳・・・」

「ふふ。まぁいい。始まってしまったのだからね」


「何故奇襲をして来たか。奇襲が得意な君の意見を聞きたいと思ってね」

「そうですか。この中で1番盗賊に近いのは勿論この僕、だから僕に聞くのは当然、って酷くないですか!?」

「はっはっは。誉め言葉と受け取ってくれ」

「う~ん。奇襲の詳細をお聞きしても?」

「あぁ。我々が拠点を作って1泊し明けた早朝に仕掛けて来た。我々は諫めたのだがそれを追って一部の部隊が突出、そのまま戦闘になったのだ」

「こちらの被害は?」

「奇襲では殆ど無かった。今見える被害はその後の戦闘によるものだ」

「うーん。それで砦の人数は?」

「50人程だ」

「あの砦の大きさに50人?少ないですね、うーん」

「どうだろうか」

「判断材料が少な過ぎますね」

「そうだな」


「ただ、僕が盗賊なら」

「うむ」

「閣下らが来る前に逃げます」

「それは・・・そうだな」

「・・・勝てると思っていると?」

「でしょう」

「盗賊風情が我々に勝てるなどと!」

「現に数か月持った訳ですし」

「うむむ・・・」

「それで?」

「僕なら街にスパイを送ります」

「街に!?」

「だろうな、それで?」

「閣下らが来るのも分かります」

「うむ、それで」

「それで何故奇襲したか・・・陽動ですかね」

「陽動・・・」

「陽動だと!?別部隊が本体を狙っているのか!?」

「いえ」

「?」

「我々が前面の砦に意識を集中している間、僕なら補給部隊を叩きます」

『!?』

「補給部隊は森を通らなければならない為、徒歩になるのでは?」

「その通りだ」

「食料が無くなった後で飢えた兵士を挟み撃ちで狙う・・・とかですかね」

『・・・』


「そうか、やはり残念だな」

「やはり残念?」

「あぁ。残念ながら私と同じ結論のようだ」

「・・・・・・まさか」

「あぁ。ゴブリン殲滅部隊に新たな命令を下す!」

「げぇ!」

「恐らく盗賊の別動隊が我が軍の糧秣を狙っていると思われる。それを阻止するのだ!」

「なんてこった!」

「これは勿論依頼になる。受けなくても勿論良いが・・・」

「閣下!ファーダネ様!是非御命じ下さい!我々ゴブリン殲滅部隊が奴らの奸計を破って閣下に勝利を、国に平穏をもたらせて見せます!」

「うむ。しかしウルマン。これは居るか居ないか分からない別動隊に対するものでこれ以上本隊からは出せん。依頼になるから冒険者小隊も連れて行くのだが」

「大丈夫です!彼らは信義に熱く「お断りします」・・・エチルぅ!」

「せ、先輩!」

「これ以上タダ働きできるか!」

「結構引き摺ってんじゃん!」

「勿論成功の暁には多大な報酬も用意する」

「王国の為!王国民の為!僕達は必ずや依頼を遂行させ、閣下に勝利をもたらすでしょう!」

「うむ!期待しているぞ!」

「エーチールー!」


「となるとゴブリンとの戦いで消費したポーションを補充しないと」

「そうね」

「ほう。ポーションを持って行ったのか。周到な事だ」

「あっ、そうだ。150万エナで貰ったポーションを返すからね」

「拠点での補給って、ポーションは・・・」

「別料金になるな。何が欲しい?」

「スタミナポーションを2つ飲んじゃいまして」

「怪我用のポーションは?」

「使ってませんね」

「・・・・・・そうか。しかし1度の戦闘でスタミナポーションを2つ飲んだのか、凄まじい戦いだったのだろう。酔わなかったか」

「えぇ。そりゃーもう・・・酔い?」

「ポーション酔いだ」

「ポーション酔い?」

「知らなさそうだな。人間は1日で飲めるポーションは2つまでだ。それ以上飲むと酔ってしまう」

「「なんですって!?」」

「酔うとどうなるんです?」

「ポーションや治癒魔法の効きが悪くなるのだ」

「「!?」」

「更に飲んでいくと耐性が付く。ポーションや治癒魔法を受け付けない体になる」

「そ、それは同種類のポーションを2つとかでは」

「いや。全ての種類のポーションから2つまでだ」

「「ですよねー!」」

「以後気を付けて飲むのだぞ」

「はい。用法容量を守って飲みます」




次の補給は4日後だそうで合流する為に明朝出発する事になり、今日はゆっくり休む事になった。

僕達はテントで配給された食事を食べている。


「いやぁ~。すまんな!」

「報酬の事?」

「あぁ」

「まぁ、仕方ないかなと思いますよ」

「はい。ジャックさんのパーティは荷物を失って財産を無くしたでしょうし」

「えぇ。悪い人達じゃないから、良いことしたんじゃない?」

「はい。お優しいですわ」

「でも150万エナがぁ~」

「引き摺ってんなー」

「次の依頼で稼ぎましょうよ。次は盗賊ですから任務達成とは別に1人1万エナが貰えますよね」

「あぁ。そうだったね」

「サーヤ、さらっと殺す前提で言ってるわね」

「いや、君達!それより【ランク】だよ、【ランク】!」

「あぁ!【ランク】上げればスキルも増えるのよね!」

「そうだ!当分僕の目標は【ランク】上げになるな!」

「はい!がんばってあげましょう!」

「やっぱり盗賊は殺すのね」

「当然だろう」

「でも生け捕りの方が経験値は多いかもよ。難しいから」

「むっ。それはあるな」


「仮に捕まえたとしてだ、裁判を受けるよね」

「そうね」

「死刑になる。死刑で死んだら捕まえた人間には経験値は入らないんだろうか」

「うーん。処刑人には入るんでしょうね」

「縛り首だったら?」

「うーん。誰にも入らなさそうね」

「ですねー」

「うーん。やっぱり入るかどうか分からない生け捕りよりも確実に入る方を選んだ方が良いと思う」

「殺すって事?」

「うん」

「ブッ殺しましょう!」

「俺が今【ランク】Dだろ?Aになったら3つも増える!」

「将軍のファーダネさんがBでクルトさんでCですよ。どんだけ時間掛かるんだか」

「その為にも盗族退治がんばろうぜ!」

「はい!ブッ殺しましょう!」


「あとはポーション酔いだな」

「危なかったですね」

「2つ飲んじゃいましたもんね」

「あぁ。気を付けよう」

「えぇ。でも2つって少ないわよね」

「だな。通常怪我したら治癒ポーションを飲むだろう?」

「それに魔法使いだったら魔力ポーションでしょ」

「スタミナポーションを飲むか飲まないか・・・ですね」

「水魔法の治癒や回復魔法は別なのかしら?」

「そうだな。また機会が有る時にでも聞いてみよう」

「そうね」


「それとステータスだな」

「えぇ。気付かない内に強くなってたようですね」

「駄目なんですか?」

「目立ってしまったからね」

「強くなるのが駄目なんじゃなくて、バレちゃったのが駄目なのね」

「でも、難しいですわ」

「あぁ。しかしこれ以上は駄目だ」

「どうするの?」

「《弓術》は《隠蔽》していない。これを主戦力としよう」

「これまで通りじゃないですか?」

「俺は突っ込まない。魔犬に突っ込んだのが間違いだったんだ」

「壁に徹すると」

「あぁ、攻められたらな。受けに徹するから捌いた奴を君達が仕留めてくれ。」

「分かったわ」

「はい!」

「と言いつつここではバレてるから次の土地からだな」

「ですね」

「それとサーヤ君はいざという時《槌術》は躊躇わず使うんだぞ」

「はい!分かりました」


スキル大全

《隠蔽》

この言葉からして良くない職業の者が取るものと予想されるかもしれないが、

仮に犯罪者を追う場合、追う者も取得していないと追われる者に察知される可能性が有る。

蛇の道は蛇。

ステータスの隠蔽は出来ないようで、後述する《覗き見》や《鑑定》を防ぐ事は出来ない様だ。

会話などにも影響はない。主に視覚認識阻害のスキルのようだ。

女房に浮気の追求をされた時に役立ったという話も聞かない。

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