分解の危険
署内地下二階・・・
西行「さて、此処にリボルバーがある。これを分解してみよう。安心しろぁ。俺のナノマシンも手を貸すからよ。」
作良「う、うん。・・・分解ってどっちのナノマシンだっけ?」
西行「あぁ、右だよ。相手の攻撃を分解するなら防御に入るだろ。でもまぁ、」
作良「なるほど。・・・何処から入るの?」
西行「向きさえあっていれば何処でも良い。ま、一番薄そうな弾薬槽を攻めることがお勧めだな。」
作良「分かった。・・・ところどころ穴があるね。」
西行「行きに道を覚えさせて、帰りを自動で行わせるんだ。」
作良「待って。マシンが二つだったらどうやって通過するの?ほら、通路が狭かったら二体も入らないんじゃ・・・」
西行「う~ん、俺のときはそんなに狭くなかったからな。・・・あ、ナノマシンってさ原子を掴めるんだよな。だったらナノマシンも掴めるんじゃないか?そうやって蛇みたいに進んでいくんだ。」
作良「ほ~ぅ、できた。」
西行「は~これが・・・」
作良「じゃ、先に進むよ。」
西行「おぅ。」
作良「やっぱり駄目だ。進んだは良いけど帰ってこれないよ。」
西行「あ、あぁ・・・マシンの左を見な。」
作良「え?何?」
私の目の前に映った金色の原子が、奥へ引っ張られていった。その隙間から見えたのは茶色いボディだった。
西行「穴掘ったのさ。さ、これでルーティーンが出来上がったな。分解はこれを応用していくんだぞ。」
作良「ありがとう。おいちゃん。」
西行「手を貸すって言ったろ。それで、火薬のほうはどうなんだ?原子に注目すると、原子名や説明が見れるんだ。どうだ?」
作良「これは炭素に~硫黄、カリウム、窒素、酸素って書いてあるよ。」
西行「よし、それらが火薬の構成原子だ。どれか持って来い。」
私は一番安全そうな炭素原子を引き剥がした。
西行「いかん!強すぎる!早く戻ってこい!」
私は帰り際に、原子が崩れ落ちるのを見た。その瞬間視界が赤くなり、メガネを外した。
作良「ハッ!・・・何?何が起きたの?」
私の意識がさっきまで潜り込んでいた拳銃は弾薬槽が破損し、煙が上がっている。その近くにはその残骸が転がっている。小さい部品は遠くまで飛んでいるが、机の端で止まっている。
西行「とりあえず守っていたが、こんなに勢いがあるとは・・・分解手段に、防御手段・・・ま、まだ改良の余地ありって事か。」
作良「う、うん・・・」
続く・・・