ファーストミッション
私達行きつけの喫茶店『カメエミーヌ』・・・
丸い亀の甲羅の屋根の四方に丸い塔が伸びている。店内の中心にはレンジや妙な機械が集まっている。使い方は基本的に
技術者の息子の店主しか知らない。
店主「お、それを選んだんですね?」
西行「マスターいつもの。」
作良「私もいつもの。」
店主「か、かしこまりました。」
店主がブラックコーヒーと蜂蜜ブラックコーヒーを持ってきた。
店主「どうです?うまく見えてますか?」
店主の話はややっこしくて聞きたくない
店主「うっ・・・」
店主が去っていく。
女性客「どうしたんですか?」
私たちは店主達の会話に入らなかった。
270円を払い、駐車場に止めた茶色いアンティークトラックに二人で乗った。
西行「さてどうする?」
作良「どうするって言っても、指令が入るまではこの辺に居ないと。」
西行「ま、とにかく署に戻って開発の続きでもするか?」
そういう事で彼はトラックのエンジンをかけた。しかし公道に出て少しで、無線のノイズが走った。
???「二人とも居ますか?」
輸芽金署に居るとされている通信官、栗守が連絡を取ってきた。
西行「あぁ、いるぞ。何だ?」
栗守「輸芽金駅でバックに入った爆弾が発見されました。解除に向かってくれませんか?」
西行「時間は?」
栗守「後15分です。」
西行「余裕じゃないか。」
彼はギアを3に入れた。
輸芽金駅・・・
西行「さ、いくぞ。」
作良「うん。」
歩きながらも会話を続ける。
西行「怖いか?」
作良「だ、だって爆弾だよ?」
西行「俺達が普通の人間だったらこんなこと頼まんさ。」
作良「このメガネだけで挑むんですか?」
西行「ん?ま、そういう言い方もありかな。安心しろ、いざとなったら防御ナノマシンを起動すれば防げるだろう。」
作良「でも、爆弾の解体は?私爆弾のことは素人だよ?出せる道具も警察用のものだけだし・・・」
西行「なぁ~に。作るよりも簡単だ。・・・壊すんだよ。」
作良「だから道具で壊せるものはないよ。」
西行「忘れたのか?俺達が道具を作るために使ったのも道具じゃないか。ナノマシンで中の火薬だけを壊すんだよ。」
西行「下手にペンチなんぞで切って爆発するより確実だろ?」
作良「そうだね。でも私、火薬の場所なんて知らないよ?」
西行「あ?俺もだ。」
作良「へ?」
西行「大丈夫、火薬の元は?」
作良「良く分からない。」
西行「そう。それだけ特殊ってことだ。で?肝心の爆弾は?」
???「これは西行刑事、お早いですね。」
知り合いの巡査が現われた。
西行「そっちのほうが早いじゃないか。」
巡査「早くても何も出来ませんよ。」
西行「爆弾は見つかったか?」
巡査「ホームの端に置いてあります。」
西行「分かった。」
改札を抜け、左に注目すると、黒い白いバックがあった。しかし、その中にはデジタル時計と赤い棒が入っていた。
西行「これは、ダイナマイトじゃないか。」
作良「何か問題があるの?」
西行「いや、ニトログリセリンだ。その構造を見つければいい。火薬より安全だと思うぞ。」
作良「どうして?」
西行「見つけた。うん?火薬は衝撃で爆発するからな。さて、後は頼むぜ。ほら、帰るぞ。」
作良「う、うん。」
西行「今度同じ事があったらお前にやらせようかな。」
作良「え~むずかしそ~」
西行「なぁに、俺も教えるし、メガネにも出てくるから。」
続く・・・