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傍若無人王ロドルフ 【ブランシュ王国記2】  作者: 一狼
第2章 蒸気機関編
22/27

◇◇◇②-⑤アベルの挑戦◇◇◇

短いです。

前日に遡る。


レアンドルからマリユスと共にバンへ先行するよう命じられたアベルは、馬上にあった。


「アベル様、無理に付いてこようとすれば大怪我をするやも知れませぬ。ご自分のペースで走られよ。」


そう言って気遣うマリユスに


「大丈夫だ、これでも多少馬術には自信がある!気遣い無用だ!」


アベルの言葉にマリユスはニヤッと笑いを浮かべ


「ならば付いてこられませ!加減は致しませぬぞ!」


「望むところだ!」


そう叫んで馬を走らせたが、ものの四半時もしないうちにマリユスの姿は見えなくなった。


「早い!」


必死で馬を煽るアベルに、同行している護衛が無理をしないよう注意するが、アベルはひたすら馬を煽り続けた。


ダレツ王都バンに着いたときには、馬から降りることさえ出来ないほど疲労困憊していた。

そしてそれ以上に尻が痛くて一歩も歩けず、そのまま担がれてベッドへ直行となった。


「アベル・・・なんと情けない姿だ・・・」


ベッドへうつ伏せに横たわるアベルを見て、オーレリアンは吹き出しそうになるのを堪えるのに少なからず努力する必要があった。


「オーレリアン叔父上、面目次第も御座いません。」


実際には痛みをこらえながら絞り出すように話すアベルであった。


「そもそもマリユスに付いていこうとすることが間違いだった。こと馬術に関しては、私でさえマリユスには敵わぬのだからな。」


「敵わぬまでも私の技量を計るには良い機会と思ったのですが・・・」


「その意気は褒めてやるが、無謀だったことは否めないな。」


「はい・・・」


気の優しい甥が、無謀とはいえ馬術に於いて挑戦したことを、オーレリアンは、素直に喜んだ。

結局アベルは三日間ベッドから起き上がることが出来なかった。

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