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007 宇宙マフィア

 アンドロイドのカスタムショップで"かわいい女の子"の姿に肉付けされた俺はとりあえずベスタから渡された"ツナギ"を着た。


「うん!すごくかわいくなったわよアイリス!」


「ええのう!次はこやつに服を見繕ってやるかのう!」


 テレイアとベスタは俺に抱き着いてグリグリを頭をなで出す、可愛い女の子にそんなことされた経験が無い俺は顔を赤らめながらやりたい放題されるままであった。


 そのまま俺は繁華街にある服屋で「アンドロイド感あるから」という理由でピッチリとしたレオタードの様な服を着ることを強要されたが、()()()()()()()が目立ってしまうので


『パイロットには色々持ち歩く必要がある』


 だとかの理由をこじ付けて、なんとかレオタードみたいなボディースーツの上からポケットが多めの半ズボンを着ることを許されて難を逃れた。


 その後、コロニー内の繁華街からネオンや看板の無い生真面目な建物ばかりの区間にある1つのビルへと宇宙傭兵団"虹の剣"の一行は入って行った。


「ここが"傭兵団ギルド"の本部ね!」


 テレイアが大股でズカズカとビル内部の受付に向かう。


 受付にはいかにも生真面目そうなスーツを着た女性が対応する。


「ようこそ、宇宙傭兵ギルド・アルクトス第一支部へご用件は何でしょうか?」


「ギルドの登録と仕事の依頼をしたいわ!登録情報はこのメモリに記載済みよ」


「かしこまりました。こちらの媒体にメモリを繋げて暫くお待ちください」


 受付の机にあるデスクトップPCの様な媒体にメモリを刺し込み暫く待った。


 ………………


 …………


 ……


「お待たせしました……登録内容の審査が終わり、宇宙船Dサイズ・搭乗員4()G・S1機・団名"虹の剣"、Gランク傭兵団として登録完了致しました」


「ふっふふ~ん!ついに……ついに我が"虹の剣"が全宇宙を轟かす為の第一歩が始まったわ!」


 テレイアが腰に手を当てながら高らかに笑う。


「早速傭兵団としての初めの仕事を貰いましょう!資金も()になったし!」


 え!?


「補給とアイリスの"肉付け"で全部使ってしもうたからのう……」


 そうベスタが悲痛そうに言う。


「受付さん、今私達に出来る仕事はあるかしら?」


「今すぐにですか!?……え~と、今あってGランクでも可能なのはコロニー近辺のデブリ(宇宙ゴミ)拾いぐらいしか無いと思います」


デブリ(宇宙ゴミ)拾い!?冗談じゃないわ!折角の戦闘用G・Sとパイロットを手に入れたのよ!もっと敵をバッタバッタ倒す仕事は無いの!?」


 騒ぎ立てるテレイアに困り果てる受付さん、数々の依頼が表示されているモニタのタッチパネルを操作して必死に代替案を探す。


「う~ん……本当は危険だからGランクの方は出来ないのですが"積荷輸送"という名目でBランク相当任務に当たる"賞金首"との戦闘が出来るかもしれません」


「"賞金首"!?もちろんGランクでも倒したら賞金は貰えるのよね?」


 賞金首と聞いて目をキラキラさせながら聞くテレイアに深刻そうな顔で受付の女性が答える。


「はい……ですが相手がとても危険です、最近アルクトス領で悪名を響かせている宇宙マフィア"ムジナファミリー"です」


「ムジナファミリー?」


「以前はコロニー内の出稼ぎ派遣作業員のブローカーをやっているだけでしたが、ファミリーの規模が大きくなるにつれて帝国や連合国軍の払下げG・Sを使って民間の積荷を襲撃したり土地の強引な地上げをするようになりました」


「典型的で酷い連中ね!アルクトス軍は何もしないの?」


「軍の人員やG・Sが足りずにコロニー外部の警備しか出来ないのです、永世中立国であるアルクトスは他国に脅威を与える軍事力は持たないという政策方針なので……」


「なるほどねぇ……」


「それで、どうしますか?"Gランクの積荷輸送任務"を受けますか?」


 考えもせず、一息も付かずにテレイアはこう言った。


「やるわよ!」


 ………………


 …………


 ……


 コロニー内を走るダブル連結トラックの2両目に寝かされてる自機(ホワイトポーン)の中で俺は待機させられていた。


 運転手はケレス、流石操舵手も兼任してるだけあって連結トラックでもお手の物か。


 おーい黒兎


《はい、アイリス》


 今のうちに120秒かかる"セーフティロック"を解除出来ないか?


《出来ますがおススメは出来ません》


 何故に?


《ベスタが機体起動の前に必ずシステムチェック行うからです》


 あの()()()()()結構マメなのか……ってかシステムチェックで更に時間がかかっちまうだろ?


 《システムチェックはオンラインで2秒です》


 早いな!そのスピードをセーフティ解除に回して欲しいもんだよ!仕方ないなぁ……とりあえず戦闘後に復旧する為のセーフティデータのバックアップだけは取って置いてくれ、バレたら解体されかねん


《了解 戦闘後復旧するようにします》


 戦闘開始後の"120秒間"操縦は黒兎に任せることになる俺が今後も口頭で指示しながら切り抜けるしかないのか……などと考えて居ると


 ピピピピピ


 ん?G・Sのモニタから音がしてるな


《光音声接続です 繋げますか?》


 あぁ"ボイチャ"か、頼む


【ゲストA】「こちらテレイア、アイリス!聞こえるかしら?」


 トラックの助手席に居るテレイアからかだ、表示を【ゲストA】から【テレイア】に変えとくか


『こちらアイリス、聞こえてますよテレイア艦長』


【テレイア】「もうすぐ"ムジナファミリー"の被害が多発してる廃工業団地を通過するわ!何時でも出撃できるようにしてね!」


『武装はナイフだけ……ですか?』


【テレイア】「仕方ないじゃない!コロニー内ではビーム、実弾兵器は禁止であくまでも"工事作業用G・S"として運用してくれってギルドからのお達しがあるんだから!」


 まぁ確かに、コロニー内でビームだの撃って穴開けたら大惨事だからな、そこはしゃーないけど、またナイフ1本か。


【テレイア】「大丈夫よ!なんたって貴方は最強の戦闘AI"黒兎"なんだから!」


『ありがとうテレイア艦長、なるべくご期待に沿える様に致します』


 俺のことじゃなくて黒兎のことを言っているが、誰かに"期待される"ってことはとても嬉しいものだ。


 トラックは暫く、企業が撤退して廃工場だらけとなった区間を進んでいると……


 ドン!!!!


【テレイア】「何!?道が爆破したわ!」


《アイリス、G・Sと思われる機影を複数確認》


 おいでなすったか!


 黒兎、"ホワイト・ポーン"のメイン出力起動、戦闘開始だ――




 ◆◇◆ 機体紹介のコーナー ◇◆◇


 レベリオ帝国 最新型量産機 【ブラック・ポーン】


 全長 8.2m

 重量 7.5t

 推力 150000kg

 装甲材質 オリハルコン・一部人工樹脂

 主動力  ハーツドライブ


 レベリオ帝国の最新量産型G・S

主力量産機としては他国の主力機を上回る性能を誇る。


 主な武装は レーザーガン・レーザーライフル

       オリハルコン電震ナイフ・オリハルコンブレード

       オリハルコン弾オートライフル

       オリハルコン弾ピストル

       オリハルコン弾ショットガン

 などの帝国製G・S兵器なら全て換装可能である。


◇◆◇           ◆◇◆



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