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004 宇宙傭兵団

 母艦に戻るとツインテールの女の子とクールなメイドの女性。


 そして出撃前には見なかったポニーテールで瓶底ような丸眼鏡をかけ、自動車整備工みたいなツナギを着た小学生ぐらいの小っちゃい女の子が出迎えてくれてた。


「1機で帝国(・・)の正規兵3機を倒すなんて、流石"黒兎"ね!」


 ツインテールの女の子がバシバシ俺の肩を叩きながら"黒兎"を称える。


()()鹵獲(ろかく)される前にデータだけパクっといてよかったのじゃ!」


 ポニーテールの女の子が手に持ったレンチで肩を叩きながら言った。


「でもお嬢様が"黒兎のレコードコロニーを爆破しましょう!"って言わなければ、敵機に追い回されることは無かったですわね……」


 クールなメイド姿の女性が静かに呟いた。


 俺はそんな女性3人の会話を黙って聞いてることしか出来ない


 俺がゲームばかりやっていて"極度の人見知り"と言うこともあるが。


 "自分がアンドロイド"という状況と、"この世界の状況"などの情報がサッパリ分からない為で、どう接していいのか見当がつかないのである。


「とりあえず"戦闘データのメモリ"を残しとくかのぉ」


 ポニーテールの子がそう言うと、手に持ったノートパソコンの様な媒体の先に付いている"コード"を俺のうなじに挿し込んだ。


 俺は「うげっ!」と驚いたが、自分が機械(アンドロイド)であることを思い出し、大人しくする。


 俺からデータを取り出してるのか、ポニーテールの女の子が暫く「フムフム」と言いながら、媒体のモニタ画面を眺める。


「ありゃりゃ?」


 画面を見ていたポニーテールの子が突如、疑問の声を上げ、ツインテールの子が


「どうしたの?」と聞いた。


「黒兎の"戦闘システム"の一部が不明に"改ざん"された記録があるのう」


 あ、まずい!


「何かしら?戦闘した時に頭でも打ってバグったのかな?」


「う~ん分からぬのぉ……とりあえずシステムを復旧しとくのじゃ!」


 ……え?


 またあの体の自由が利かなくなるシステムが入っちゃうの?


『あ、あの……』


 俺はついつい喋りかけてしまった!


「 「 「 え!? 」 」 」


 3人は驚愕の声をあげた。


「なんじゃこいつ!勝手にしゃべり始めたぞい!?」


「もしかして、帝国にハッキングされてんじゃないの!?」


「お嬢様、今すぐ媒体のアンドロイドを破壊した方がいいのでは……?」


 やばい、この世界では勝手にアンドロイドが喋り出すのはおかしいのか!?


 ってか今、"破壊"ってメイドの人が言ってたぞ……やばい!やばい!やばい!


 俺はこの場をどう切り抜かるか、頭をフル回転させて考えた。


 そして俺なりの"最適"な切り抜け方がこのザマであった……。


『お、俺……じゃなくて、私は戦闘AI黒兎の"仮想人格"です』


「 「 「 仮想人格ぅ!? 」 」 」


『はい、現状のプログラムされた電脳(AI)ではサポートしきれない事態を学習するために施された"人間"としての"仮想人格"でございます』


 俺が考えたいい加減な()を聞いた3人は暫く無言になる。


「まぁあり得る話ではあるのう、"黒兎を作った人物"がそんなプログラムを入れていてもおかしい話じゃないわい」


 ポニーテールの子がそう答えると、他の2人も納得したようで俺はほっとした。


「なるほどねぇ……あなた人格があるなら"名前"とかあるの?黒兎でいいの?」


 ツインテールの子がそう問いかける。


 俺は一瞬黒兎でいいかと思ったが、"自分の中の黒兎"とごっちゃになるので、名前を考える。


 何となく"元の世界の本名"は言いたくなかった。


 黒兎が俺を呼んだ時の"アリス"……、兎とアリス、俺でも何となく知っている"物語"の登場人物の流れ――


 俺はその物語通りに動かされる"見えない運命の歯車"に乗せられたのではないかと"ささやかな抵抗の為"、少しだけその名前を変えて答えた。


『私の名前は"ア()リス"です、よろしくお願いします』


 それを聞いたツインテールの女の子が笑顔で握手を求めながらこう言った。


「私の名前は"テレイア"この船の艦長でもあり、この"宇宙傭兵団"の団長よ!」


 "宇宙傭兵団"か、パクっただの爆破だの、穏やかじゃない話の流れを考えたら、てっきり"宇宙海賊団" だと思ったよ。


「よろしくね!アイリス、残りの2人も紹介するわ!」


 メイド服のクールな女性が俺の前に近づいて来る。


(わたくし)は"ケレス"、テレイア様のメイド兼、この船の"通信手"兼、"操舵手"兼、"砲手"をしております、以後お見知りおきを……」


 めちゃくちゃ兼任してるなぁ!他にクルーは居ないのか?


 などと疑問に思ってる内に今度はポニーテールの小さい女の子が来た。


「わしは"ベスタ"じゃ!この船の"整備士(メカニック)"をやっておる、船やG・Sだけじゃなくて、お主の身体をいじくってやるからのう!何かあったら呼ぶがよいぞ!」


『よろしくお願いします、"ケレス"、"ベスタ"』


 頭を下げるアンドロイドの俺に「うんうん」と頷きながら"艦長"のテレイアが話す。


「念願のG・Sパイロットが入った……これで我が宇宙傭兵団"虹の(つるぎ)"が活動できるわね!」


 念願のって……俺しかG・S乗りは居ないのか。


『あの、テレイア艦長』


「ん?何かしら、アイリス」


『他の乗組員(クルー)は居ないのでしょうか?』


「これから探すのよ!そうねぇ……"操舵手"と"砲手"それにG・Sパイロットもあと2人は欲しいところね!」


『こ、これからですか……人を雇うツテ(・・)や資金はあるです?』


「無いわよ!」


『え!?』


「私が家出する前に実家からパクった資金が10億sen(セン)あったけど、この"強襲揚陸艦"と貴方が乗ってた"G・S"の購入と改造で20万sen(セン)しか残って無いわ!」


 sen(セン)、この世界の通貨だろうか……おーい、黒兎


《はいア()リス》


 この世界で20万sen(セン)で出来ることは何だ?


《この船の6日分の維持費、エネルギー代で無くなります》


 ……え!?


 テレイア艦長が笑顔で話を続ける。


「でも大丈夫!これから"傭兵ギルド"に登録して、貴方(アイリス)がじゃんじゃん稼ぐんだから!期待してるわよ!最強の戦闘AI"黒兎"のパイロットさん♪」


 腰に手を当て、ガハハと笑いながら答えるテレイア艦長


『……』


 俺はこれまでの話の流れで1つだけ理解したことがある。


 この艦長はバカだ――

 


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