034 アイリスお〇ん〇んを失くす
虹の剣一行は母艦のピーターワンに乗って、惑星テレラから傭兵団の基地である惑星セレーネへと向かっていた。
ヘカテーに基地やコハクさんを紹介するのと、半壊したヒルク1号をコハクさんに渡して修理と改良をする為だ。
惑星セレーネに到着するまであと3時間ぐらいか……
俺は格納庫で整備の手伝いと掃除を終えると、油や埃が服に付いてしまった為、着替えようと自室に向かって歩いていた。
廊下を歩いて角を曲がろうとしたその時――
ドンッ!!!!
『う゛ぐっ!?』
急に角の死角から現れた大きな籠付きの手押しカートが、下腹部に強くぶつかった。
衝撃を知らせる電気振動が来るがロボットなので痛みは無い
「わぁ!?アイリスお姉ちゃん大丈夫?ごめんよ!ほらコリンお姉ちゃん、カートで走ったら危ないって言ったじゃん!」
「何よ!カイリだってノリノリで一緒に押してたじゃない!」
カートを押してたのはコリンとカイリか、カートの中には衣服があり、恐らくクルー達の服の洗濯をしに行く途中だったのであろう。
『私は大丈夫ですよ……少しびっくりしましたが』
「本当に大丈夫?ごめんね……」
『えぇ、へーきですコリン、では私はこれで……』
2人に別れを告げ、再び歩いて自室へと戻ったのであった。
自室に戻ってクローゼットから替えの服を取り出し、今着ている服を脱いで自分の胸をまじまじと見つめた……
この膨らんだ女性の胸にも慣れて来たなぁ、最初の内は自分の付いた胸に触れただけでドキドキしてたり
周りのクルーも奇麗な女性が多いから、薄着で居るのを見ちゃったり抱き着かれたりして、お股に付いているモノが反応しちゃって大変だった。
でも最近では慣れて来たのか、不用意にムクムクすることも無く、俺も異性に落ち着いて接することが出来るようになったんだなぁ……
そうしみじみ思い、言う事を聞くようになった"きかん坊"を褒めるかの様に股間のモノを撫でようとして手を伸ばしたら――
ん?……あれ?
えぇ……と……ちょっと一旦深呼吸をしよう。
すぅぅぅう はぁぁぁ~……よし!、もう1度確認っと
あれれぇ~、おかしいぞぉ……無い……無い!無い!?
俺のおち〇ち〇が無いぃぃぃぃぃぃ!!!!!!
何時もお股にあったハズの100%のプラス1%の棒、それがどこにも無い……そこにあるのはちぎれた跡の皮膚のギザギザしたバリと、中身の機械が丸見えになってしまってる穴だけだ。
黒兎ぃ!おち〇ち〇無くなっちゃったよぉ!……黒兎は無くなった事気付かなかった?
《気づけませんでした、申し訳ございません》
黒兎でも身体の異常を見逃す事もあるのか……一体いつ失くしてしまったんだろう。
《恐らく先ほどコリンとカイリが押してたカートに衝突した時に》
《もげてしまったんだと思います》
もげるか……生々しいなぁ
カートにぶつけた時か、痛みが無いってのは苦しみを取り除くが、致命的な傷が気付き難くなるのがネックだな
とにかく落したモノを見つけなきゃ!
俺は急いで着替えると、カートが衝突した廊下へと向かったが……、廊下には落ちて居なかった。
どこに行ったんだろう、誰かに拾われた!?
そうならガラクタとして捨てられてしまうかもしれない、もし"ケレス"に拾われてたら……
どうしよう、遠隔で俺の〇貞が喪失してしまったら!!そうなる前に早く見つけないと!なんとかして見つけれる方法は無いのか?
《アイリス、ロストしたモノには電脳から発せられる遠隔電波を神経感覚として動いていました》
《急ごしらえで付けた物なので、直接神経にすると異常が出る可能性があったので》
つまりは俺のおち〇ち〇だけは感覚が無線式だったのか……
《ですので自身の身体から出る神経電波を強めれば、どこかにある棒とのリンクが復活して居場所を特定できるかも知れません》
なるほど!自分の身体をレーダーみたいにして探せばいいのか
《ですが神経電波を強く出し過ぎるので、リンクが出来たら本体に棒の方で起きている影響や刺激を強く受けてしまうかもしれません》
大丈夫、G・Sに乗って戦ってるから、ちょっとやそこらの衝撃には慣れっこさ……黒兎、やってくれ!
《了解、電波を最大にして棒を探知します》
頭の中でピー……という機械音が響いてしばらくした時だった――
《リンクしました》
『ん゛!?……んほっ……んひいいいいいい!!!!』
下腹部に強力な振動と刺激を感じる!まるでアソコをつかまれで擦られているみたいだ……。
でも痛いと言うよりは、その……き、きもちいい……
『んっ……あっ、ダメ!……はぁはぁ……はんっ!』
息荒く顔を真っ赤にして前かがみになる俺、早く見つけないと自分がおかしくなってしまう。
《電波を逆探知した結果、棒は恐らく母艦のランドリー室にあります》
ランドリー室、もげた時にカートに入ってしまって、そのまま衣服と一緒に洗濯されてるのか。
俺は全身に駆け巡る淫らな快楽に耐えしのぎながら、前屈みで足をプルプルさせ、少しずつ牛歩でランドリー室へと向かう。
この廊下の角を曲がればランドリー室だ……はぁはぁ……黒兎、場所は分かってるから無線神経を切ってくれ
《了解、解除しました》
よし、これで普通に歩いて行けるぞ!
小走りでランドリー室へと向かいドアを開けたが、ランドリー室内には既にコリンとカイリが去った後であった。
俺はランドリー室に置かれている大きな洗濯機のドアを開け、中に頭を突っ込んで隅々まで探す。
この世界、というかこの宇宙船の洗濯機は水を使わずに回転したドラムの中で、埃や皮脂などの汚れを絡め取るパウダーと紫外線照射消毒で衣類を洗濯し、ものの数分で洗浄と乾燥が終わるらしい
そんな宇宙用洗濯機の中を探してみたがおち〇ち〇は見つからない
洗濯を担当してたコリンとカイリが見つけて遺失物として持っていった?それとも誰かの衣類に入り込んだまま運ばれたのか?
仕方ない……黒兎、もう一度無線神経を繋いでくれ
《了解、リンクしました》
『う゛っ!?つめたっ!』
今度は股間に冷水をぶっかけられたかの様な、ヒンヤリした感覚が現れる。
《電波は母艦ブリッジ方面から出ています》
ブリッジか、恐らく誰かが拾って遺失物として皆に見せるつもりだろう。
俺は歩きやすいように直ぐにリンクを外すと、小走りでブリッジへと向かった。
ブリッジ入り口の自動ドアが開くと、目の前にバスケットボールぐらいの丸い球体水槽を持ったテレイアが嬉しそうに声をかけてきた。
「あ!見て見てアイリス、"宇宙ナマコ"よ!」
『宇宙……ナマコ……』
テレイアが抱えた水槽をよく見ると、どう見ても俺が落したおち〇ち〇が水の中に浸かっていた。
「そうよ!宇宙三大未確認生物として有名な宇宙ナマコ!何故か私の衣類からニュルっと出て来てビックリしたわ!!」
宇宙三大の残り2匹が気になるが、なんとかして俺の宇宙ナマコを返して貰わないと……。
『その宇宙ナマコを一体どうするのですか?』
「折角だから飼おうと思うわ!私が責任を持って育てるから大丈夫!でも餌は何を食べるのかしら?今度ミルワームでも口に突っ込んでみるわ!」
やめてくれ……
「あと団のマスコットにしようかしら?写真をステッカーやTシャツにして、ネットで全宇宙に向けて販売するの!」
やめてくれぇ!!!!
絶対嫌すぎる……なんとか俺がどこかに持って行ってナマコが逃げ出した事にしなきゃ!
『あの、テレイア艦長……そのナマコを調べたいので、一晩私が預かってもいいでしょうか?』
「やだ!」
『えぇ……』
「私が捕まえたんだもん、私がちゃんと面倒みるわよ!今度触らせてあげるから我慢しなさい!」
そう言ったテレイアはナマコが入った球体水槽を大事そうに抱えて、自室の方へ戻って行ってしまったのであった。
………………
…………
……
テレイアが自室に戻って20分後――
俺は視野をサーマルモードにしてテレイアの部屋を覗いていた。
黒兎、どう?テレイアは寝たかな?
《体温、脳派を測定……現在睡眠状態であります》
了解、ドアのセキュリティを解除出来る?
《可能です、ハッキングを開始…………ロック解除しました》
早いな!黒兎が優秀なのかこの船のセキュリティが甘いのか、少し心配になってきたよ。
テレイアの部屋のドアが開き、室内へと侵入する。
うわっ……部屋の床が本や丸まった用紙だらけでゴチャゴチャしてるな、元の世界の俺の部屋も汚かったから他人の事は言えないが……これはいったい何の本なんだろう?
《各国の法律書や宇宙航空学、艦隊戦の兵法書、経済、ロボット工学や流通本等々、ロールになっている紙は宇宙航路や宇宙船の図面などですね》
なるほど、宇宙傭兵団の団長、艦長としてのスキルを頭に詰め込んでるのか。
紙媒体は目が疲れにくいしスクロールだのが不要だからな、恐らく部屋にいる時はずっと学習しているのだろう。
ごちゃごちゃとした部屋の中で比較的物が少ないベットの上でテレイアは眠っている。
この執念によって一体何を目指しているのだろう?テレイアは何処かのお金持ちか貴族の出だ。
何かがあって家を出たのだろうが、宇宙船を買えるほどの資金を持っていた。
普通の生活を目指して居たらその資金で充分一生分は暮らせていただろうに……。
おっといかん!宇宙ナマコを回収するという本来の目的果たさなきゃ……
俺は寝ているテレイアの枕元に転がっていた球体水槽から"宇宙ナマコ"を取り出すと、寝ているテレイアに
『ご苦労様です……艦長』
と小声で呟き、部屋を後にした――。
その後格納庫にコソコソと向かうと、そこで作業をしていたベスタに声をかける。
『あの……ベスタ』
「お?どうしたんじゃアイリス」
『これ……ちぎれちゃったんですが、繋げること出来ますか?』
俺は手に持ったモノをベスタに見せた。
「なんじゃそれは!?」
『……お〇ん〇んです。』
「お、お〇ん〇ん!?……えっ、取れちゃったのけ……?」
『取れちゃったんです……』
「お、おぅ……とりあえずソレと下を脱いで見せるのじゃ」
………………
…………
……
1時間後――
俺は自室のベットで寝転がり、枕に顔を埋めてうーうーと唸っていた……。
ベスタにお〇ん〇んを人工タンパク等で繋げて貰うことは出来たが、その過程で自分が全裸で股間をいじくりまわされてる状況と
神経が繋がった瞬間"おっ立って"しまった時のその場の空気と、ベスタの何とも言えない表情が何度も頭を駆け巡る――
「んぬっ!?あっ……アイリスは元気じゃのぅ……ハハハ……^^;」
「アイリスは元気じゃのぅ……ハハハ……^^;」
「……ハハハ……^^;」
うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
俺は今日ほど感情や記憶をデリート出来る機能がこの身体に備わっていれば……と思う日は無いだろう。
そんな出来事であった――。




