閑話一
試験
「試験を受けるものはこちらへ集まってください」
俺らは木剣を持ち、集まる。
「それでは試合をしたいと思います。これでも我々は武術部門の塔に所属している。本気でかかってきて大丈夫だ」
「リリア……はいいとして、キリエ、絶対本気出しちゃダメだからな?殺すのはアウトだからな?」
「あ、あはは」
「むー、それくらいわかっているぞ」
「それでは順番にかかってきなさい」
そう言われ、何人もかかっていく。確かに言うだけのことはあるが、遅すぎる。緩慢で試合の最中かなり手を抜かないといけないことはわかった。
「ああ、確かにこれは手加減が必要ですね」
とリリアがと喋っていると試験官がこちらをじろりと睨む。
あっ、テンプレの予感。そして、その試験官の一人が近づいて来た。
「我々相手に手加減だと?舐めているのか?先程武術部門に席を置いているといったが、席官では無いぞ。そこの試験官3人は」
「そういうあなたはどうなんですか?」
「私は武術部門第4席だ。上から数えて四番目に強いということだな」
「あっ、じゃあ、俺たち三人の試験はあなたにお願いしてもいいですか?」
「貴様!舐めるのも大概にしろ!」
大声でこの4席さんが言うもんだから、回りから視線が集まる集まる。
「一発で倒したらまずいから、とりあえず先にリリア、次にキリエ、最後に俺が戦おうかな?体力を削るような戦い方はくれぐれもするなよ?」
「ば、馬鹿にしやがって!いいだろう!貴様らには武術部門の名にかけて、必ず倒す!」
「じゃあ、私からいきますね」
と言いながら、リリアが前へ出る。俺とキリエは後ろへ下がる。そして、戦闘が始まり、戦闘が終わった。手加減スキルの発動は確認した。何があったか。簡単なことだった。木剣を構えている相手の真横に転移し、相手の木剣を粉砕した。とはいえ、リリアの木剣も粉微塵になったが。
そして、4席さんは見えなかったらしい。何が起きたか理解出来ないが、剣が壊れ、殺気を感じたのか、全力で後ろへ下がってる。
「貴様、何をした!」
「えーっと、横に転移して木剣の腹を叩いて木剣を叩き割りました」
「なんだと!いや、転移はなしだ!純粋な剣術の勝負でなければならない。とりあえず替えの木剣を持ってこよう」
こうして、仕切り直した。そして、再度試合開始の合図がなる。今度はリリアは一切動かない。相手も動かない。
「どうした!先程までの威勢は!」
4席さんが挑発してくる。リリアはため息をつき、攻撃に移る。数合打ち合い、リリアが木剣を叩きつけるスピードを上げる。と、対処できなくなったのか、手から木剣がすっぽ抜けた。リリアは首元に剣を突きつけた。
「これでいいかしら?」
見ている殆どが唖然としている。4席さんは何が起きたかわからないご様子。
「じゃあ、次は私だな!そこの4席どの!楽しませてくれよ!」
リリアがこれだけの強さを見せた。そして、4席さんは気づいた。その三人の中で一番弱そうなのに俺は負けた、と。そして、残り二人と戦わないといけないということも。戦わず合格を出しても構わないが、試験をしないではい合格は流石にまずい。
「よ、よし、君は合格だ。次きたまえ」
キリエは、木剣を構える。互いに動かない。そして、気が合ったのだろう。ふたりとも一斉に動いた。とはいえ、速度が明らかに違う。そして、キリエはいらんことに、飛んだ。そして、大上段からの打ち下ろし。かろうじて気づいた4席さん、防御する。が、防御した木剣が砕けた。
「は、はは……よ、よし、いいだろう。合格だ……つ、次」
再度4席さんは新しい木剣を構えた。俺は特に構えもせず、突っ立った。すると調子に乗った4席が挑発する。
「どうした?構えないのか?それともそこの女性より弱いというのか?」
4席さんは嬉々としている。
「はぁ、いつでも良いよ。好きなタイミングでかかってきて」
というと、笑顔だった4席さんの表情がガラリと変わった。
「き、貴様!どこまでもコケにしおって!」
そう言うと、こちらへ走って突っ込んでくる。木剣を両手で持ち水平にして、突きの構えで。俺はそれをいなし続けた。4席さんは頑張って攻撃する。剣を振ったり、突いたり色々している。が、俺はすべていなす。そして、最後はすくい上げるように梃子の原理を使って、4席さんの木剣を投げ飛ばす。そして、首元に木剣を突きつけた。
「くっ、き、貴様も合格だ」
こうして試験は終了した。奇異な目で見られながらもとりあえず、飛び級の合格ラインには達しているだろうと思う。聞いたら、筆記試験で点数取れれば問題ないそうな。そして、筆記試験は普通に全員合格した。こうして飛び級できることになった。
この後、4席さんは席官から外されそうになったそうな。
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