第一話
本日二話目です。
次の投稿は12時です。
「ここはどこだ?ピュリの街じゃなさそうだけど……どうなってんだ?」
すると頭の中に声が響いた。
「いやー、成功してよかったよ~、これで失敗してたらシステムを見直さないと行けなかったから・・・次の召喚が何年語になったか」
明らかに俺より年下の少年の声だ。だが、姿は見えない。
「おい、坊主、ここはどこだ?なぜ俺はここにいる?LGのゲームをしていたはずなのだが?」
「坊主は無いんじゃないかな?一応神様なんだけど」
相変わらず姿は見えないが謎の声は聞こえる。
「神様ね~、まぁ、いいや。俺はゲームをしたいんだ。神様だかなんだか知らないけど、早くゲームをさせろ」
「ああ、君の世界の本体はちゃんとゲームをしているよ~」
「……俺が偽物だとでも言いたいのか?」
「いやいや、偽物ではないよ。状況を説明すると、君のパーソナルデータをコピペしたんだよ。だから君も本体、現実世界でLGを楽しんでるのも君自身というわけだ!」
「……言いたいことは山ほどあるが、まあ良いや。ところで俺の質問には最後までちゃんと答えてくれないのか?」
「ああ、ごめんごめん。ここはあの世とこの世の中間ぐらいの場所かな?僕が管理している世界の死者を別な世界の生者にしたりしているんだ。そして、なぜ君がここにいるかというと、リアルでお金持ち、そして重課金者。しかもトッププレイヤーでソロ活動が基本だということが理由かな?」
「確かにその条件は俺には当てはまるが、俺は一体なぜ呼ばれたんだ?」
「実は僕の管理する異世界に行ってほしいんだよね~」
「……なぜその条件で行ってほしい?というか、要するにラノベでよくある異世界転移と言うやつか?」
「厳密には転生のほうかな?赤ん坊から大人になるまで成長させた姿にはする予定だけど。で、なぜ条件があるかと言うと、異世界でも課金ショップみたいなのを使えるようにしたから。リアルにお金持ちで、なおかつゲーム内のお金もたくさん持っていて。ああ心配しないで。ストレージを無限まで増やしたから、ゲーム内の銀行に入れていたお金は君のストレージに入っているから……一億ずつ小分けにして」
「一億が小分けかよ」
「だって、しょうがないじゃん。所持金多いんだし。あっ、それとこの世界の通貨に関して教えるけど、君の持ってるユルド、向こうの世界では金貨一枚と同等、下手すれば鋳潰しても構わないと言うなら下手すればかなりの高値で売れるから。そして、金貨一枚日本の感覚で言うと1万円ぐらいかな?」
「な、なるほど」
「とりあえず、君に行ってもらう異世界の説明をもう少しするね~」
「待て、まだ俺は行くと言ってないぞ」
「って言ったって、君、本人だけどコピーだし、気楽に人生を謳歌すればいいと思うよ。まぁ、そう固くならずに気楽に気楽に」
「まぁ、いいや。とりあえず話を聞こう」
「おっけー。種族としては人族、獣人族、亜人族が大半で、少し少なくなって魔族に竜族、そして、一番少ないのが幻想種と神族、亜神だね。ちなみに、君も種族は亜神として転生させる予定だから。不老不死だよ~」
「ちょっと待て、不老不死は勘弁。死にたいときに死ねないってことだよね?辛くなったら死ぬ権利ぐらいは欲しい」
「ん~それもそうか。だったら神族や亜神、幻想種はやめておこう。じゃあ、ダンピールはどうだい?それらを除くと多分ほぼ最強種だよ!しかも真祖の因子も組み込もう!」
「ちょっと待て、ダンピールってことは半分吸血鬼だよな?それってどうなんだ?」
「人間であることにこだわりたい?」
「ああ、死ぬまで人間で居たいな」
「であれば、もう半分の因子をハイエルフにしたらどうだろう?」
「ハイエルフというと、あのファンタジーとかに出てくる・・・人間に少しは近づいたが?」
「わがままだな~・・・ちなみにどういうイメージを持ってるかわからないけど、実際はダンピールってかなり希少種族で人と変わりない生活を送れる上に、通常の吸血鬼の上位互換で、掛け合わせる因子によって寿命が変わるけど、人種のダンピールの場合だと人の数倍は長生きする」
「だったらそれでいいじゃないか!」
「だけど、それだと弱すぎるんだよ。そもそも人種が弱すぎて、ダンピールになっても唯一通常の吸血鬼に劣る能力しか持たないんだよ。だから、せめて竜人かハイエルフにしてほしい。見た目が人に近いのはハイエルフで、ダンピールとして能力が高いのは断然ハイエルフのダンピールだよ!」
「まぁ、しょうがない。じゃあそのハイエルフのダンピールで良いよ」
「了解!じゃあ、ゲームの能力をそのままに肉体の構成を開始するね。その間、他のことについても話をしよう」
「ああ、頼む。異世界に行ってほしいのはわかったが、寿命に関しても力に関してもなんか不穏な印象しかない」
「うんうん。概ねそれで合ってる気がするけど、一応説明するね。コホン。君たちの認識で言う中世のようなファンタジーの世界に行ってもらいます。まぁ、厳密に言うと君たちの世界でいうところの近世ヨーロッパって感じかな?というか、街の配置や、地形が違うけど、LGの世界観と同じ感じだよ。この世界には魔術があり、魔物が存在していて、なおかつ種族間による争いが絶えず、おまけに神族があまりにも傲慢すぎて神族同士の対立、それによる環境破壊、それらに巻き込まれる他の種族……等々、それらをなんとかしてほしいんだ」
「……それ、無理だよね?」
「だから、寿命が欲しいんじゃないか。それと力。すでにゲーム時の能力に今回の種族ボーナスを含めれば、はほぼほぼ神族に近いから、一対一なら負けないと思う。ただ、それ以上だと微妙だね。たまに神族同士が集団戦闘を起こすこともあるし」
「それらの種族って、お前が創ったんだろ?」
「そう!さっきも言ったけど、僕が管理している世界の一つが君の行く世界!この世界は僕が創ったものだ!だからそこの生物も僕が創ったと言って過言ではない!」
「それの尻拭いを俺にしろと?」
「優遇するよ?」
「まぁ、そういうのに憧れてたから良いんだけど」
「うん。なんかありがとうね」
「……で?」
「ああ、そうそう。ゲーム内のステータスがあってもどうにもならなさそうだから追加でチートを授けるつもりだよ!」
「チートね~」
「さっきも言ったけど、各種ショップが常備!ちなみに、ガチャはなくなり、お高いですが、望んだものを買えます!」
「そういえば、さっきから疑問に思ってたんだけど、あんたの言う異世界に行くわけだよな?現実の金なんてどうやってこっちに持ってくるんだ?日本円が必要なのは良い。俺が俺の金を使うのに躊躇もしない。だが、元の世界に俺は存在してて、ゲームしているんだろ?どうしたらすべて俺が使えるみたいな話になってるんだ?」
「そうだな~。ん~、君さ、LGにログインしたら銀行に預けているお金が消えることってある?」
「ないな」
「そうだよね。ゲーム内の銀行に預けていれば銀行にお金があるし、所持金だってある。それは君のパーソナルデータを読み込んで、本人確認を済ませ、そのデータを引っ張り出すから、銀行のお金も所持金も自由に出し入れできるんだよね。さっき君をコピペしたって言ったけど、問題はそこ。君の世界を一時的かつ限定的に君に行ってもらう世界と同じ仕組みにしてスキャンしたんだ。パーソナルデータは君の世界では書き換え不可能でしょ?君名義のお金も君が実際所持していることになっているんだよ!」
「なるほど、要するに現実世界の俺のパーソナルデータ、つまり実際の所持金額が、今後俺がもらうチートに関わってくるってことか?」
「そのとおり~」
「なるほど。で、他のチートの内容は?それだけじゃないんだろ?」
「ふふふ、そのとーり!チート内容は以下の通り」
1.ダンピール(ハイエルフ)年齢は27歳だけど、見た目は10代後半で止まってる。
2.スキルの統合(不足分もスキルを満たしたことにしてスキル欄をすっきりさせます)
3.ショップ(課金ショップ、雑貨ショップ、武器ショップ)
4.アイテムと整備用品をイベントリに入れると、自動で修復してくれる。あと自動解体とか。
5.ゲームのステータスとスキル、お金(銀行内を含んだ全ユルドと日本円)の持ち越し。(日本円は当時の相場で計算)
6.最後におまけで僕お手製の装備品をあげるよ~
7.顔がイケメン。高身長。
「とまぁ、こんなかんじかな?」
「ちょっとやりすぎじゃないか?特に最後わけわからん」
「う~ん、僕もそんな気はするけど、でも力は無いよりあったほうがいいから、これでいいよ」
「最後に関してはスルーか。わかった。これで俺は転移するのか?」
「いいや、転移じゃなく転生ね。成長させた状態にはなるし。まだ君の肉体を構成中だからもう少し待ってね」
そう言ってしばらく経ったら、自称神様から声がかかった。
「おまたせ~、いや~、チート組み込むのに時間がかかったわ~」
「じゃあ、俺は転生するのか?」
「うん、肉体は構築済みだからいつでも大丈夫だよ!あっ、僕とのホットラインがあるからよろしく。それと無効についたら最初にジョブの設定とステータスの確認はしておいてね。運営のお知らせ見たと思うけど、ジョブを10までつけられるから。あと、ジョブレベルの上限は100だからそこは勘違いしないでね!ちなみに、時間軸は同じだから、運営のメンテナンスはこの世界で反映されるからよろしく。言っておくけど、反映されるのは君だけだからね!それからハイエルフとヴァンパイア真祖の能力が付与されているから。あと、君独自の固有スキルと、種族の固有スキルも付いてるから、いろいろ試してみてね!」
そう言うと、足元から徐々に上に向かって体が光った。
「じゃあね!異世界ライフ楽しんできてね!」
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