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「今日からアレク様の教育奴隷となりました、グオリオと申します」
おはよう、腐女子だ。
父の部屋に行った翌日、部屋でのんびりと朝御飯を食べていると扉を叩かれた。
性悪メイドさんはこの時間部屋に居ない為、椅子から下りて扉へ向かう。こんな朝から一体誰だろう。もしも兄たちだったら今度こそリストラ説が濃厚になってくるぞ。
と、そんなことを考えている場合ではない。もし本当に兄のどちらかだったら早く開けなければ物理的な文句を叩き込められる。急がなければ!
「はい、今開けます……」
そう言ってアレクからしたら少し大きめの扉を開けると、おじさまが立っていた。そう、あの筋肉が美味しそうなおじさまである。
しかしおかしい。何故おじさまが朝早くに私の部屋へやって来たのだろうか。おじさまを見ると昨日の事を思い出して、少し胸がもにゃもにゃしてくる。
「えーとおじさま? 何のご用でしょうか?」
姿勢良く立っているおじさまを眺めていたいとも思うが、そんなことをしていては私の朝御飯が冷めてしまう。冷めても美味しいけど、温かいものだったら熱いうちに食べたい。
おじさまをおかずにご飯を食べればよいのでは……? と邪な事を思いながらおじさまを見上げると、急にシュバッと音を立てて直角のお辞儀をし出した。
え、なんだろう、魔法でもかけられたのだろうか……?
「お、おじさま! 頭を上げてください!」
「今日からアレク様の教育奴隷となりました! グオリオと申します!」
「……?」
意味がわからず無言で首を傾げると、おじさまは勢いを収めて
「今日からアレク様の教育奴隷となりました、グオリオと申します。アレク様の身の回りのお世話などもさせていただきます」
そう言い悪戯っ子の様な笑みを浮かべた。私はそれを意味もわからず見つめていた。
何その顔可愛い。癒し系かよ好き。
今話後書
女騎士は洞窟に入り、中を散策していた。
夜に光出すヒカリゴケがたくさん生えた洞窟は、外よりは安全だと思ったのだ。
それでも危険がないとは言いきれない洞窟内だが、テンプレだとこういう洞窟には聖剣とかが眠っていたりする。
女騎士は王道に弱かった。
勇者と姫の恋物語を好んで読んでいた女騎士は少しだけそういうシチュエーションに憧れていたのだ。
おじさまの名前が出てテンション上がったのにいきなり終わってお前許さねぇぞと思いながら投稿しています。