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性悪メイドさんがたくさん喋ります注意!
「そりゃあ、アレク様はお顔は良くても髪の色がそれですもの。それで愛されたいなんて神でも許される事ではありませんわ」
「髪の色……? そんなものだけで……?」
どうも、腐女子です。六歳になったアレクは美少女メイドさんに質問をしました。
――どうしてお母さまもお父さまもお兄さまたちも、皆ボクの事嫌いなの?
それの答えが髪の色とかいう、異世界設定もりもり過ぎるでしょ! とヒステリックに叫びたくなるようなものだったのです。
確かに父とも母とも、勿論兄達とも全然違う髪の色をしていたけれど、それが理由とか普通、異世界の小説読み漁ってるどこぞの転生主人公でもない限り思い付かないと思うんですよ。
「髪の色、ってそんなに大事なの?」
そう言うと性悪メイドさんはこちらをバカにしたような目で見ながら答えてくれました。
「何を言うのかと思えば、髪の色こそがその人間の全てですよ。髪の色で神に愛されているのかどうか見極めることが可能なのです。闇の色、魔の色である黒は神に愛される事なく終わりを迎える庶民の色。貴族だけが使える魔法や魔剣、魔獣などが全く使えない敗北者の色。白に近ければ近いほど神に愛され才能を持つ世界において、白と相容れない色。それが貴方です」
「自覚して大人しくしているのかと思ったら、はぁ……世話係を任された身とは言え、貴方と話すだけでも疲れます」
「さあ、解ったのならさっさと謝りなさい。貴方のせいで貴重な時間が過ぎてしまいました。いくら貴方が貴族のお坊ちゃんでも、私の方が偉いのですよ。私は赤髪、貴方よりは愛されし人間ですから」
「さあ、さっさとしなさい」
「ごめん、なさい……」
「ふん、解ればいいんですよ。さて、ぐずに時間をとられてしまったせいでお仕事が進みませんわ。早くしないとお食事の準備に間に合わないわ」
今話の後書き
オークは悪の組織によって魔獣にされた人間の男だった! 女騎士はオークたちと約束し、組織を壊すことに!
お兄さま、早く出ないかなぁ。わくわく。